攻撃衝動の集団的組織化とネルフ・ゼーレ・戦略自衛隊-バタイユ的解釈-

ストーリーを貫いて残酷な暴力的描写の工夫にばかり特化させることに終始している『エヴァ』の黒い部分を、劇内外の事情ともに根こそぎ暴き出す試み。 【概要】 聖俗区分・禁止・違犯・死についてのバタイユ思想の基礎紹介→ネルフの組織化について→使徒との戦い(犠牲・供犠)について→カンニバリズムと聖体拝領(初号機の生命の実獲得をまじえて)→犠牲・供犠と強姦・レイプ(ATフィールドについてをまじえて)→ゼーレの無能さとルサンチマンについて→アスカの「偽りの再生」が「神聖にして呪われたる生贄」と聖別されたことについて→アスカ+弐号機の無残な百刻みの刑(凌遅刑)について→サドの至上者(完全人)と至上権について→エヴァにおいて真の至上権を有する者は誰か→アニメーションの聖性とはどこからくるのか (未完・続く)
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@Abraxas_Aeon

悪魔の宗教的身分の結果を奪い取ることは至難の業であった。邪神礼拝の遺物ともいうべき、恐らく世人が決して棄てなかった悪魔に対する礼拝は、世界から閉め出された。服従することを拒み、罪から神聖の権力と感情とを引き出そうとする者には、全ての火焔の中の死が約束された。(バタイユ)

2010-06-27 21:14:32
@Abraxas_Aeon

神聖世界が浄化されたキリスト教においては、エロティシズムが徹底的な断罪の対象となると同時に、世俗の領域に転落し、悪と同化していく。エロティシズムはかつて神聖の性格を持っていたが、それが悪と同化されることで無視されていくのである。

2010-06-27 22:04:08
@Abraxas_Aeon

「肉の交わりは婚姻においてのみ成就せらるべし。」などの規則も含めて、家庭の保全という要求が確立されていく点で、エロティシズム[=非生殖的な性的乱行、性的倒錯などの消費的活動]は排除されていく。娼婦など、不品行な生活を送っている女性は信用を失うのである。

2010-06-27 22:13:02
@Abraxas_Aeon

躁宴(オルギア)においては、個人的な快楽の彼方で、エロティシズムの神聖な意味が維持されていた。そのため、躁宴は正統派キリスト教の教会の特別な注意の対象となった。正統教会はエロティシズムを悪と見做して対立する。その活動を瀆聖行為として断罪し、撲滅しようとするのである。

2010-06-27 22:23:17
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