「ベタ組み」再考
たとえば「字間ベタ」と「字送りベタ」の違いに例をとりましょう。最初に言葉の定義を再確認しておきましょう。字間とは隣接する字同士の空き量のこと。字送りとはある字の中心から,次の字の中心までのサイズのこと。
2011-11-05 22:52:05そして字間ベタとは字間をあけずに配置すること。そして字送りベタとは字幅(文字サイズ)と字送りが一致すること(たぶん、これはごく一般的な定義だと思います)。
2011-11-05 22:52:28さて、そこで「字間ベタ」と「字送りベタ」はどう違うのか。これは異サイズ混植の場合、それぞれどうなるかをイメージすると分かりやすいと思います。
2011-11-05 22:52:36前述のとおり字送りベタとは字幅(文字サイズ)と字送りが一致することですが、異サイズ混植の場合は、異なった字幅が2つあるので字送りと一致させようがないことになります。
2011-11-05 22:52:56こうして考えると、字送りベタはすべての字幅が均等、つまり字送り均等の場合だけ成立するわけです。もっというと、例えばある行組版を「字送り○ポ」という形で表現することは、暗黙のうちにそれが字送り均等でもあることも意味していると言えるのです。
2011-11-05 22:53:06一方で、字間ベタの場合は、必ずしも字送り均等とは限りません。それは前述の異サイズ混植の場合で分かるとおり、字送り不均等であっても字間ベタが成り立つわけです。
2011-11-05 22:53:14まとめると、「字送り・字間」、「行送り・行間」は、ほとんどの場合交換可能な言葉です。しかし、「字送り・行送り」に関しては、それぞれ「字送り均等」「行送り均等」も内包しているという違いがあります。
2011-11-05 22:53:39一般に我々が「ベタ組み」といった場合の組版は、異サイズ混植は含まず、字送り均等のものを指すのではないのではないでしょうか。したがって、「字間ベタ」より「字送りベタ」の方が、より正確なのではないかと思うわけです。
2011-11-05 22:53:48大石さん、その他の皆さま、お分かりいただけたでしょうか。自分でも書いていて、以前の考え不足がよく分かりました。すこしは以前より深められたと思いますが、おかしな所はぜひご指摘いただければと思います。
2011-11-05 22:53:57ここがムズムズします! RT @ogwata: 前述のとおり字送りベタとは字幅(文字サイズ)と字送りが一致することですが、異サイズ混植の場合は、異なった字幅が2つあるので字送りと一致させようがないことになります。
2011-11-05 23:12:56@ogwata 字間、字送りといった「グラフィカルなふるまい」は、目にすればとてもカンタンで単純なことなんですけど、言葉で説明するとどうしてもムズかしくなってしまいますねー
2011-11-05 23:14:36@ogwata 「送り」を距離のこととすると,それがベタというのは零距離ということはあっても正(や負)の値をもった距離という意味で定義するのには違和感があります.字送り字幅一致で十分ではないでしょうか.
2011-11-06 01:39:50先程の @ogwata くんの連続ツイートだが、QUARKXPressの、タイプセッティングとワードスペーシングの違いの話をしたかったのかな、と今になって思うのだが…。
2011-11-06 02:08:15昨晩の一連のツィート、 @horuf さんの「字送りベタって,初めて聞いた。」という反応で、ハッとした。自分はベタ組みの定義を考えていたのではなかった。どうやらあることを考える過程で別の道に迷い込んでしまったのだろう。分岐点にもどってみよう。
2011-11-06 09:40:12字送りベタというのは、字間ベタを実現するメカニズム上の方法を説明的に言ってみた、というような言葉かと。ベタという概念は、多分英語だとset solidでしょうが、活字ボディとそのスペースに関係しているように思います。
2011-11-06 09:45:28字間ベタは活版組版のイメージ、字送りベタといいうのは、写植の歯送りのイメージ。。例えば、12Qの文字で歯送りが12Hのことと思って読んでいた。RT @ogwata: @horuf さんの「字送りベタって,初めて聞いた。」という反応で、ハッとした。
2011-11-06 09:49:14@goya4 @horuf @ogwata 昔(ドラえもんの担当をやっていたころ)は、12Q歯送り11Hみたいなことを指定していた。今みたいに懐がおおきくないフォントが多かった。字間をちょっと詰めると、字送り方向の線がはっきりして読みやすくなるのね。ま、活字では無理だけれど。
2011-11-06 10:15:51【べた 】[一](形動) ①すきまのないさま。一面に広がっているさま。「一寸見当の付かないものが━に描いてある/草枕漱石」 ②名詞またはそれに準ずる語の上に付いて,「すきまのないさま」「すっかり」「すべて」などの意を表す。「━惚(ぼ)れ」「━ぼめ」「━一面」… #daijirin
2011-11-06 11:02:34日常語としてのベタって「なにもしない」「ありきたり」って意味で使われるから、ベタ組もそうだと思われちゃうんだよねえ。ソリッド組の方が余計な意味がくっつかないし、実際に指向している意味に沿ってると思う。
2011-11-06 14:34:34