山本敏晴さんによる災害後の心理的初期支援のまとめ

医師、国際協力師の山本敏晴さん @yamamoto1208 による、災害後に必要な心理的な支援についてのまとめ 御自身によるブログでのまとめはこちら http://blog.livedoor.jp/toshiharuyamamoto128/archives/65680124.html
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山本敏晴 @yamamoto1208

サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)。子どもから大人までに対し使用可能な心理的支援の方法。初期の苦痛の軽減と、適応機能と対処行動の促進を目的。①トラウマのリスクと回復に関する研究結果に合致。②災害現場への適用が可能で、実用性。③生涯発達の各段階に適切。④文化的な配慮、柔軟性

2011-11-29 13:36:03
山本敏晴 @yamamoto1208

サイコロジカル・ファーストエイドの目的。①共感的な態度により人と人の関係を結ぶ。②当面の安全と、物心両面の安心を確保。③落ち着かせ、見通しが持てるように。④今して欲しいことを被災者が支援者に明確に伝えられるように。⑤支援者ができることとできないことを明確に。⑥被災者の力を引き出す

2011-11-29 13:42:50
山本敏晴 @yamamoto1208

サイコロジカル・ファーストエイド。専門家としての態度。①公認されたシステム枠内で実施。②良識あるモデルを示す(穏やかさ、慎重さ、親切な態度)。③被災者がアクセスし易いよう配慮。④秘密保持。⑤自分の役割を踏み越えない。⑥自分の役割以外は適切な紹介。⑦文化と多様性に配慮。⑧セルフケア

2011-11-29 13:45:36
山本敏晴 @yamamoto1208

サイコロジカル・ファーストエイド。目的は、①苦痛を減らし、②現在のニーズに対する援助をし、③適応的な機能を促進。④トラウマ体験や失ったものの詳細を聞きだすことが目的ではない。⑤ニーズに直接役立つ情報を提供する。⑥被災者が身を守るためにとった行動のうち、良い所を褒める。

2011-11-29 13:53:38
山本敏晴 @yamamoto1208

サイコロジカル・ファーストエイド。①ます様子を見る。②関係作りに最も有効なのは現実的な支援(食糧、水、毛布)。③介入が負担にならないことを確認してから接触。④被災者が拒否、逆に殺到する可能性。⑤略語や専門用語は使わない。⑥彼らが何を伝えたいのか、あなたがどう役に立てるのかに焦点。

2011-11-29 13:55:03
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。災害に遭った後の『急性ストレス反応』は、誰でも起きる「正常な反応」。だから「症状」と呼んではいけない。「診断」「病気」「障害」などの観点から話をしてはならない。それらは、侵入(再体験)・回避と麻痺・過剰覚醒・悲嘆(外傷性悲嘆)・抑うつ・身体反応(腹痛等)。

2011-11-29 18:09:45
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。避けるべき態度。①全ての被災者が話をしたがっている、あるいは話をする必要があると考えてはいけない。しばしばサポーティブで穏やかな態度でそこにいることが人々に安心感を与え自分で対処できるという感覚を高める。②話したがらない場合、何があったか話させる必要はない

2011-11-29 18:15:44
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。子どもに対する場合。①幼い子どもの場合、椅子に座るか子どもの視線の高さに合わせてしゃがむ。②災害後、子どもの行為や言葉が一時的に「退行(赤ちゃん化)」することが多い。だが多くはじきに回復する。③話を聞きながら「ちゃんと理解しているよ」と繰り返し伝える。

2011-11-29 18:20:19
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。学童期の子どもに対する場合。感情、心配なこと、疑問を言葉にできるように手助けする。気持ちを表すのに使うシンプルな言葉(頭にきた、さびしい、怖い、心配など)を用いる。恐怖・脅えなどの極端な言葉は、かえって苦痛を増すので、使わない方がよい。

2011-11-29 18:23:24
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。思春期の子どもに対する場合。①大人同士として話しかける。彼らの気持ちや心配や疑問に、あなたが敬意が払っているというメッセージを送る。②子どもに十分な情緒的支えを提供できるよう、親の機能を補強し、支える。

2011-11-29 18:24:50
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。高齢者に対する場合。①聴力に問題がある場合、低いはっきりした声で話す。②混乱した高齢者は、記憶・判断などに不可逆の問題を抱えているように見える。だが多くは一時的。③環境の激変は、脱水・栄養不良・睡眠障害・持病の悪化・社会的孤立・対応できないという不安を助長

2011-11-29 18:27:13
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。障がい者に対する場合。①できるだけ静かな刺激の少ない場所で対応。②介護者でなく本人に話しかける。③たとえ、そう見えなくても、本人の言うことを信じてあげる。④その人の介護必需品(薬品、酸素ボンベ、呼吸装置、車椅子など)を確保。

2011-11-29 18:30:20
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。支援を必要としているのは「急性期の苦痛の兆候」を示している人。それらは、状況判断ができずにまごついている人、落ち着きを失って困惑している人、気が動転し興奮している人、パニックになっている人、極端にひきこもっている人、無気力になっている人、極点に不安そうな人

2011-11-29 18:32:06
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。文化と多様性に対し繊細に振る舞う。①自分の価値観・先入観について意識し、あなたの支援する地域のそれとどのように相違しているかを把握。②彼らの習慣、伝統、家族の在り方、(男女の社会における)性役割、社会とのつながり方を理解し、それらを再建したりするのを助ける

2011-11-29 18:35:22
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。リスクの高い人。①親(保護者)と離ればなれになっている子ども。②親、家族、友達を亡くした子ども。③親が重症を負った子ども。④里親や児童養護施設で養育されている子ども。④病弱な子ども・大人。④身体障がい者。⑤危険なことをやりたがる思春期。⑥妊娠している女性等

2011-11-29 18:37:55
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。災害が発生する前から、社会においてマイノリティー(障がい者や、性的少数派である同性愛者など)は、もともと社会の主流から取り残されているという感覚を持っている場合がある。そうした場合、災害が発生すると、高い確率で精神的トラブルを発生すると言われている。

2011-11-29 18:40:24
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。安全と安心。英語では、Safe and Comfort。当面の安全を確かなものにし、被災者が心身を休められるようにする。

2011-11-29 18:42:00
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。安全と安心。①安全とは、主に政府などが策定する安全基準。学者などの意見を参考に一般的に許容なレベルを制定。②安心とは、リスクに対して、個人がどのくらい不安に思うかは千差万別のため、多様な選択肢を用意し、その人が不安を除けると思う選択肢を選べる状態にあること

2011-11-29 18:45:40
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。①適切とされる身体的、個人的接触は、個人、社会、文化、社会集団によって異なる。例えば、立った時にどこまで近づくか、どの程度目を合わせるか、身体に触れるか、など。特に異性に対しては要注意。近づきすぎたり、長く目をみつめたり、身体に触れたりはしない方がよい。

2011-11-29 18:48:44
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。支援者が被災者の目をみつめる時間の問題。日本では一般的に50%程、相手の目を見つめ、50%程度はずすのが「一般的?」とされる。就職したい会社の面接では70~80%にすると「採用され易い」と言う意見も。いずれにしても被災者側の性格の要因が大きいので判断が困難

2011-11-29 18:51:40
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。被災者には自分から(今は)援助を求めない人もいる。大切な人を亡くした場合、周囲の人を信じるのには時間がかかるため。こうしたケースでは、後日、その人が支援を欲するようになった時のために、スタッフ・日時・場所などの情報を伝えておくのが妥当。

2011-11-29 18:54:27
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。自己紹介。①まず、話しかけていいかきく。②何か役に立てることがないかを知るために来たと説明。③相手に腰を降ろすように勧める。④会話のために最低必要な個人情報を確認。⑤その人に注意を集中し、まわりをきょろきょろ見ない。⑥ただし、目を見つめすぎてはならない。

2011-11-29 18:58:29
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。子どもや思春期の人に近づく場合、①まず、親や一緒にいる大人に自分の役割を説明。②許可をとる。③周りに大人がいない子どもには、基本的に、まず保護者を探し出すことから始める。④なるべく、親か保護者と一緒に、会話を聞いてもらう。

2011-11-29 19:00:39
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。「こんにちは。私は〇〇です。〇〇で活動しています。皆さんのご様子や何かお役に立てることがないかを伺っています。少しお話をしてもいいですか?お名前をお聞きしてもいいですか?〇〇さんですね。まず今すぐ必要なものがあれば教えてもらえますか?水などは足りてますか」

2011-11-29 19:02:53
山本敏晴 @yamamoto1208

災害後の心理的初期支援。思春期。「こちらはお嬢さんですか?話しかけてもいいですか?(視線に合わせしゃがみ、笑顔で)こんにちは〇〇ちゃん。私は〇〇です。あなたや家族の役に立ちたいと思ってここに来たの。今すぐ必要なものはない?お水やジュースはむこうにあるよ。箱の中におもちゃもあるよ」

2011-11-29 19:06:14
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