拗促音の行頭禁則は一般的なのか?

続き『「ベタ組み」再考』 http://togetter.com/li/210626 も合わせてお読みください。 『「ぶら下げ」再考』 http://togetter.com/li/212525 『再び、拗促音長音の行頭禁則を考える 』 http://togetter.com/li/212537
文学 書籍 組版 jisx4051 禁則 拗促音
12794view 4コメント
27
小形克宏 @ogwata
このところ調べたり考えた事を、まとめてツィートします。現代日本の本文組版は、「図がほとんど入らない四六判書籍」(以下、単に「書籍」と略。文庫と新書も入れていいかも)に限定する限り、3つ程度のパターンに分けられるのではないかという仮説をいだいている。
小形克宏 @ogwata
まず、最も基本的なルールを挙げる。行間均等、行頭行末そろえ、ベタ組み「志向」。ここでなぜ「志向」とつくかというと、実際には禁則処理により各種の調整が行なわれるため、正確なベタ組みにならないからだ。この調整により、以下のような数種類のパターンが生じる。
小形克宏 @ogwata
まず最も多い「一般パターン」を挙げる。追出し。行末約物は全角。段落冒頭全角アキ(始め括弧類は二分アキ)。段落2行目冒頭の始め括弧類は天付。行頭禁則は終わり括弧類、ハイフン類、区切り約物、中点及び句点類。行末禁則は始め括弧類。分離禁止は…、‥、ー。ぶら下げはする。
小形克宏 @ogwata
じつは、この「一般パターン」がほとんどを占めるのが、日本の「書籍」における組版の姿ではないだろうか。
小形克宏 @ogwata
次にちょっと変わったパターンを挙げる。一般パターンのうち、次のものだけ変更。①ぶら下がりなし(講談社、行末約物は半角の場合あり)。②分離禁止をしない(早川書房、東京創元社。後者の場合は例外あり)。
小形克宏 @ogwata
他にも「ちょっと変わったパターン」はあるかもしれない。しかし、あったとしてもあくまで「一般パターン」の一部変更にすぎず、大きく隔たったものではないように思っている。
小形克宏 @ogwata
ひるがえって日本の組版規格、JIS X 4051について考えたい。ここまでなるべく、この規格に沿って記述したことにお気づきの方もいると思う。ところで前述「一般パターン」で、JIS X 4051と大きく異なる箇所があることにお気づきだろうか。それは「行頭禁則和字」の扱いです。
小形克宏 @ogwata
ここであらためて「行頭禁則和字」の定義をおさえておこう。JIS X 4051によれば、これは文字クラスの1つであって、縦横ともに「ヽゝゞ々ーぁぃぅぇぉっゃゅょゎァィゥェォッャュョヮヵヶ」が指定されている(p.24、表4)。
小形克宏 @ogwata
そして、大事なことは、その名の通りこれが行頭にきてはいけない文字クラスの1つとして規定されていること(4.3 行頭禁則、p.12)。
小形克宏 @ogwata
ここでご注目。皆さん、「書籍」のうちこの行頭禁則和字を行頭禁則しているものって、見たことあります? もちろん皆無ではない。実際、自分自身は編集者時代は拗促音を禁則するよう指定していたくらい。しかし非常に少数派で、見つけるのに苦労する。
小形克宏 @ogwata
ぼくは逗子市立図書館で日本文学の棚を片端から見ていったのですが、小一時間かけて1つも見つけられなかった。
小形克宏 @ogwata
すなわち、JIS X 4051における「行頭禁則和字」について、一般性を疑わざるを得ないのであります。これがこの一連のツィートで言いたかったこと。
小形克宏 @ogwata
なお、JIS X 4051のために付言すると、表4備考8によって、処理系定義で行頭禁則和字から小書き仮名を除外することが認められている。まあ、だからどうしたって感じですが。
小形克宏 @ogwata
それから、「日本語組版処理の要件」http://t.co/6uPMTEks において、文字クラスとしての行頭禁則和字がどのような変更を受けているかがけっこう大事なのだけど、この点については機会をあらためる。興味のある方は、cl-11をご参照いただきたい。以上、ご静聴を感謝します。
小形克宏 @ogwata
(折り返しの行頭における始め括弧類の扱いは、各種ありそうだな。たしか岩波書店は天付しなかったのではなかったっけ?)
きえだ ゆうすけ@『数式組版』ラムダノート社より刊行! @p_typo
禁則について初期段階から明確な指定を受けたことはなかったりする.編集者個人に依るとは思うが,それが良いか悪いかは別にして,組版システムのデフォルト設定をそのまま使用しているのも少くないのではと思う.
ものかの @monokano
@ogwata 私も以前、前田さんのツイートに促されて拗促音の行頭禁則が自宅の本に皆無だったことを確認してびっくりしたことがあります。「拗促音の行頭禁則は優先度が高い」というのは思い込みなんですね。(続く)
ものかの @monokano
@ogwata ただ、昔の拗促音は並字で、それが小書きになってから行頭で気になるようになったというのはあるでしょうね。でも拗促音を行頭禁則にすると、追い出しが頻出する可能性が格段に高まるので、字送り均等指向の組版ではやはり避けたいところです。
小形克宏 @ogwata
@monokano ありがとうございます。おっしゃる通りで、全集など旧仮名の組版を見ると、調整が少なそうで、うらやましくなります。
小形克宏 @ogwata
しかし、けっこう物議を醸しそうなツィートをしたと思っていたが、この反応の少なさをどう考えれば良いのか。
なんでやねんDTP/おぢん @works014
@ogwata >JIS X 4051における「行頭禁則和字」について、一般性を疑わざるを得ない私的には特になし…私の好みは追い込みを優先…
ものかの @monokano
@ogwata @works014 一連のツイートが何を問題にして、何に言及しているのか、つまりテーマそのものが分からないんだと思います。
西岡裕二@なのゴシック @n_yuji
JIS規格なんか無視しようよ派だからなぁ……と言ってみるテスト。
貍人鳥(小池咊夫) @koikekaisho
@n_yuji 工業規格を無視するかどうかはメーカーの選択ですが、規格不適合な製品をあえて購入する消費者の選択と云うのもあるのかな。
残りを読む(27)

コメント

狩野宏樹 @KAN0U 2011年11月4日
追加ありがとうございます。さらに少し追加。
小形克宏 @ogwata 2011年11月5日
訂正:「最も基本的なルール」における「行間均等」は「行送り均等」の間違いですね。行間-行送り、字間-字送りをいつも取り違えてしまう。行間・字間は隣接する行・字のアキサイズ、行送り・字送りはある行・字の中心から,次の字・行の中心までのサイズ。
あさくら・ふにょし @hunyosi 2011年11月5日
拗促音の行頭禁則してる書籍がほとんど無いって本当?小さい文字(ゃゅょぁぃぅぇぉ等)は行頭に来ないようにするのが普通だと思ってた >「拗促音の行頭禁則は一般的なのか?」http://togetter.com/li/209621
狩野宏樹 @KAN0U 2011年11月6日
小学校の作文教育で、禁則についてどう教えられているかに関するツイートを追加しました。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする