フィジシャン、ヒール・ユアセルフ #4
「グワーッ!?」カブーン!エネルギー爆発がメタルベインを巻き込む!これはネザークイーンが持つ特殊なムテキ・アティチュード……ガードした衝撃力を敵めがけて射出する荒技、エネルギー・スリケンだ!メタルベインは回避しつつも無傷では済まない!「お前ら……クソッ、慣れてやがるな!」 50
2011-11-18 23:31:52「ナメんじゃねえ!」ネザークイーンは叫び返し、カラテを構える。その両腕からは微かに焦げた煙が立ち昇る。射出時のフィードバックだ。だが彼は意に介さない。「伊達にオカマやってねぇんだよ!」「ヘッ……」メタルベインもカラテを構え直す。「威勢いいじゃねえか」 51
2011-11-18 23:57:03彼は手近の廃車に両手をかざした。掌が輝き、無骨な廃バスがゆっくりと浮かび上がる!巨大な影がのしかかる!「こいつでどうだ、おめでたい奴」メタルベインは言った。「支えるのも実際一苦労だぜ……それからな、お前らのお目当ても、別に出し惜しみしちゃいねえんだよ」「……何?」 52
2011-11-19 00:02:26「そいつの方から出て来ちまったからな」メタルベインは不敵に言った。「川からだよ」「……ヤモト=サン!?」ニンジャ第六感が不意にネザークイーンのニューロンを稲妻めいて走った。彼は振り返り、少女の名を叫んだ。なぜヤモトは二人を追ってきていないのか……? 53
2011-11-19 00:09:53「さあて、どうなっちまったのかな、あの子はよ」メタルベインは言った。「生きてるといいよな?まだ若い」だがネザークイーンはほとんどうわの空だった。彼の背後に現れたのは、ヤモトではなく……ナムアミダブツ!悪夢から這い出たような地獄存在!「ドーモ……ナックラヴィー、デス……」 54
2011-11-19 00:16:33皮膚の無い、筋繊維剥き出しの肉体。ギリシアめいてはだけた長衣は水浸しだ。「SYHHH……」濁った視線が、衝撃に凍りついたネザークイーンを射抜く!前後に敵!「形勢逆転だ。それからよォ」メタルベインは頭上に浮かべた廃バスを見上げた。「そろそろキツいんだが、落としていいよな」 55
2011-11-19 00:24:27(第二部「キョート殺伐都市」より:「フィジシャン、ヒール・ユアセルフ」#4、終わり。#5へ続く) 56
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