三国志こばなし集 関羽千里行編

三国志こばなし集 @omikanboy3594

赤兎「！！」 王「!?」 廖淳「！」 王「！」 廖「赤兎の気にびっくりしてませんでした？」 長「呂凱殿を助けられなかったことを叱ったようだった」 赤「！」 王「…」 淳「！」 呂「王伉！例の宝を！」 王「!?」 呂「彼らならば問題ない」 王「！！」

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ペ「すばしっこいねんな！」 周「猿には負けるぜ…」 呂「宝と濁しておけば殺されなかったとは思ったが…」 長「その代わり、死ぬよりも辛い目に遭わされ続けていたのでは？」 呂「…もう済んだ事です」 華「当面は安静だからな、呂凱殿」 呂「その件ですが」

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長「待たれよ。おそらく今後の先行きに関する議論だと思うのだが」 呂「…その通り」 長「議論の主導役は、私にやらせていただく事をお許しいただきたい」 鄧「無論だよ、長生殿」 馬「適任者ですね」 李「あんたが大将ですって！」 申「異議ありません」 劉「…」

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呂「…私は、華佗先生の許可が出るまで、判断を保留とさせていただきたい」 長「なるほど。それは道理だ、呂凱殿」 呂「その代わり…」 王「！」 呂「でかしたぞ、王伉」 王「…」 呂「この家宝の呂氏春秋を、あなた方に託す事は今ここで決めていい」 長「…貴殿のご覚悟。よく分かり申した、呂凱殿」

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劉「長生殿！」 長「おう！劉巴殿！」 劉「…私は」 申「？」 劉「私は！いきなり成り行きで助けに来られたあんたらなんかに！私の生殺与奪を握られたくないんだ！」 申「劉巴殿！何を言われる！」 劉「あんたらに助けてもらえた礼を言えないほど、私は落ちぶれてはいないがな！」 長「…聞こうか」

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劉「このまま、なし崩しでどこの誰とも知らない人たちの恩ばかりを受けてしまったら、今までの私の無念や志に憤りが、どこかへ消えてしまう気がしたんだよ…」 長「…それもまた道理だな、劉巴殿」 劉「あんたらもおかしいと思うかもしれないけどな…」 鄧「…」

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長「では、あなたの今後の歩みを聞いてもよいか？」 劉「私は、たとえ一人だろうが！どこぞに逃げた密猟者共を捕らえに行く」 申「…劉範の件は？」 劉「動物保護の仕事はな！元々私の生き甲斐だったんだ！それを改めて全う仕切った上で、もう一度劉範に復讐しに行く！」

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鄧「その仕事乗った！」 劉「…鄧芝殿？」 鄧「わしは劉巴殿の旅について行く」 劉「…何言ってるんです？」 鄧「わしはあんたの生き様に乗っただけだよ」 李「んじゃ通訳がいるよな、馬忠さん！」 馬「ああ！俺ら二人も道案内と通訳で連れて行ってくれ、劉巴殿！」 孟「俺も！」 帯「俺もだ！」

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劉「…なんなんだよ、あんたら」 孟「さっきからよ！俺たちやられっぱなしで情けなくて仕方ねえんだ！」 帯「このままじゃ姉貴にぶちのめされちまう！」 孟「俺らだって兄貴と義姉さんがいねえ時の故郷をやられ放題にされるわけにゃいかねえんだよ！」 鄧「…いかがだろう、長生殿」 長「異議なし！」

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呂「私も回復したら、王伉と共に劉巴殿たちと合流する所存だ！」 王「！！」 華「それが良かろうな、呂凱殿」 呂「私がやろうとした事を、あんたに先に言われちまった！」 劉「…」

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長「頼もしい仲間ができたな、劉巴殿！」 劉「…長生殿！」 長「おう！」 劉「…さっきは突っかかる物言いで非常に申し訳なかった！」 長「なんの！私とてあなたの誇りを無碍にするわけにはいかないよ」 劉「此度の救助の礼を言わせてください！長生殿！皆さん！」

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呉「まだあんたは腹の怪我が芳しくない。旅の薬を持って行け」 樊「それでは私が旅の医者として付き添いましょうか…」 華「…ふむ」 呉「確かに俺たち、同じ釜の飯食った仲間だもんな！」 劉「樊阿殿！あなたも共に来てくれないでしょうか！」 樊「承知しました！」 華「行ってこい、樊阿」

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呉「先生は任せろ！」 樊「ああ！」 申「…私は、元々龐義先生の相棒だったので」 劉「分かった。申耽殿！」 申「ここまでありがとう！劉巴殿！」 劉「私が今生きてるのはあなたのおかげだ！」 長「よし！申耽は益州を伺い、龐義先生を助ける我らに加わってくれ！」 申「はい！」

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廖「…待てよ」 長「どうした？」 廖「趙累社長が益州物産を乗っ取ったじゃないですか」 長「…うむ」 廖「そして今、益州や漢中の道が劉範によって封鎖されているとしたら…？」 長「それは趙累らの一大事だ！廖化！」

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廖「しかもどういうわけか、益州南部に携わる大チャンスが俺に巡ってきてるってことは！」 長「私からの命令だ！廖化！劉巴殿らと同行し、益州南部の道を切り拓け！」 廖「合点承知！」

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劉「…なんだか、単独で旅するつもりで啖呵切った私がバカみたいなんですけど」 鄧「ああ。あんたの一世一代の大バカだったと思うぞ？」 劉「…」 鄧「だからこそ我らはこんなバカ放っておけんとついて行くわけだがな！」 劉「うるせえ！鄧芝！」 鄧「！！」 ペ「オモロいわぁ」 周「プロは違うぜ…」

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長生…では我らは華佗殿が治療を終えるまで、この宿で暫しの休息かな。 周元紹…そういえば、樊阿殿がホテルの窓を掌一撃でぶち破ってたんですけど… ペイ…ホンマ？ 華佗…教えてやれ、呉普。 呉普…合点です！ 申耽…ホテルの設備を点検してきます！

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劉巴…南方の同志をもっと集めたい所だが。 鄧芝…取り逃したという最後の男は何者なのだろう？ 馬忠…そんな奴がいたんですね… 李恢…俺も用心します。 呂凱…今は本気で養生するからな！王伉！ 王伉…自身の無念を赤兎に叱られしょんぼり。リベンジする気満々！

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樊阿…私の鍼ももっと使えそうだなぁ。 廖化…趙累さんらの道と巡り合えたら凄いことになるぞ！ 孟優…兄貴と義姉貴に知られたらヤバいぜ… 帯来洞主…まだまだ帰ってこられたくねえやな…

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劉範「…」 鄭度「劉範様。そのような所に…」 劉「…」 鄭「ご報告を、宜しいですかな」 劉「…」 鄭「張松が逃走しました」 劉「張松が」 鄭「…龐義が囮となっている間に逃げ延びた模様」 劉「龐義が」 鄭「…劉範様？」 劉「…そんな者、いたかな」 鄭「…は？」

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劉「お前は、誰だ？」 鄭「…」 劉「…私は、誰だ？」 鄭「劉範様？」 劉「違う！違う！私は劉範ではない！！」 鄭「な!?」 劉「怖い！消えろ！消え失せろ！」 鄭(どうしたんだよ、いったい…？)

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張母「お帰りなさい。劉範様」 劉「私を返せ！返してくれ！」 張「あなたを、返す？」 劉「この部屋の中でしか！私は正気に帰れない！もう分かったぞ！返してくれ！私を返せ！」 張「…かわいそうな劉範様」 劉「やめろ！触るな！穢らわしい！」 張「…五斗米道の巫女に、何と申したのかしら」

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劉「五斗米道など信じんぞ！貴様らペテン師は米に群がる害虫にも劣る餓鬼どもだ！」 張「…お薬の時間ね、劉範」 劉「飲ませてみろ！貴様の舌を噛みちぎって殺してやる！」 張「そう…」 劉「私を正気に返せ、悍ましい悪魔め！」 張「…」 劉(…何をする？) 張「💋」 劉(!?)

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張(…できるのならば、やってみせて、劉範) 劉(蛇の様な舌だ…) 張(さあ、私の舌を噛みちぎってごらんなさいよ…) 劉(…こんな薬や悪魔の女に！) 張「…」 劉「！！」 張(…これで成りましたからね、我が子、公祺) 劉「悪魔如きに食い殺される私ではない！」 張