茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3132回「多くの人が本音の欲望の部分で「良い大学」に行きたいと思っているという事実」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１３２回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日の、大学に行く意味の続きだけれども、結局、人間の欲望というのは正直なものだと思う。親の欲目とかではなく、中学生か高校生と話していると、本音の部分で、大学に行きたい、良い大学に行きたいと願っていることが伝わってくることがあって、つまりより良い人生を生きたいんだなと思う。

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以前、開高健ノンフィクション賞の選考委員をしていた時、ある年の受賞作が満州建国大学のことを描いた作品だった。この大学の卒業生のお一人が、子どもの頃、親に「勉強して良い大学を出ないと良い嫁さんがもらえないぞ」と言われと言っていた。

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時代が流れて、「勉強して良い大学を出ないと良い嫁さんがもらえないぞ」というフレーズがそのまま通用するわけではないけれども、結局、今の人たちだって、良い人生、good lifeを送りたいという率直な思いは変わらないはずで、本音の部分で良い大学に行きたいという気持ちは今の高校生も同じだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

自身は大学を出ているインフルエンサーが「大学なんて意味がない」という事象の意味だけれども、インフルエンサー側からすると、そのように言うことで、尖った感じ、ストリートワイズな印象を演出するというメリットがあると思う。俺は常識にはとらわれない、という感じは好感をもたれる。

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一方、「大学なんて行く意味がない」というインフルエンサーの言葉をまともに受け取っている高校生と話すと、大学以外のオルタナティヴな生き方を具体的に思い浮かべているというよりは、大学に行く努力をしない自分の現状を肯定するための理由付けに使っているケースが多いように思う。

茂木健一郎 @kenichiromogi

アメリカでは、Peter Thielあたりが大学不要論を唱えている。それは一つの考え方だけど、結局、アメリカの高校生の多くは本音の部分で大学に行きたい、しかも良い大学に行きたいと思っているわけで、そのような素直な欲望のかたちを見つめないと本筋を外す。

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確かに学術情報があふれている今の時代、大学は絶対的ではないけれども、昨日論じたコミュニティ機能を含め、多くの人が本音の欲望の部分で「良い大学」に行きたいと思っているという事実は変わらない。人間は良い人生good lifeを生きたいと思っている。そのことは時代が流れても変わることはない。

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以上、連続ツイート３１３２回、「多くの人が本音の欲望の部分で「良い大学」に行きたいと思っているという事実」をテーマに７つのツイートをお届けしました。