「被害・加害フレーム」へのハマり方:人はいかにして他責になるのか?という話

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めんたね @mentane

「自己攻撃状態(自責する)」 「被害者状態(被害者意識を持つ)」 「暴力状態(他責する)」 この状態をまとめて「被害・加害フレーム」とぼくは呼んでいる。ここにはまると一時的に心は楽になるが、長期的にはあまりいいことがなかったりするので、なるべく抜け出せるように援助することが多い。

2023-08-27 21:14:22
めんたね @mentane

どうにかわかりやすく説明できないものかとずっと考えていたのだが、ちょうど先日、対面のワークショップでホワイトボードに図を描きながら説明していたら、その図が良い感じでわかりやすかったので、パワーポイントできちんと作り直してみた。それを今回は紹介したい。全体図はこんな感じ。 pic.twitter.com/mBlZ0K2cwS

2023-08-27 21:29:02
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(1)自己攻撃状態:自分で自分を責める

めんたね @mentane

いきなり全体図を提示してもよくわからないだろうから、一つずつ順を追っていこう。まずは「①自己攻撃状態」から。生きづらさを感じる人の中には、自分の中に自分を無駄に責めていじめる声があることが多い。これを「ヨソモノ自己」と呼ぶ

2023-08-27 21:31:26
めんたね @mentane

この「ヨソモノ自己」に「ヨソモノ」と名前がついているのには意味がある。自分自身で納得して取り入れている考え方ではない。子どもの頃から成長する中で親だとか教師だとか社会だとか周囲から「そんなんじゃお前はダメだよ!」と言われたことを納得しないままに鵜呑みにしたものだ。 pic.twitter.com/lx8S6FWQpD

2023-08-27 21:35:11
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めんたね @mentane

自分で自分を責める、自責というのは大変に辛いものだ。自分が責める自分と責められる自分に引き裂かれてしまう。自分がバラバラになりながら、自分で自分を痛めつける状態は耐え難い苦痛となる。そこで、我々は心を守るために自然と次の状態へ移行する。

2023-08-27 21:37:45

(2)被害者状態:他人に「ヨソモノ自己」を投影し、「他人から責められている」と被害者意識を高める

めんたね @mentane

「①自己攻撃状態」の苦しみを緩和するために移行するのが「②被害者状態」だ。自分の中にあるヨソモノ自己、責める自分を周りの他人の中に読み込む。「周りの人間が自分を責めている!自分は被害者だ!」と感じられる。責めるのが自分ではなく、他人になれば自分が2つに引き裂かれる苦しみは減る。 pic.twitter.com/fTqyS1qxU4

2023-08-27 21:43:26
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めんたね @mentane

この連続ツイートでは「選んだのは自分」と他人に言われると、責められているように感じて被害者状態に入ってしまう人の説明をした。もともとはその人の頭の中に「こんな自分は悪い!ダメなやつだ!」と責め立てるヨソモノ自己があり、それを他人に投影してしまうわけだ。 twitter.com/dmentane/statu…

2023-08-27 21:50:12
めんたね @mentane

「②被害者状態」にあると、どんどんと被害者意識を高めていくそして、自責よりはマシではあるが、やはり他人から責められていると感じるのも大変に辛いものである。その苦しみを緩和するためにさらに次の状態へと移行する

2023-08-27 21:53:13

(3)暴力状態:他人に「存在を否定されるべきダメなお前」という役割を投影する

めんたね @mentane

「②被害者状態」で他者から責められているように感じる苦痛を緩和するために移行するのが「③暴力状態(他責)」である。今度は「責められる自分」「(ヨソモノ自己によって)存在を否定されるダメな自分」を他人に投影する。他人に「存在を否定されるべきダメなお前」という役割を投げ込む。 pic.twitter.com/4p3Y7jQUPO

2023-08-27 21:58:06
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めんたね @mentane

暴力状態に移行した人は、それ以前に被害者状態にもなっていて十分に被害者意識が高まっている。自分が相手を責めるのは、今まで散々うけてきた被害に対する復讐であり、正当な裁きだ、正義だ、と考えていることが多い。

2023-08-27 22:04:36
めんたね @mentane

暴力状態にある人は他人を激しく非難し、責め、攻撃してはいるが、その背後にあるのは孤独、劣等感、恐怖である。常に「自分はダメだ」という気持ちに怯え、「ダメな自分」を馬鹿にする他者を想像して彼らに怯え、怒りを持つ。喜んで攻撃を楽しんでいるわけではない。

2023-08-27 22:09:15
めんたね @mentane

Twitter(X)はこの暴力状態に入っている人間が、投影をして殴り掛かれる対象を探す空間にもなっている。常に恨み節でツイートをし続けている人も多い。 これらは自分の中のヨソモノ自己の声と必死に戦って心を守る行為である。

2023-08-27 22:11:59

(1)~(3)のまとめ

めんたね @mentane

この一連の流れ、 ①自己攻撃状態(自責) ②被害者状態 ③暴力状態(他責) を一枚にまとめたのが下の図になるというわけだ。 pic.twitter.com/X81CH8WxHj

2023-08-27 22:14:56
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めんたね @mentane

ベースにあるのが自分の中にあるヨソモノ自己が自分を責める自己攻撃状態で、自分を責めるヨソモノ自己を外部に投げ込んだのが被害者状態、ヨソモノ自己に責められる自己を外部に投げ込んだのが暴力状態になる。

2023-08-27 22:17:04
めんたね @mentane

この辺の仕組みを図示できたので満足。今後、ワークショップなどでこの図は積極的に使っていこう。

2023-08-27 22:23:11

Q.では、「被害・加害」フレームから抜け出すにはどうすればいい?

めんたね @mentane

ちなみにこの被害・加害フレームから抜け出すためにどんなことをしたら役に立つかという点で、最近、一番やりやすいなと感じているのはフォーカシングである。自分の中にある「責める自分」「責められる自分」双方の感じていることに目を向けて耳を傾ける。

2023-08-27 22:27:27
めんたね @mentane

自分の中にあるモヤモヤした言葉にならない感じに目を向け、すぐにその正体が何なのかがわからなくてもいいから、それをゆっくりと触るように意識する。ただ感じ取る。それをやってるだけで、時間と共に自然と自分の心の中の絡まった紐がほどけていく。

2023-08-27 22:29:22
めんたね @mentane

別に無理に紐をほどこうと努力する必要もない。ただ、ぼんやりとモヤモヤすることや、責める自分、責められる自分の感覚を感じておけばいい。なるべく、自分を責めず、ダメ出しもしない。ダメ出ししたくなる自分に気づいたら、「ダメ出ししたいんだなー」と理解してただ眺める。

2023-08-27 22:31:29
めんたね @mentane

無理に何かをしようとせず、ぼんやりと「そんな風に自分は感じているんだな」と受け入れて、ただひたすら感じていく。それさえできれば、後は自然と良い方向へと進んでいくことが多い。

2023-08-27 22:32:57