フィジシャン、ヒール・ユアセルフ #3

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
1
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フジキドは黙ってチャを飲んだ。ケンワ・タイ。聞いた事の無い名であるが、その力、ニンジャ憑依者である事はまず間違いない。しかも相当なものだ。直接に病気や怪我を何事もなかったかのように治してしまう……自然法則を歪めるほどの強力な力。その力の濫用の果てには何が待つのだろう? 25

2011-11-13 21:30:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……外が臭いますね」フジキドがユノミを置き、席を立った。「そうですか?」「ええ」彼は表に出て、通りの左側へ首を巡らせた。タマ・リバーの方角だ。フジキドは胸騒ぎがした。川の汚染は数日であったという。そしてケンワ・タイは病んだ人々を治した。それで終わった。終わっただと?まさか。26

2011-11-13 22:27:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フジキドは角を曲がり、無造作に平屋の屋根に跳び移った。そしてその目で見た……タマ・リバーの上流から今まさに、不浄に泡立つ七色の色彩が押し寄せる、その絶望的な光景を!「これは……!」『なんとこれは壮観』フジキドのニューロンに邪悪なパルスが走った。……ナラク。 27

2011-11-13 22:48:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『なかなか面白い獲物を見つけたではないか、フジキド』邪悪存在はザワザワと笑った。『このジツは双子の兄弟の片割れ。弟のビョウキ・ニンジャよ』(ビョウキ・ニンジャ?……つまりニンジャのジツか?この臭気)『左様、左様』悪い予感が的中したのだ。『ところで双子の兄はヤマイ・ニンジャだ』28

2011-11-14 00:56:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナラクはしたり声で『ビョウキ・ニンジャとヤマイ・ニンジャはホロビ・ニンジャ・クランを二人で統率しておったが仲が悪く…』(黙れ)フジキドは川の上流を見やる。先日このオオヌギを襲った川の汚染、そしてケンワ・タイとやらが治療に奔走する事となった伝染病。ニンジャの行い?何のために? 29

2011-11-14 01:04:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『フジキド。これはオヌシも実際知りたいであろう情報だ』ナラクはしつこくニューロンにパルスを飛ばした。『ビョウキ・ニンジャの病毒は水源を通し広範な地域を汚染する。オヌシが執着するこのつまらぬ下郎どもは、すべからく苦しみ緩慢な死をまつばかりぞ。このままではな』 30

2011-11-14 01:15:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(翻訳チームより: 更新の途中ですが、マッポー的検索死亡インシデントでハッシュタグがおかしい方はyahooリアルタイム検索 http://t.co/M0gKbhKP をお試しください。そして、ブー!Twitterブー!スカミー!)

2011-11-14 01:21:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(つまり……?)『殺せ』ナラクは即答した。『ビョウキ・ニンジャの憑依者を殺せ。さすればこの毒も断たれる。ニンジャ殺すべし……実際ビョウキ・ニンジャはキンボシ・オオキイ!』ニューロンの中でナラクが舌なめずりした。フジキドの心は嫌悪で満たされた。 31

2011-11-14 01:30:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だがナラクの提案以外の解決策はあるまい。それを避ける必要も全く無い。生かす理由の無いニンジャはとにかく殺す。当然だ。『よいかフジキド。親切に付け加えてやるが、一度流れた毒は主が死した後もそのままだ。故にオヌシがノロノロしておればそれだけ下郎どもの身体はより酷く毒されるぞ』 32

2011-11-14 01:38:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「タマ・リバーの上流だな」フジキドは呟いた。そして平屋屋根からヒラリと地面に降りると、ドウグ社社屋へ駆け戻り、その血相変えた様子に唖然とするサブロ老人にオジギしながら、道具全てを懐にしまった。「川の毒がまた戻ってきました。水に気をつけてください」言い残し、彼は飛び出した。 33

2011-11-14 01:46:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「これ……」「……!」ザクロは絶望の橋の上でモーターサイクルを急停止させた。ヤモトがサイドカーから身を乗り出す。「ザクロ=サン!これって!」「ブッダシット」ザクロは目を見開く。川の上流から七色の泡立つ不浄が押し寄せて来る。「どう見てもこれ、ケンワ=サンの言っていたアレよね」 35

2011-11-14 01:59:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうしよう」ヤモトはザクロのレザージャケットの袖をつかんだ。ザクロはヤモトの頭に手を乗せ、頷いた。「ええそりゃそうよ。恩人の苦境よ、これ。放っておくなんてできやしねぇわ。『ちゃんとしない奴は腰抜け』とかなんとか、ミヤモト・マサシのアレよ」「……そうだよね!ザクロ=サン!」 36

2011-11-14 02:08:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ええ!そうよ!」橋の上で力強くモーターサイクルを急旋回させながらザクロが答える。「タマ・リバーの上流だわね!何をどうしてるかは知らないけど、とにかく悪さしてる奴をフンづかまえて、囲んで警棒で叩く!」「うん!」モーターサイクルが急加速する!「スッゾオラー!」 37

2011-11-14 02:13:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(第二部「キョート殺伐都市」より:「フィジシャン、ヒール・ユアセルフ」#3 終わり。 #4へ続く) 38

2011-11-14 02:14:31