「同時」、佐野良二「尾なし犬」オンライン読書会 途中経過1
- konrinzai_douji
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しかし意外だ。文句なしの傑作だと思うのだが。RT @eriko_douji 銀河鉄道の夜、ってそうなんだ。三回ぐらい挫折して読めてないので分からないのだった。#doujii_onashi
2011-12-08 20:51:51たしかに、銀河鉄道の夜と、モチーフのみならず、主人公の心のあり方にも似通ったものを感じる。前に小川未明の金の輪も挙げたのですが、日本児童文学の通奏低音が響いているという印象。文化圏の共通体験(言葉が出てこない)に補強されているというか。#doujii_onashi
2011-12-09 16:24:24絵を描く行為の描写から、克夫のキャラクターが浮かび上がってくることを期待して読むのだけど、浮かび切らない。個性がつかめないもどかしさを感じる。これは必ずしも欠点ではないのかもしれないけれど。#doujii_onashi
2011-12-09 16:28:41戦争を通じて少年から大人の男性へと決定的に変化してしまった兄、その中に昔の優しい兄の面影を見つけようとする克夫。大人は強くて汚くて商魂逞しいもので、子供はそれを恐怖しつつ自らの至らなさを恥じる。けど、僕には兄さんに見えないモノが見える。#doujii_onashi
2011-12-09 16:32:59「兄さんに見えない物が見えるんだから。それを描くためなら命なんかいらないんだから」というくだりが、この小説の肝で、実は @madoka_douji のいう「一番書きたいことは直接書いてはならず」をやっちゃっている気もする。#doujii_onashi
2011-12-09 16:35:49「命なんかいらないんだから」っていう表現も、宮沢賢治につながる部分だと思う。私小説かどうかは置いておいても、克夫は賢治を読んでいるように思う。子供が自分の言葉でここまで言うことは稀ではないか。#doujii_onashi
2011-12-09 16:38:26克夫、中二病説浮上? RT @konrinzai_douji: 「命なんかいらないんだから」っていう表現も、宮沢賢治につながる部分だと思う。私小説かどうかは置いておいても、克夫は賢治を読んでいるように思う。#doujii_onashi
2011-12-09 17:42:33いろいろと文句を言ってはいるものの、この小説のラスト、ちょっと泣ける。「違うんだ。こいつはね、何ちゅうか……」と口ごもるところは、ペットを飼ったことのある人ならだれでも共感してしまう、心の奥の温かい部分に接続する表現になっていると思う。#doujii_onashi
2011-12-09 16:43:16"抑制の効いた筆で"とプラスにみるか、"食い足りない"とマイナスにみるか、は、読み手(評者)の主観に依存するわけではなくて、やはりその作品自体が目指した地平に到達する上での必然があるかないか、で決まるのだと思う。…バツとの交流がもっと読みたい。#doujii_onashi
2011-12-09 16:48:15そうそう。そうなんですよね。「尾がない」「汚い」以外のバツの「犬格」をもっと描いてほしかった。RT @konrinzai_douji:…バツとの交流がもっと読みたい。#doujii_onashi
2011-12-09 17:46:07しかし、花火大会のあった夏をすっとばして、春からまた春に至る一年を描いた末に、絵を見て夏に戻るっていう構成は、ちょっとトリッキーすぎるような気がしてきた。狙いであることは間違いないけど、どうなんだろう。#doujii_onashi
2011-12-09 16:50:12確かに賢治自体中二病の強い感染源だよね(笑)RT @madoka_douji 克夫、中二病説浮上? RT @konrinzai_douji: 「命なんかいらないんだから」っていう表現も、宮沢賢治につながる部分//克夫は賢治を読んでいるように思う。#doujii_onashi
2011-12-09 17:55:31けれん味がないというか。誠実な書き手だと思うのです。弱点をさらけ出してしまってはいるけど、少なくとも小細工で作品の弱さをごまかそうとはしていない、と。 #doujii_onashi
2011-12-10 12:50:47サイトの木彫り作品を見るに、猫派なんですよね、佐野さんは。実はあんまり犬と接した経験がないから、バツのキャラがいまいち立たないのかなー。 #doujii_onashi
2011-12-10 12:56:22物悲しくも滑稽な感じがフェリーニ的ですね。ザンパノ(イタリア語のZampaは悪)みたいな。RT @madoka_douji: でもバツ、っていい名前だよな。バツは罰で、克夫の絵は許しであり救済。などと深読み。 #doujii_onashi
2011-12-12 15:47:46フェリーニにはニーノ・ロータの音楽がある。そんな音楽のような要素が「尾なし犬」にあれば(或いは読み手が感じ取れれば)、評価は大きく変わってくるのではないかしらん。#doujii_onashi
2011-12-12 15:59:10勝手にフェリーニを例にとって考え始めたけど、本作を悲しくも滑稽、というところから読み解くのは間違いじゃないように思える。美術展に落選したり、肝油をもらったり、犬鍋を食べたり、どれも悲しく滑稽で。ここに美しいを追加できれば…。 #doujii_onashi
2011-12-12 16:14:25