ニボシ、三年目の面接

村井ニボシ @niboshi2000

面白いかどうかわかんないし、もう記憶もあやふやだし、いやになって途中でやめるかもしれないけど、この前の役所の面接の話をだらだら書いていこうと思いまーす。だらだらだーらだら。

てぃだ @Tida_pandany

就職の達人が火を吹く！ RT @niboshi2000: 面白いかどうかわかんないし、もう記憶もあやふやだし、いやになって途中でやめるかもしれないけど、この前の役所の面接の話をだらだら書いていこうと思いまーす。だらだらだーらだら。

村井ニボシ @niboshi2000

がんばってやりまっしょい。

てぃだ @Tida_pandany

ピューピュー！ この、親不孝もの！ RT @niboshi2000: がんばってやりまっしょい。

村井ニボシ @niboshi2000

お役所の面接当日の朝、牛頭馬頭にとがった棒でケツをつつかれたように起床してパンをむしゃむしゃしていると叔母さんに声をかけられた。祖母が起きない、私じゃもうダメだけど、孫にはいい格好を見せたがるものだから起こしてきてほしいという。

村井ニボシ @niboshi2000

私の祖母は、老いとガンと薬の副作用と年寄り特有のアレやコレやでもうダメダメダーメダメな状態である。パラマう～んと楽チンなベッドの上で一日の大半を過ごし、薬を飲み、出されたメシにケチをつけ、歯医者に行き、ゾンビのような見た目と動きである。じっさい顔が溶け出してきてほんとゾンビ。

てぃだ @Tida_pandany

顎にくるんでしょうね、老人生活は。 RT @niboshi2000: 私の祖母は、老いとガンと薬の副作用と年寄り特有のアレやコレやでもうダメダメダーメダメな状態である。じっさい顔が溶け出してきてほんとゾンビ。

村井ニボシ @niboshi2000

顔が溶け出してきてるっていうか、もともと皮膚が垂れ下がって鍾乳石みたいな「溶けてる感」が演出されているのだけれど、それにくわえて、もう免疫機能がてんやわんやのせいか、アゴの下から膿が出てきて止まらないんだってさ。もう傷とかも治らないんだろうねきっと。うへえ。

村井ニボシ @niboshi2000

そんな祖母のベッドまで見舞いに行くと、トドのような、ムーミントロールのような巨塊が壁のほうを向いてウンウンうなっていやがる。腹部からはウメボシのような人工肛門が出て尿道には透明な管が入っており、それがベッド下に吊るされた尿袋まで伸びている。見てるだけで痛々しいおもむきだ。

てぃだ @Tida_pandany

祖母をなんて言い方してるんだよ！ RT @niboshi2000: そんな祖母のベッドまで見舞いに行くと、トドのような、ムーミントロールのような巨塊が壁のほうを向いてウンウンうなっていやがる。腹部からはウメボシのような人工肛門が出て尿道には透明な管が入っており、…

村井ニボシ @niboshi2000

人工物と肉体の融合。人に管を刺すのは、それだけでサイバーパンク的な気持ち悪さがある。自分だけかもしれないけれど、こうやって管やビニール袋の取り付けられている人間を見ると、サイレントヒルの裏世界を見るのと同じ種類の痛々しさを感じる。血と肉と鉄と錆を無理矢理混ぜた世界と同じ。

村井ニボシ @niboshi2000

そのブロック肉（祖母）がのそりと転がって私を見る。ここまでこんな言い方をしているけど、私は祖母が好きだった。私のタイピングがやさぐれているだけです。好きだったんです。あんなにお小遣いをもらって、人を嫌いになるはずがありません。ああまた、こんなことを書くから話がこじれる。

てぃだ @Tida_pandany

わかれてもー わかれてもー 好きな人ぉー🎶@niboshi2000: そのブロック肉（祖母）がのそりと転がって私を見る。ここまでこんな言い方をしているけど、私は祖母が好きだった。私のタイピングがやさぐれているだけです。あんなにお小遣いをもらって、人を嫌いになるはずがありません。

村井ニボシ @niboshi2000

祖母は言いました。「たぁすけてぇー、たぁすけてぇー」と。そうだろう、管に刺されて薬で飼われて苦しくないわけがない。眠いのに寝れない、みたいな自然に逆らう苦しみの中に彼女はずっといるのだろう。医療はそもそもからして間違っている。どうしてむりやり生かすのか。可能な限り医術を奮うのか。

村井ニボシ @niboshi2000

「助けられないよ！」と私は言った。「なぁんでぇー？」　「私は医者でも神さまでもないの、だから助けられないの！」　こんなことを言ってもどうせもう通じない。耳は聞こえないし、聞こえても聞こうとはしない。ニートが言うことじゃないけど、老人は少しでも都合の悪い事は聞かないものなのである。

てぃだ @Tida_pandany

うわぁ……。 RT @niboshi2000: 「助けられないよ！」と私は言った。「なぁんでぇー？」　「私は医者でも神さまでもないの、だから助けられないの！」　こんなことを言ってもどうせもう通じない。耳は聞こえないし、聞こえても聞こうとはしない。

村井ニボシ @niboshi2000

「そんなこと言ってもどうせ聞かないよ」的なことを言いながら叔母さん（介護人）が来て祖母を起こす。今日は祖母を病院に連れていく日で、私はその病院に行く車に一緒に乗り、ついでに面接会場まで送ってもらう手はずになっていた。

村井ニボシ @niboshi2000

役所の面接で私が祖父母宅に来ていることは、祖父母には言っていない。「言うとまたはしゃいでうるさい」からだそうだ。老人と子供は都合の悪いことは聞かずに、都合の良いことは飽きずにリピートするものであるからして。

てぃだ @Tida_pandany

ともに老いることの難しさ、ですよねえ。うーん。 RT @niboshi2000: 役所の面接で私が祖父母宅に来ていることは言っていない。「言うとまたはしゃいでうるさい」からだそうだ。老人と子供は都合の悪いことは聞かずに、都合の良いことは飽きずにリピートするものであるからして。

村井ニボシ @niboshi2000

「今日は病院なんだから！　いつもは自由にさせているでしょ？　今日だけはゴチャゴチャ言わずに起きて！　ご飯食べてオシッコ出して着替えて歯磨いて、やることいっぱいあるんだから！」みたいなことを、ほとんど泣くように叔母さんは投げかけるのだけれど・・

村井ニボシ @niboshi2000

祖母はもう生者と肉の中間ぐらいの物であるわけで、「半分黄泉子ちゃん」と呼ばれているぐらいで・・。「したけどねぇ・・」「○○（親戚の名前）は大丈夫かい？」「桃が食べたい」だのなんだの、関係ないことを言って話をそらすことしかせず、際限なく迷惑をかけ続ける。無理問答。

てぃだ @Tida_pandany

「半分黄泉子ちゃん」というネーミングセンスに劇作家たるおばさんのセンスが光りますね。実はせつないけど。 RT @niboshi2000: 祖母はもう生者と肉の中間ぐらいの物であるわけで、「半分黄泉子ちゃん」と呼ばれているぐらいで・・。

村井ニボシ @niboshi2000

病院に行きたくないのもわかるし、それに生きている時間の尺度が違う。残りの人生が「死に向かっていく」だけしかない人なんだ。住んでいる世界も違う。痛いし苦しいし死んでゆくだけだし孫はニートだし・・こんな現実現在、見たくなんかない。

村井ニボシ @niboshi2000

祖母は今・ここではなく、昔・ここでない場所に生きてるから親戚のどうでもいい心配や、関係ない他人の冠婚葬祭のことばかり気にする。私の顔を見れば「（布団を）暖かくしなさいよ」「ちゃんと食べたのかい？」「おいしいものを食べさせてやんなさい」と、エンドレスに言う。

村井ニボシ @niboshi2000

母の友達のNさんの母親は（わかりづらい）、Nさんの家にとんでもない量のカビ臭い毛布を送りつけてきたらしい。Nさんの家にはとても置けないから、うちも一枚もらうことで被害を軽減した。死ぬ準備に入って、娘に分け与えられるものが、大量の臭い毛布しかなかったんだ。