マシン・オブ・ヴェンジェンス #2

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キュイイイ、夜空を切り裂く不穏な稼働音。レーザー光が走るニンジャスレイヤーを補足する。ドウン!爆音を伴い、飛行船がニンジャスレイヤーを砲撃する。アンタイ・ニンジャ砲弾だ!ニンジャスレイヤーは回転ジャンプして回避。彼が一秒前に足場としていたビル屋上が爆発破砕! 23

2011-11-06 22:24:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムサン!実際これはソウカイヤの差し向けた対ニンジャ飛行船だ。ソウカイヤの本拠地であるトコロザワ・ピラーの管制部は、IRC送信されたアーソンのアラートにきわめて迅速に反応、マグロツェッペリンに偽装した兵器を発進させていたのだ!見よ!船体のマグロ外装が展開し、変形してゆく! 24

2011-11-06 22:30:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「この飛行船は広告目的であり怪しくは無い。デモンストレーションで頼もしさを重点し広告効果が倍増される」欺瞞的なマイコ音声をスピーカーで下の繁華街へ投げかけ、マグロの下から現れたのは……ゴウランガ!憤怒の形相の鬼瓦ツェッペリン形態だ!コワイ!「爆発で広告効果が倍増」……欺瞞! 25

2011-11-06 22:35:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ウシミツアワーのネオサイタマ夜景は、貪婪なブッダデーモンの宝石箱めいて、闇の中に七色の美を浮かび上がらせる。この幻想美は、その実、深夜まで働き続ける疲れ果てた労働者によって灯された明かりだ。この美を高所から無責任に楽しむ事が許されるのは支配階級だけだ……すなわち彼のような。 28

2011-11-07 01:04:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

タタミ玉座でワイングラスを手に寛ぐ彼こそ、このトコロザワ・ピラーに居を構えるネコソギファンド社主、ソウカイ・シンジケートの首魁……ラオモト・カンその人である。黄金メンポと鎖頭巾、アルマーニのスーツを身につけた彼は、今宵も玉座の傍らに四人の金髪白人オイランを侍らせていた。 29

2011-11-07 01:09:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼がワイングラスを口元へ運ぶと、高機能の黄金メンポはセンサーを働かせ、自動的に開閉する。膝元にしなだれかかったオイランの一人が淫靡なキモノをはだけると、豊満な胸の谷間にはオーガニック・グレープが挟まれている。彼はそれを一粒つまみ、オイランのみずみずしい唇にふくませた。 30

2011-11-07 01:15:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オイランはグレープの皮を唇で器用に剥き、透き通った果実を露出させると、舌の上に乗せてラオモトに差し出した。「ムッハハハハ!」ラオモトは満足げにそれをつまみ取り、ワインとともに嚥下した。そして手元にある極薄型の液晶モニタに注目した。モニタが映し出すのは機内映像である。 31

2011-11-07 01:19:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『ドーモ、機長のキンジマです』ものものしい高高度防護服に身を包んだキンジマが、モニタ越しにうやうやしくオジギした。そのヘルメットには雷神を象徴するオムラ・インダストリの社章が描かれている。オムラは日本の重工業分野を独占する暗黒メガコーポであり、ソウカイヤとの繋がりも深い。 32

2011-11-07 01:25:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『対象ニンジャ存在を捕捉しましてございます』キンジマは言った。「よいぞ」ラオモトは頷いた。キンジマの斜め後ろには目立たない存在が片膝をついている。ニンジャだ。航空ヘルメットめいたメンポをつけたこのニンジャも、やはりオムラ社章を額にいただく。ニンジャは微動だにしない。 33

2011-11-07 01:29:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『我が社の戦闘鬼瓦飛行船”ブブジマ”の圧倒的火力を、こんなにも早く御目にかける事ができようとは、感激の至りであります』機長はへつらった。『御身におかれましても、今宵この目覚ましい戦闘能力をご覧めされれば、必ずやマッポへの正式配備への働きかけも……』「無礼者」『アイエッ!?』 34

2011-11-07 01:40:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

モニタ越しに一喝され、機長は恐怖のあまり痙攣した。まず間違いなく失禁しているであろう。ラオモトは言う。「これは余興だ。ビジネスの話をせよと誰が言った。そんなものはこちらがやりたい時にやる」『まったくでございます!絶対にまったく!』機長は座席から転がり落ちるようにドゲザした。 35

2011-11-07 01:41:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ラオモトはしかし機長の必死のドゲザなど見てはいない。彼は飲み干したワイングラスを、オイランの寄せた胸の谷間に挟み込む。グレープがつぶれ、白い乳房を紫色の果汁が汚す。ラオモトは少し離れた位置でしなを作る残る三人のオイランに手で合図した。三人はクスクス笑い、互いに愛撫を始めた。 36

2011-11-07 01:45:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「見せてみよ、その玩具の働きを。せいぜいワシを楽しませてくれ」ラオモトはモニタを見ずにぞんざいに言った。そして玉座脇のちょうどよい高さに置かれた重箱に満載されたオーガニック・スシをつまんだ。脂したたるようなトロマグロ・スシである。彼は一度に二つ食べた。 37

2011-11-07 01:51:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キュイイイイ!レーザー走査光が再び繰り出される。ニンジャスレイヤーはビルからビルへ飛び移りながら、徐々にその距離を詰めようとする。だが鬼瓦ツェッペリンはかなり頭上だ。どうするニンジャスレイヤー?そして再びアンタイ・ニンジャ砲が放たれる!カブーン!やはりギリギリで跳んで回避! 39

2011-11-07 01:57:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チチチチチ!さらに別種のレーザー走査光だ。数秒後、その正体が判明する。ミサイルのロックオンだ!鬼瓦ツェッペリンから一度に4発のミサイルが発射され、夜空に白い飛行軌道を残しながらニンジャスレイヤーへ殺到する!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはキリモミ回転ジャンプ! 40

2011-11-07 02:00:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カブーンカブーンカブーンカブーン!ミサイルはコンマ5秒後に立て続けに自爆!キリモミ跳躍時に連続で投げつけた迎撃のスリケンがミサイルを全て撃ち落としたのだ!ニンジャ動体視力をもってすれば、通常速度の追尾ミサイルなど蚊を叩き潰すより容易!「イヤーッ!」さらにスリケンを連続投擲! 41

2011-11-07 02:03:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チュン!チュンチュン!上空でかすかに火花が煌めき、金属音が聞こえてくる。スリケンが鬼瓦ツェッペリンに連続命中しているのだ。ドウン!発射されるアンタイ・ニンジャ砲!「イヤーッ!」ナムサン!ニンジャスレイヤーが跳躍した直後に、そのビルが爆発破砕! 42

2011-11-07 02:07:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」さらにニンジャスレイヤーはキリモミ旋回しながらスリケンを連続投擲!鬼瓦ツェッペリンに火花が輝き、バチバチと弾ける。鬼瓦ツェッペリンが不安定に揺れ始める。ニンジャが投げるスリケンは単なる石ツブテとはわけがちがうのだ! 43

2011-11-07 02:10:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『アイエエエエ!』機長は驚いて計器類を凝視した。『これは、これは一体』「反撃を許しておるのか?」ラオモトがモニタを見た。「それだけ武装を積んでも、はぐれニンジャ一匹に克てんか。ままならんのう、オムラ=サン」『いえ!実際試作機でございますから!大丈夫です!』 45

2011-11-07 02:15:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「だんだんとワシの堪忍袋が暖まってきたぞオムラ=サン」『アイエエエ!?』ラオモトは膝の上に乗せたオイランの豊満な胸を揉みながら欠伸した。他の三人のオイランはラオモトの注意を引こうと口々に喘ぎ声をあげ、互いに激しく交わりはじめた。『行けッ!』機長は後ろのニンジャに命令した。 46

2011-11-07 02:19:18