「宗教」とは本来キリスト教みたいなものや仏教みたいなもの程度の定義の言葉で普遍的ではなく…かつて神道も宗教ではなかった話

宗教の定義
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DJ プラパンチャ @prapanca_snares

例えば、こんな例がある。1950年代初めに東京の下町で生活調査を行った社会学者のロナルド・ドーアは、「自分はキリスト教または仏教の信者である」という意識をはっきり持っている者は少ないと指摘している。また、日常的に仏壇に手をあわせている人に死後の魂のゆくえについて尋ねると、

2023-10-24 17:20:14
DJ プラパンチャ @prapanca_snares

約1/3が「死んだらおしまいだ」と答え、「わからない」も含めると半数近くになったという。半数近くが死後の魂の存在に否定的もしくは懐疑的にもかかわらず、仏壇に手をあわせていたというわけだ(ドーア『都市の日本人』岩波書店、1962年)。

2023-10-24 17:20:34
都市の日本人 (1962年)

R.P.ドーア,青井 和夫,塚本 哲人

DJ プラパンチャ @prapanca_snares

また、これもよく指摘されることだが、特定の宗教に自分がコミットしていると自覚している者の数は少なく、それを忌避する感情もある一方で、「宗教的な心のあり方は大切だと思いますか?」とか「目に見える世界を越えた世界があると思いますか?」と聞くとYESと答える者が多かったりする。

2023-10-24 17:20:49
DJ プラパンチャ @prapanca_snares

かつて阿満利麿は、こうした日本人の宗教に対する態度について、「創唱宗教/自然宗教」という区分が有効だと提案した。日本人の多くは、特定の教祖や教義や教典や教団を持つ創唱宗教に対する忌避感が強いが、それらを持たない自然宗教は非常に寛容に実践しているというのである。

2023-10-24 17:21:08
DJ プラパンチャ @prapanca_snares

これは、仏壇に手をあわせるとか、祭りに参加するといったような習慣的行為を実践する日本人の宗教事情は、キリスト教のような教義や信条の体系を軸とした視点からは捉えきれないということである。キリスト教をモデルにした「宗教」という概念では、日本の事情をうまく把握できないのである。 pic.twitter.com/b2nK9akPE0

2023-10-24 17:22:20
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DJ プラパンチャ @prapanca_snares

キリスト教をモデルにして近代的に構築された「宗教」という、特に普遍的でない概念を無理やり日本にあてはめるから、日本人は変だみたいな話になるんじゃなかろうか。足元の生活世界から遊離したプロテスタント的な理念を描いて、現実をその理念に無理にあわせんでもよくないかと思ってしまうのだが。

2023-10-24 17:22:46

「宗教」について理解が深まる

ベルモン太(カクレカメ) @BeturaGrossa

良ツリー 「宗教」という概念について twitter.com/prapanca_snare…

2023-10-24 14:31:21
DJ プラパンチャ @prapanca_snares

「宗教」という概念を特に疑問を覚えることなく用いている人は多いようだ。だが、そもそも現在の我々が考える「宗教」という概念は、明治以前には存在しなかった近代的な構築物である。「宗教」という概念それ自体を疑ってみる必要があるように思うので、少々長くなるがこの問題について述べてみたい。

2023-10-24 13:33:21
宗教建築が好きなアライさん(宗アライさん) @araisan_syukyo

「宗教」という概念の変遷が分かりやすく説明されていて面白いのだ。 twitter.com/prapanca_snare…

2023-10-24 17:41:57
おみゃー @dateyasuikyo

なんと!宗教という日本語は本来“[佛教の]宗派の教え”程度の意味だった。らしい スレッドを読むと、日本人は無宗教という言葉が腑に落ちる twitter.com/prapanca_snare…

2023-10-24 17:51:33
ナカイサヤカ💉×6@イラストで見るUFOの歴史/ゴーストの歴史 @sayakatake

大変面白い。そう、大学で、神道は近代的な意味では宗教類似物と聞いてぶっ飛んだ覚えがある。 以来、こういうことをずっと考えている。 twitter.com/prapanca_snare…

2023-10-24 18:06:42