見滝原を襲う未曾有の大災害、これは不可避とする。発生時期は微妙に前後するが、見た目の現象としてはほぼ同じスーパーセルと考えて構わない。多数の死傷者不明者を出し、市街にもまた大きな爪痕を残したそれをそれでもその規模に食い止めたのは、現象の正体を知るもの——即ち、魔法少女だった。
2011-10-18 02:45:48かつての世界において「ワルプルギスの夜」が引き起こしたとされるその大災害。無論それを知るものなど、他に居よう筈とてもないのだが。それが今この世界では、積み重なり縒り合わさった数多の魔獣により再演されようとしている。頭を持たず、潰しても潰しても瞬時に補充されるそれは、正にレギオン。
2011-10-18 02:50:47某県M市に来襲するスーパーセル、と云う現象自体は書き換えが効かないため、その原因がワルプルギスから何らかの魔獣由来に置換されるとする。特徴の無い均質性が魔獣の特徴なので大量のそれが密集して発生して一つに撚り合わさったとすれば、みたいな発想でレギオン。
2011-10-17 15:20:17魔獣と云うものの特性(無個性、均質、秩序的)から考えると単独大型種と云うのは個人的には考えられないので、何らかの集合体でなければならないと云う発想に落ち着く。
2011-10-18 02:53:21上位種の存在も考えてはみたが、どうにも矛盾する気がする。まあこれは設定を以前の考察通りの「インキュベータによる失敗作」とするかによっても変わってくる問題ではあるけれど。
2011-10-18 02:57:28『具象化する絶望。数多の、ヒトならざるものの渦。雲を風を雨を巻き上げて、嵐をトーガに纏い。それは数多の、カタチなき魔獣の群れ。季節外れのその獰悪なる雲塊を、条理の外の理に通じたモノ達が呼ぶ名はソレ以外にあり得ない。——「”レギオン”。其は数多なるが故に」それは世界が要求した代償』
2011-10-17 14:56:03代償
私家版後史本篇に隻腕隻眼ネタは出来れば組み込みたくはないのだが……「その救済は本当に彼女の願いか」を軸にして行くと結構しっくりくるらしい。
2011-11-20 04:21:31魔眼と云う、モノがある。「視る」ことで視られた対象に何らかの結果を強いる類いのものだ。その多くは暗示、記憶の改竄、認識の忌避——つまりは「見なかったことにする」何か。彼女の力もまた、かつてはそう云うものだった。自らへの怒りと絶望から、とびきり強力な行使を最後に失ってしまったけど。
2011-11-19 03:17:51だが、しかし。契約が開花させたその不条理が、跡形もなく消え去るなど、あり得ようか。現に今も契約は遂行されつつあり、その身には条理を覆す魔力が横溢している。切り札であった”紅い亡霊”こそ喪われて久しいものの、度重なる戦いは彼女に確かな経験を齎し、そしてそれは戦技として結実している。
2011-11-19 04:04:20だからこそ、こう云わねばならないのではないか。「”紅い亡霊”を成すその魔眼は、今はただその意志で鎖され封じられ抑え込まれているだけである」と。いつか自らの願いの本質と対峙出来るようになった時、つまりかつての己を認め直せた時。それは再び、そして強壮に、絢爛に花開くのではないか。
2011-11-19 04:20:23かつてその身は幻像とともに敵を翻弄したと云う。その数、最盛期に数えて十三。場にあるあらゆる「見る」感覚を掌握し、敵味方を問わずそこに「在る」と思い込ませる——その力がどう云ったものであったか、真実を知るものも最早数える程だが——「幻視の強制」、それこそが”紅い亡霊”の本質だった。
2011-11-19 04:32:14それは神速を以て残像を成す”蒼い幻影”と一対にして、似て非なるもの。二人の少女の、それは決定的な差異と呼んでも差し支えないだろう。数えきれぬほどの衝突を繰り返しつつも、いざ戦場においてはその背に互いを預け合う。そんな二人の過ごした時間は決して長くはなかったが、そう云う仲だった。
2011-11-19 04:44:10彼女はその信念を認め、憧憬した。それはかつての彼女が懐いて、手放すことを余儀なくされたものだから。少女はその練達を認め、羨望した。それはいつか辿り着き、その先へと超えるに足る試練だったから。日頃ときに険悪になっても、蒼紅は互いに互いを認めていた。それだけは、紛えようのない事実。
2011-11-19 05:01:05そしてその背を護る刃は喪われた。その真実を知ったところで、遺されたものには救いとなりはすまい。それは即ち無慈悲なる救済。全てを認める代わりに、それ以外の選択を認めないと云うこと。唯ひとり、その真実に最も近い少女は訝しむ。「それはほんとうに、あの子が祈り願い誓った救いだろうか」と。
2011-11-20 04:01:38預言者は知っていて。それを伝えるべきなのか、どうしようもない躊躇いの中にあった。視てしまった以上、何もしなければその光景はいつかの未来と決するは必定。だが、それを彼女に伝えたとして何になるか。小さく微笑って「そっか」と、多分それだけだろう。純粋すぎる蒼刃は、鋭くも脆いから。
2011-11-20 04:17:16未だ、母屋は修復もままならぬが、と云って引き払う当てもない。辛うじて人がましい佇まいを維持出来るのは離れと、そこを囲む花園だけだった。訪れるものも多くはない——客人と呼ぶには些か不躾な、主と随分対照的な少女を除いてその他には。それが白い魔女、預言者の二つ名を戴く彼女の住処だった。
2011-11-20 04:32:01その事を識らなかった筈がない。それが的外れな怒りだとどこかで思いつつも、詰め寄らずには居れぬ。覆しようのない運命ではなかったとしても、多分あいつは聞かされても受け容れたんじゃないだろうか。そうは認められても、あくまでそれはあいつの身勝手だろう。残されたあたしらはどうなる、なあ?
2011-11-20 04:40:41円環の理はわたし達のさだめであり救いでもある。それに抗い背いて、貴女は何処へ行こうと云うの。それは間違いではなかった、けれど。そうも冷静に返されては、鼻白むより他なかった。不意にあの場面が思い出されて、何か引っ掛かるものがあったことに気付く……が、思い出せない。何か、大事なこと。
2011-11-20 04:51:42あいつは何故、その名前を口にした。あの時その口から出て然るべき名ではなかった筈だ。或いは歓喜さえ浮かべながら呆然と、胸許に赤いリボンを抱き締めて愛おしげに口にした名前——”まどか”。”円環の理”に”円”とは、随分と出来過ぎた話じゃないか。そいつは一体誰だ。……何故、懐かしいんだ。
2011-11-20 07:40:17蘇る亡霊
「この目の恨み。それ以上に”思い出させ”やがったこと、忘れねえ……”忘れさせ”ねえ。背負ってもらうぞ、あたしの影を——!」眼帯を解き放つ。昏い眼窩に灯る赫。『視ろ』一切の反抗を赦さず。「そいつが正真正銘の”紅い亡霊”さ。怯えることも出来ずに逃げ続けてみな!」みたいな感じのを
2011-11-01 00:35:19隻眼あんこさんとか云うからつい妄想が加速する。対象の視覚を支配、と云うか対象の視覚器官を媒体に擬似的に魔眼化させる、辺りが強化版。結果として対象の視界に常時幻影の出現する可能性が発生し、また対象には幻影と実体の区別は不可能。傍から見てる分には奇声を上げながら一人芝居、に見えるな
2011-11-01 03:01:53