kyrieさんが語る、宗教が生まれた背景と必要な理由

今までの自分に無かった視点だなぁと思いまして。生物学的視点から始まる、宗教の存在意義、役割、必要性について。
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kyrie @kyrierich

本能の階層構造の上で、社会性は比較的脳の表層に位置する本能だと言えます。一定の生存率を確保した後は、それをより高めるために個体から種全体の利益にシフトする構造が必要です。この構造を作るための「本能」が、社会性、自己顕示欲、認知欲求などに代表される 「自己の重要感」 への渇望です。

2011-12-03 15:45:51
kyrie @kyrierich

身の安全を確保された後は、仲間への貢献に欲求がシフトするのです。そして仲間からの「承認」を持ってこの飢えは解消されます。またこの性質は他の生物が求愛行動の際に自分をアピールするように、ある程度の原始的欲求との混同が認められます。

2011-12-03 15:48:11
kyrie @kyrierich

仲間への貢献は、仲間から承認されなければ満たされづらい。より多くの仲間から認められたいと思う動機付けは、仲間の多くからの承認を持って行ったこと、即ち群れ全体の合意として、種族全体が単一意思のもと動くという組織性と合致しやすい。個体の名誉・民主性・組織性が合致するのです。

2011-12-03 15:51:31
kyrie @kyrierich

こうして社会性動物は、それぞれが好き勝手に動いているように見えて、全体としては民主的、協調的に行動が制約されていきます。 (例外的な生物も居ますが人間の場合の話なので今回は除外

2011-12-03 15:52:59
kyrie @kyrierich

で、余談というか前提の説明はココまでとして

2011-12-03 15:53:55
kyrie @kyrierich

人間は 「仲間から一定の時間間隔で、一定の承認と評価を、得続けたい」 と思う生物なのです。それを満たすために 「誰かの為に動く、誰かに褒められるような事をする」 というインセンティブが働きます。従って人をう動かすにあたっては、動かしたい方向に評価を与えねばなりません。

2011-12-03 15:55:26
kyrie @kyrierich

人間は 「仲間から一定の時間間隔で、一定の承認と評価を、得続けたい」 と思う生物なのです。それを満たすために 「誰かの為に動く、誰かに褒められるような事をする」 というインセンティブが働きます。従って人をう動かすにあたっては、動かしたい方向に評価を与えねばなりません。

2011-12-03 15:55:26
kyrie @kyrierich

これとは別にもっと本能の深いレイヤーで動かす方法もあります。それは生存本能を脅かす直接の条件を与えること。つまり恐怖政治や、脅迫や、強制であり、ペナルティをチラつかせて回避させる方法です。本当に生存の上で深刻な状況まで追い込めば実によく動きます。先進国では難しいですが。

2011-12-03 15:57:40
kyrie @kyrierich

ここで文明の話に移行します。基本的に国家や文明というものは、社会性生物が群れを形成し、個体の生存の上での余剰リソースを他の個体へ振り分け、それに対して名誉を受け取り精神性の飢餓を解消するというメカニズムから、その範囲をより大きい群れへと拡大していった物になります。

2011-12-03 15:59:55
kyrie @kyrierich

国家や文明は主に物質的な実利を取り扱います。農産物であったり、工業製品であったり、土地や権利であったり。精神の充足も基本的に書物など物質を介して価値付けをしたり、娯楽などは提供労力に対して貨幣価値を付しました。

2011-12-03 16:03:22
kyrie @kyrierich

文明の力によって個体が「死のリスク」からある程度開放されると自己の重要感への飢えが増します。特に「生かされ」ているにも関わらず、窮乏しておらず、やるべきことがない個体はその飢えに苛まれます。自己の貢献を見いだせない時、他者を貶めて相対的に自分を上位に持ってくる行動が目立ち始めます

2011-12-03 16:06:58
kyrie @kyrierich

これは古代ギリシャ等で特に娯楽を追い求める傾向が強かったり、それらに残虐な物が多く含まれていたこと等からある程度の関連性を見出せます。また現代の先進国では特にこれらに当てはまっています。

2011-12-03 16:08:20
kyrie @kyrierich

物質的な供給再分配では精神飢餓への対応力が難しい訳ですが、これに対する1つの解決案として宗教の存在が挙げられます。教義を科学や哲学とは関係なく1つの絶対基準として固定し、「あなた達の誰もが神に愛されているのです」 などと言葉を掛けてやることは、実に効率的にこの飢えを満たしました。

2011-12-03 16:11:33
kyrie @kyrierich

特に 「生存が可能であり、自己の重要感を満たせない」文明、即ち上層と下層の差が大きく、下層が大多数である社会ではその効力は絶大でした。宗教が巨大な権益を構築し、国家の機能を代替する例すら出現しました。

2011-12-03 16:13:39
kyrie @kyrierich

あ、奴隷とかまさにこのポジションだね

2011-12-03 16:15:25
kyrie @kyrierich

そして国家機能を代替すると共に、各所での支店機能(教会)を持つ組織は、銀行機能を生むに至り、信仰による組織が政府機能を統合してゆき、信仰する者達の中で教義に対しての疑問、或いは教義を果たしていないと感じる者達が増大し、彼等の自己の重要感を満たすに能う信仰を作る必要が生まれました

2011-12-03 16:20:21
kyrie @kyrierich

さて、中世~近代は色々面倒臭いのと物理的条件が多過ぎるのでザクっと省いちゃうとして

2011-12-03 16:21:42
kyrie @kyrierich

現代における先進国、主に日本の社会環境と精神環境に話をシフトすると

2011-12-03 16:22:25
kyrie @kyrierich

経済的事情(詳しく書くと長いから省く)からして、市場の総需要がたりない(というより購買力がバランスしてない)事から、企業の収益が伸ばせず、企業がそのリスクから利益率を高めるインセンティブが働き、費用を削減しようとする。

2011-12-03 16:24:55
kyrie @kyrierich

人件費を削れば労働者の所得が減少、設備購入を控えれば設備製造企業の労働者所得が減少し、材料費を削減すれば原料を調達する企業の労働者所得が減少する。これは経済的に深刻な問題だけれど、もう1つ社会に関する重大な病理を生んでいる

2011-12-03 16:27:13
kyrie @kyrierich

それは 「供給が過剰であり、需要が明らかに足りない」 という構造は、「私はあなたのために役に立ちたい」 と願うのに 「お前など必要としていない、それにお前じゃなくても構わない」 と言われ続けるに等しいことだ。

2011-12-03 16:28:07
kyrie @kyrierich

デフレが不信の悪循環として国や世界を巡ることは、この「人を評価しない」というベクトルが循環し続けるという副作用を産む。常に心が飢餓に苦しむ。人並外れて努力をしても評価として反映されづらくなる。 結果、多くの人が隣人の落度や欠点を探し、何とか自分を相対化して優位へ持って行こうとする

2011-12-03 16:30:43
kyrie @kyrierich

飢えた人々に、貢献する手段を与えてやれず、必要ともしてやらずに、彼等に 「人の事を悪く言うな、寛容な心を持て」 というのは無理難題なのです。彼等は怒ったり憎んだりしているのではありません。飢えて、苛立って、苦しんでいるのです。 ―――なので、今の時代に宗教は必要だと思うのです。

2011-12-03 16:32:56
kyrie @kyrierich

誰もが賢明であり、個体としても集団としても正しい行動をとれるようになればそれは理想的です。しかし今飢えている人々に 「直ちに賢明な行動を取れ」 というのは、生物学的も社会的にも無理難題でしかないと思うのです。弱者の無理を前提とした解決プロセスがまだまだ想定されていないと思うのです

2011-12-03 16:34:51
kyrie @kyrierich

ちょっと精神病の話とかも絡めようと思ったけどTLの空気が暗くなり過ぎそうだからここらへんでやめておこう…。(;╹ ‸ ╹)

2011-12-03 16:36:39