三国志こばなし集 関羽千里行編

三国志こばなし集 @omikanboy3594

劉「ちっ！穢らわしい！」 張(これで貴方は私を丸ごと取り込んだのよ、劉範) 劉「」 張(死ぬまで、貴方が死ぬまで、いいえ) 劉「」 張(死んでも一緒ですからね、劉範…) 劉「」 張(貴方が、死んでも)

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張魯「！？」 龐徳「…張魯様？」 魯「今、母上が、死んだ」 龐「…ご母堂が？」 魯「死ぬ…死んでしまう…」 龐「張魯様！」 魯「…たくさんの人が、死んでしまうよ」 龐「誠に…？」 魯「母上と、僕のせいで」

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劉範…張母の呪縛から解かれるべく、舌を噛みちぎって見せたが、それは更なる地獄への深みに堕ちる要因だったそうで… 鄭度…昨今の仕事が滞りすぎて話にならんのですがなぁ…

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張母…元より死ぬ気で劉範の元にやって来たので後悔などあるわけない。五斗米道のためだけに、ただただ命の身と心を捧げた末での殉死である…が？

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張魯…生涯母がいない生涯を考えた事もなかったので、実年齢と内心の幼さがまるで噛み合っていない歪な教祖。 龐徳…張母の指令で張魯の側近として仕えている。張魯が尋常ならざる闇と苦悩を抱えている事しかまだ分からない…

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長生「…おう、朝か」 長「おや？周元紹もペイも起きているのか」 長「…外が賑やかだな」 周元紹「ギャッ！」 ペイ「めっちゃ飛んだやん！」 呉普「ペイも！」 ペ「グワッ！」 周「飛んだなあ！」 長「なんと…」

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華佗「おはよう長生殿！」 呉「おはようございます！」 長「…今二人に何をされたのかな、呉普殿？」 呉「寸勁って聞いたことあるかい？」 長「面白い！私を弾き飛ばしてくれないか」 呉「…手加減しないぜ？」 長「全力で頼む」 呉「！！」 長「おおっ！！」

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周「…長生殿すら吹っ飛ぶのかよ」 ペ「オレらもできるようになりてえな！」 華「お前らには十年早い」 長「私の習った体術とは質が違うな」 呉「五禽戯って知ってるか？」 ペ「シらねえ！」 周「それができればガラスを掌でぶち破れるんですか！」 華「樊阿め。また掌を疎かにするような技を」

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呉「見た目は派手だが真似しねえ方が身のためだぜ」 ペ「そうなん？」 呉「手を使えなくなる」 ペ「あ〜」 長「それは致命的だな」 周「…でもあれは凄かったですけどね」 華「できたとしてもフィクションだと思いなさい、周元紹くん」 呉「だな」

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周「…じゃあ俺たちが六百里以上走れるのもフィクションなんですか？」 ペ「やめれ周元紹」

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長「我らに五禽戯を一から教えてくれませぬか」 呉「よしきた！」 周「よろしくお願いします！」 ペ「おなしゃす！」 呉「五禽戯とは、虎、鹿、熊、猿、鳥の動物の動きを模した五種の戯からなる」 長「面白い」 呉「俺から見て、長生殿も周元紹もペイもそれぞれ得手とする戯が異なると見えた」

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周「へえ！」 ペ「そりゃええな！」 呉「俺は苦手を克服するより得意を更に伸ばす方が性に合うんだ」 長「なるほど」 呉「全員で五種の戯の基礎をやった後で得意の戯を伸ばすやり方でいきたいと思う！」 周「賛成！」 ペ「おなしゃすで！ゴフはん！」 華「うむ」

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呉「…というわけで」 長「これほどの汗をかくとは…」 周「そんなに動いたつもりないんですけどね…」 ペ「ハジめてのウンドウやったわ…」 呉「長生殿は虎と熊」 長「うむ！」 周「ですよね！」 呉「周元紹とペイは猿同士だったが」 長「なるほど！」 周「ええっ！」 ペ「マジか！」

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呉「周元紹は猿と鹿、ペイは猿と鳥がよいと思った」 周「猿鹿？」 ペ「バカよりバカのイミとちゃうか？」 周「うるせえ！お前は虎に翼じゃなくて猿に翼じゃねえか！」 ペ「ヤロウ！」 長「聞け愚か者！」 周「むむむ」 ペ「ムムム」 華「何がむむむだ」

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呉「長生殿は元々の膂力を活かしつつ、ある時は虎のようにまたある時は熊のように扱う技を会得すれば更に強くなれるでしょう」 長「ほう！」 呉「ただ周元紹とペイの猿と鹿、ひいては猿と鳥の合わせ技はまるで違うんだな」 周「鹿と鳥ですもんね」 ペ「ハシるのとトぶののチガいってか？」

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呉「その通りだペイ！」 ペ「10ポインツ！」 周「なにっ！」 長「…呂凱殿の治療はどれくらいかかりそうですかな、華佗先生」 華「本人の気力は充分だが、治療する時間はキチンとかけたいところだ」 長「それを我らの修行期間にあてても？」 華「どうだろうか！呂凱殿！」

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呂凱「分かりましたよ！」 長「礼を言う！呂凱殿！」 周「うわあ、また修行かよ！」 ペ「オレがシュギョウなんざハジめてやで！」 呉「お前ら二人は俺が師匠になろう」 長「ならば私は？」 華「…ここだけだからな、お前たち」 呉「先生が腰を上げるとは…」

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周「マジっすか！」 ペ「そんなツヨいん、ドクターカダ？」 華「長生殿を呉普より弱い力で遥か遠くに弾き飛ばしてやろうか」 長「…できるものなら」 華「!」 長「ぬう！！！」 周「」 ペ「ワ〜オ…」 華「内緒だからな？」 長「参り申した！」

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長生…心技体の技の頃合いだな！ 周元紹…技を習うの初めてです！ ペイ…オレのワザもっとツヨなるんとチガうか？ 華佗…医術以外の師などいつぶりかな。 呉普…技は磨き放題な連中は鍛えがいがあるぜ。 呂凱…逸る想いを抑えて養生中。