今、復興の中に求められる「風景」とは
島:粘り強い堤防、というのは、簡単にこわれないということ。パラペット堤防は高さがあるが津波の圧力に耐えきれず簡単に破壊されてしまう。一方土手は水がきても少しずつ削られるので形がとどまる。なめらかな形なのだ。
2011-12-03 15:08:50島:粘り強い堤防のガイドラインがこれから出来る。減災のために具体的に堤防のどこの部分を弱く作るとか、そういうのは自治体レベルの議論。
2011-12-03 15:11:17岡:それに関して、砂浜も波を弱める。実は自分はサーファーだ。小高地区の海は、震災前は遠浅でサーフスポットとして有名だったのだが、震災後に訪れて海にうねりがないことに気付いた。
2011-12-03 15:18:01岡:これば津波で遠浅部分の砂が陸に流されてきたためだ。何年か自然のままにしておけば砂が海に戻っていき、砂浜ができる。しかしすぐに堤防をつくるとこの作用は妨害される。小高地区は原発20km圏内なのでおそらく自然のままにされるだろう。今後学会が見守っていくべきスポットであると考える。
2011-12-03 15:18:58質問者5:コモンズについて。日本は今まで単純化された土地利用を推し進めてきて、その結果無個性な住宅地など画一的な風景が生まれてしまった。震災復興ではまちの中にできた空き地などをどう使っていくべきか。
2011-12-03 15:21:45兼:(大槌町について)災害公営住宅にも庭などセミパブリックな場所を設けている。またこの冬になって学校を再開できることになったが、学校をどう使うか、まちの中に置くべきか、外に置くべきかなど考えている。
2011-12-03 15:25:13発言者6(コンサル):いいラグーンができたとの報告があった。「動かざること大地の如し」なんていうのはうそで実は「動くこと大地の如し」だね。自分たち土木屋は人間が住みやすくするために大地に少しだけ手を加えるのが仕事だ。市民も含め、自然の流れを受け入れなくてはね。
2011-12-03 15:29:40発言者6:あと、島谷さん、堤防のガイドラインにすばらしい絵をつけてくれているけど、ああいうのはもっとラフにしてくれなきゃ。しっかりかかれると現場はその通りにするしかなくなっちゃうよ。
2011-12-03 15:29:51佐:さて、長い時間をかけるというのが、1つのキーワードになってきた。しかし5年10年と私達は簡単に言うが、今0歳の子供が5歳や10歳になるというのは親にとってはとても長い時間である。どうなるか分からない仮住まいで10年も子育てはしたくない。時間をかける反面確保すべきものがある。
2011-12-03 15:34:54田:民主党は仕分け仕分け言ってるんだから、復興についても優先順位を仕分けしてほしい。すぐにやるべきことと、100年かけてやるべきことがある。今の私達の判断が100年後の日本人を守るのだ。
2011-12-03 15:39:15田:また判断の際には専門家だけでなく住民を交えてことを進めなくてはならないと思う。私達はラグーンをなくしてきた日本と、日本らしい風土に根差した住環境について考えていかなくてはならない。
2011-12-03 15:39:21田:最後に一言だけ。今回の被災は決して一過性のことではない。被災地のコミュニティは大きく崩れた。建物ができた、原発が冷えたというのが終わりではない。どうか出来るだけ多くの人と一緒に被災地の問題に関心を持ち続けて欲しい。
2011-12-03 15:42:29佐:ありがとうございました。12月11日にまた早稲田大学で岡田さんや兼子さんもお呼びして、海岸防護施設とまちづくりをテーマに、今日より少し具体的に踏み込んだ話をするので、良かったら来て下さいね。
2011-12-03 15:44:14