三国志こばなし集2023年7月号(上)三国時代編

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呉「絶対にそう言えって空気だったじゃないっすか！」 曹「限度がある」 陳羣「それは二人の長所を併せ持つとも言えますからな」 司馬懿「曹彰殿と曹植殿のハイブリットという事で」 曹「なるほど」 呉「…でもなぁ」 曹「なんだ呉質」 呉「三人とも性格尖りすぎっすよね」 曹「…もう一度言ってみろ」

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呉「子桓殿は言わずもがな」 曹「…」 呉「子文殿も武辺者で荒々しいし、子建殿も酔っ払うと何しでかすか分かりませんし」 曹「何が言いたい？」 呉「性格が良かったらなって話です」 曹「それは子脩兄上と倉舒に全部持っていかれたから諦めろ」 呉「ですよね！」 曹「では呉質に罰を与える」 呉「!?」

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曹丕…呉質の諡を酷いやつにしてやるぞ。 呉質…口は災いの元を地で行く曹丕の悪友。 陳羣…呉質と四友の一括りにされたくない。 司馬懿…自分の言いたいことを呉質が全部言ってくれてスッキリ。

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曹彰…曹丕の実弟。虎と素手で格闘して勝つほど強い。 曹植…曹丕の実弟。即興の文章作成能力は到底敵わない。 曹昂…字を子脩。親父のやらかしで馬を譲ったせいで代わりに討たれたかつての嫡男。 曹沖…字を倉舒。誰もが認める天才児だったが十三歳で夭折。惜しすぎる。

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孫策「俺の言った通りだっただろ？」 黄蓋「そうやもしれませぬが」 韓当「あんな野郎が若の配下で納得するんですか？」 孫「あいつの事は俺が一番分かる。気にすんな！」 呂範「君はそう言うかもしれないがな」 孫「もういい！てめえら十三人！さっさと本気の武装して集まれ！」 孫河「なんでだよ!?」

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策「あいつが兵を集める約束を果たした次は、俺があいつの約束を守る番だ」 孫権「何を約束したのです？」 策「本気の一騎打ちをもう一度だ！」 程普「はあ!?」 策「あいつは二人。俺たちは十四人でな！」 権「…本当なんですか、それ？」 宋謙「それが本当なのだ」 韓「俺らが動けなかったからな…」

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策「わくわくするぜ！」 程普「事に託けて若を殺すつもりではございませんでしょうな！」 策「お互いそのつもりでやるぜ？」 韓「おいおい！」 周泰「来る！」 河「!?」 呂「孫河！」 策「もうあいつの領域か…」 河「痛え…」 策「今のはあいつの部下の弓だな…」 河「じゃあ、太史慈は？」 策「！」

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孫策「お出ましだ」 程普「本物の弓矢ではないか！」 黄蓋「あいつはふざけているのか！」 周泰「！」 孫権「周泰！」 策「もう迂闊に大声を出すな」 呂範「…私たちはとんでもない男と戦っていたのだな」 宋謙「敵は二人です！さっさと殲滅しましょう！」 策「違う、宋謙。二人だからこそ厄介なんだ」

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韓当「ですが矢を射られ放題なままじゃ…」 策「だから俺がやらなくちゃいけないことがあるのさ」 呂「…もしかして」 策「俺だけで突撃だ！」 権「兄上！」 策「かかって来やがれ子義！」 太史慈「さすが伯符殿！」 策「喰らえ！」 太「む！」 兵「！」 策「てめえの矢なんざ屁でもねえ！」 兵「!?」

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策「おら！」 太「おのれ！」 周瑜「そこまでだ、太史慈」 太「いつの間に！」 策「さすが公瑾！」 周「お前は主君に鏃付きの矢を見舞い、刃のある戟まで繰り出すのか？」 策「俺も手戟を本気でブン投げたからおあいこだ！」 周「伯符…」 太「ですな！」 策「やっぱ強えなおめえ！」 太「ご主君も！」

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孫策…太史慈と肩を組んで大笑いしているが、周囲のリアクションとのコントラストがありすぎる。 太史慈…ご主君を相手の一騎打ちなのですから、殺すつもりで相手をしないとご無礼でしょうが！ 周瑜…太史慈が出た背後から奇襲。男の友情の質の違いに困惑。 孫権…兄との器の質の違いに目眩がした。

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呂範…伯符殿の男気も使いようかもしれないが… 孫河…太史慈の部下の弓で脱落したのが悔しい。 程普…あの男の野心を狂わせんようにせねば！ 黄蓋…孫堅様なら使いこなせただろうか… 韓当…やることが派手すぎてついていけねえよ。 周泰…無駄のない武に定評あり。 宋謙…武術自慢も太史慈には劣る。

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兵…太史慈とコンビを組んだ兵。初対決の時は偵察中の太史慈ら二名vs孫策ら十四名で鉢合わせした挙句の大将同士の一騎討ち。あまりの出来事に孫策軍の武の精鋭たちがしばらく呆気に取られて援護も忘れるほどだったという。太史慈も狂っているが、相棒の彼もなかなかに狂っていたのかもしれない。

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張譲「陛下」 霊帝「うむ」 張「頭が二つの赤子が産まれたそうでござる」 霊「またか」 張「またです」 霊「四人目だな」 張「はい」 霊「…」 張「陛下？」 霊「その四人は丁重に保護せよ」 張「それは？」 霊「彼らが成人した暁には座談会を開こうと思う」 張「なんと」 霊「勅命である」 張「は！」

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献帝「一体これはなんの集いなのだ、曹操」 曹操「私も分かりませぬ」 A「我ら頭を二つ持つ民を先帝の勅令で保護することになりましてな」 D「私達が元服した暁に座談会を開く予定だったのですよ」 D'「はい！」 献「いろいろ突っ込みたい所があるが…」 曹「帰っていいですか、陛下」 献「ならぬ！」

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献「不便ではないか？」 B「不便でないと言えば嘘になります」 B'「全くですわ」 献「そなたは男女違う頭か？」 B「はい」 B'「身体は女なのですが」 曹「…」 C「我らは日替わりでイニシアチブを取る頭を切り替えるようにしておりましてな！」 C'「おう！」 D「両頭あるあるですな！」 献「それは？」

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献帝…父の意味不明な催しに付き合わされて大迷惑。 曹操…割った卵の黄身が二つあっただけで気分が悪くなった。 霊帝…頭二つの子供たちを私設市場に招いて遊んでたらしい。 張譲…キモくて仕方なかった。

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A…元祖双頭人の男。 A'…男。イニシアチブ交代は日替わり。 B…男。妹との関係は良好。 B'…女。兄と食の傾向が異なるから喧嘩になりにくい。 C…男。荒々しい。 C'…男。髭を蓄えているが、兄からもじゃもじゃを嫌がられている。 D…女。カップリングで揉めがち。 D'…女。姉との解釈違いが悩み。

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孟獲「助けてくれ！馬忠！」 馬忠「何事だ、孟獲！」 孟「カミさんをキレさせちまった！」 馬「なんだと！」 張嶷「俺たちの天敵のお前の嫁を!?」 張翼「誰のことです？」 孟「てめえは俺の嫁を知らねえのか！」 翼「知らん」 馬「よし張翼！孟獲の嫁と立ち合え！」 翼「造作もありません！」 嶷「…」

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翼「」 馬「飛刀で蜂の巣になって帰ってきやがった」 嶷「死んでねえよな、張翼」 翼「なんなのだ、あの女は…」 孟「勘弁してくれ、祝融！」 祝融「…」 馬「いつ会っても兀突骨が小さく見える…」 嶷(兀突骨の倍デカいですよね…) 兀突骨「」 孟「もう声も出せねえほどあいつの炎に燃やされてら…」

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祝「モウカク！キサマヲホネノズイマデモヤシツクシテクレル！」 馬「なんという大音声だ…」 嶷「道理で兀突骨の声が小さくなる訳だ…」 兀「ｱﾈｳｴｺﾜｲ」 孟「もうお前の掌の上で踊らされたくねえ！」 祝「チイサキオトコヨモウカク！」 孟「てめえがデカすぎんだよ！」 祝「!?」 馬「禁句だ！」

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馬忠…張嶷と二人で戦わされた事があるが、飛刀を喰らってKO。 張嶷…彼も飛刀を喰らって負けた。 張翼…おもむろに出てきた巨人に笑ってしまい、飛刀の雨に打たれた。 孟獲…祝融に摘まれて帰って行った。 兀突骨…身長十二尺の彼が怯える姉の体躯はおよそ三十尺か。 祝融…孟獲の嫁の巨人。

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左慈「やいやい、阿瞞！」 左'「お前の父ちゃんデブ専！」 曹操「おのれ！左慈め！」 夏侯惇「左慈だらけではないか、孟徳」 許褚「…」 左'「天下を劉備に譲ったらどうだ！」 左'「温州蜜柑の汁でも喰らえ！」 曹「目が！」 夏(女々しい) 曹「左慈の首を全て刎ねよ！」 夏「剣が持つかな」 許「…？」

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夏「どうした、許褚」 許「…なんだこの匙は」 左「!?」 曹「なんだ？」 許「どうも左慈はこの匙を通じて我らを誑かしているようです」 夏「誠か！」 左「やめよ！」 許「！！」 左「ギャア！」 曹「いいぞ、虎痴！」 夏「このまま捩じ切ってやれ！」 許「！！」 左「おのれ曹操！」 曹「トドメだ！」

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許「丞相！」 曹「おう！」 夏「匙を投げた！」 左「馬鹿な！わしの術の弱点がなぜ分かった！」 曹「くだらん」 夏「ここまできて分からん訳がなかろう」 左「覚えていろ、曹操。いずれ第二・第三の左慈が…」 曹「失せろ！」 左「」 夏「消えるぞ！」 曹「待て！房中術のハウツー本を！」 許「丞相」