三国志こばなし集2023年10月号(上)三国時代編

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蔡瑁「あああああ」 落石「！！！」 蔡「あああああ」 連弩「！！！！！」 連弩「！！！！！」 徐「やれば出来るじゃないか」 龐「これなら曹操にも勝てそうだよ」 月「あ！そっちに行ったら！」 強風「！！！」 蔡「あああああ」 孔「また振り出しに…」 承「それにしても見事な罠の数々よのう…」

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強風「！！！」 蔡「あああああ」 月「一向に学習しませんね」 徐「腹立ってきたな」 龐「鼠の方がまだ賢いかも分からんね」 孔「帰りましょう」 承「蔡瑁！我らはこの一回を見届けたら帰るからな！」 蔡「」 孔「？」 蔡「あああああ」 月「一本道を爆走し始めました！」 龐「そういう訳かい！」

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蔡瑁「あああああ」 落石「！！！」 蔡「あああああ」 連弩「！！！！！」 連弩「！！！！！」 徐庶「当たりそうでギリギリ当たらない！」 孔明「仕掛けに怯えず真っ直ぐ走り抜けることこそ死門における死中に活」 黄月英「このまま走り抜けられれば！」 龐統「…じゃあ準備しとこう」 黄承彦「だな」

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蔡「あああああ」 棘山「！！！」 棘山「！！！」 蔡「あああああ」 地雷「！！！」 地雷「！！！」 爆弾「！！！」 爆弾「！！！」 蔡「あああああ」 雷「！！！」 雷「！！！」 濁流「！！！」 濁流「！！！」 蔡「あああああ」 業火「！！！」 業火「！！！」 月「跳んで！！」 蔡「あああああ」

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蔡「…」 月「まさか死門を生身でクリアされるとは…」 孔「虎装甲車のトランクに乗られれば平気だったかもしれませんでしたな」 龐「意外とスペースあったもんね」 徐「でも五人乗りだから…」 承「やむなしだな！蔡瑁殿！」 蔡「…」 孔「では皆さん」 龐「また生きて会おうね」 蔡「許さんぞ！！」

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孔明…五人で散らばって蔡瑁からの追撃を撒いた。 黄月英…虎戦車をチャーターして悠々帰宅。 龐統…生きてるだけ儲けもんで良かったじゃないか。 徐庶…出られたんだからそれで文句言うなよな。 黄承彦…スリムになり俊敏になったがリバウンドしてあっという間に元の木阿弥。

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蔡瑁…扱いの悪さが不憫にも程があったが日頃の行いからすれば、ね。

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孫権「また合肥で！！」 諸葛瑾「陛下…」 孫「満寵に張遼が乗り移っていたとしか思えぬ…」 陸遜「老将ですよな満寵は…」 孫「兵器もほぼ全て焼かれ、孫泰まで討たれてしまったぞ…」 孫韶「状況からして数十人の奇襲としか思えぬのも恐ろしいですな」 権「朕は合肥という地に何かしたというのか？」

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権「思えば公瑾らが曹操と相対した時に初めて攻めた戦が一番の機会だったことになる…」 諸「偽手紙で撤退させられた後、ひとしきり荒れてたあの戦か…」 権「だがな。まさか合肥という地にここまで酷い因縁が生まれるなど、あの時考えられると思うか？」 陸「…お察しします」 権「悪夢の遼来遼来…」

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韶「あの頃の錚々たる面々が食い止められませんでしたからな…」 権「陳武のみならず、淩統もあの戦の重傷のせいで…」 諸「そして此度の満寵…」 権「寵来寵来！とかほざいてたぞ間違いなく」 陸「合肥のみならず、江夏の黄祖や文聘らも…」 権「我らへの守りを担う将らは全員出来過ぎじゃないか？」

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孫権…負け戦の後の反省会呑み会ではひとしきり荒れるのは、皇帝になっても変わらない。 諸葛瑾…私も晩年に軍を率いる役目になるとは思わず… 陸遜…あなたは前線指揮ではなく、軍の調整役としての才を買われていますから！ 孫韶…孫権一族。呉の東方で国境守備に大活躍していた出来る男。

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満寵…晩年に合肥城を移設した合肥新城を新設。数十人の決死隊で夜襲を敢行し、見事呉軍の攻城兵器を燃やしまくり孫権の甥っ子も討ち取る大手柄。マジでこの時ばかりは張遼が乗り移っていたとしか思えない。

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孫権「禁酒月間だと！」 張昭「我ら家臣たちの総意でござる」 孫「死んでしまうぞ！」 虞翻「今まで無惨に死んでいった肝細胞の事を考えた事がおありですかな？」 孫「私が酒を飲めなかったら何を飲めば良いのだ！」 張「水を飲みなさい」 孫「味が無いではないか！」 虞「甘露でも降れば良いですな」

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孫「…」 張「本当に甘露を降らすための祈願を始めてしまったではないか」 虞「孫策様がご存命なら叩き殺されてますな」 張「とんでもない炎を焚いて祈願されているぞ…」 虞「ほっときましょう」 孫「…」 孫「喝！！」 張「なんだ？」 虞「おや、雨が」 張「まさか本当に甘露が！」 孫「…？」

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張「甘露が降ったのですか？」 虞「…なんだか嫌な雨ですよ」 孫「!?」 張「どうされました！」 孫「酸っぱい雨が降ったぞ！」 張「そんな馬鹿な…」 虞「…嫌な酸っぱさですが、確かに酸味が」 張「本当だ！」 孫「酒を飲めず水を飲み続けるくらいならば、私はこの酸露を飲むからな！」 張・虞「…」

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孫権…なんだか飲んでて気持ち悪くなってきたぞ。 張昭…森林が枯れてきただと？ 虞翻…長江の魚が死んだ？

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陳羣「郭嘉殿！また不品行な立ち振舞いをされましたね！」 郭嘉「はて？」 陳「賭場を荒らし、妓楼を荒らし、飲み屋を荒らしまわったそうではありませんか！」 郭「なぜあなたが知っているのです陳羣殿？」 陳「みんな知ってます！」 郭「…では今日の私は品行方正になりますので」 陳「なんですか！」

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曹操「品行方正な郭嘉が奇妙で仕方ないぞ…」 陳「…実は」 曹「ん？」 陳「今日郭嘉殿が品行方正になる代わりに、明日は私が不品行になる番ということになり…」 荀彧「なに！」 曹「不品行な陳羣とな!?」 荀「それは…」 陳「…」 曹「面白いな！」 荀「やるなら徹底的にやってくれ」 陳「やっぱり」

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陳「おらおら！不品行陳長文だぜ！」 曹(面白いなこいつ！) 荀(ど田舎侠客みたいな立ち振舞いですよ) 郭「不品行な陳羣殿はどこが不品行なのです？」 陳「えっと…」 郭「…」 陳「冠の被り方が不品行だぜ！」 郭「わあ」 陳「着物の柄が不品行だぜ！」 荀「おお」 陳「帝の諱を口に」 曹「出すなよ」

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陳羣…不品行の匙加減が分からず危うく死にかけるところだった。 郭嘉…少しづつ不品行になっていきましょうな、陳羣殿。 曹操…いきなり不品行を超越する不敬に飛び込んできたぞあいつ… 荀彧…冷や汗かきましたね。

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袁紹「どんぐりしかおらぬな…」 審配「幕僚の者共のことでござるか？」 袁「ああ。そっちもあったか」 審「ご冗談を…」 袁「…連れてきた三人の倅たちのことよ」 審「御子息が、どんぐりとは？」 袁「大差ないだろう？」 審「…はあ」 袁「前から世継ぎを定めろとは言われているが、こいつらではな」

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審「しかしお決めにならなければ」 袁「その時で良いだろう？」 審「…」 袁「今ここで曹操を殺せば私の天下だ。世継ぎを決めるのはその後でいい。違うか？」 審「まあ、確かに…」 袁「私は自分が死んだ後の天下なんぞに興味はない。私の世継ぎはお前らが好きに決めてもいいかもしれんぞ？」 審「…」

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袁「冗談はさておき…」 審「…はい」 袁「并州の元才は何をしているかな」 審「高幹殿でござるか？」 袁「あいつめ。曹操との決戦にも関わらず并州の統治がどうのとか宣って一兵も遣さんのだ」 審「それは！」 袁「だから私はあいつを買っているのだがな、正南？」 審「」 袁「あいつには気をつけろ」

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袁紹…王允やら呂布やらの獣が生まれた并州の統治を自分から希望した男だからな。私も油断ができんのだよ。 審配…官渡の戦いの真っ最中でも、袁紹と話すときはいつも冷や汗が止まらない嫌な気分になる。

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淳于瓊「顔良！肉狩ってこい！」 顔良「まだ調練の真っ最中ですが…」 淳「俺の言うこと聞けねえってか脳筋！」 麴義「てめえのやりてえ事は分からなくもねえが、今はやめとこうぜ淳于瓊の」 淳「西園八校尉だった俺に言ってるのか麴義？」 麴「元だろ元」 淳「元だろうと袁紹殿と対等だったのだが？」