三国志こばなし集番外編(クソアホ項羽と劉邦)

三国志こばなし集 @omikanboy3594

蕭何「たまにはあんたら貧民に浴をさせてやりましょう」 樊噲「すげえ！」 盧綰「こんなたくさんの湯なんざ見たことねえや！」 蕭(そのレベルか) 夏侯嬰「兄い早くしろ！」 劉邦「待ってくれ！親父が着いてきやがった！」 劉太公「浴が出来るときたら行かずにゃいられねえ！」 周勃「ご無沙汰です！」

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父「太公一番乗り！」 蕭「ちょっと爺さん！」 劉「てめえ俺の親父に汚え口を」 曹参「…みるみる何かが滲み出てないか」 蕭「え!?」 父「おう。俺の出汁よ」 蕭「お茶を淹れた時のお湯みたいだ…」 劉「そんな綺麗な代物じゃねえだろうが！」 父「お前ら俺の羹一杯飲んでいけ！」 劉「ふざけんな！」

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項羽「貴様の親父を煮殺してやろうか！」 劉「いいねえ！煮殺したら煮汁を羹にして振る舞ってくれ！」 項「!?」 樊(！) 盧(…なんでこんなやべえ時に思い出しちまったんだ！) 曹(立場は人を変えるとはこの事だ)が…) 夏(汚かったよな、親父の残滓…) 周(馬鹿野郎！) 張良「なに笑ってんだこいつら」

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劉邦…売り言葉に買い言葉で思わず言ってしまったが、あの日を思い出してから笑いを堪えるのが大変だった。 劉太公…まさか項羽に煮殺されそうになると思わなかったし、倅の買い言葉であの日を思い出してこいつも笑いを堪えてた。馬鹿親子すぎる。 項羽…恐怖で震えていると思ったが何か違うぞ？

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樊噲…項羽とやべえ戦してる時だってのによ！ 盧綰…つくづく馬鹿しかいねえ野郎どもだよ！ 夏侯嬰…そんな俺らがなんでこんな大戦してるのかね！ 周勃…腹筋がやばい… 曹参…全力で無になった。 張良…後日蕭何から事の真相を聞いて爆笑した。 蕭何…あんな汚い湯船初めて見ましたよ。

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蕭何「あんたら無知蒙昧の輩をほんの少しでも人間に近づけるべく字を教えてやりましょう」 樊噲「腹立つな」 蕭「人という字は、人と人が支え合ってできた字です」 盧綰「胡散臭えな」 夏侯嬰「てめえが劉兄いを支えられるのかよ？」 蕭「あんたらが、この私抜きで生き延びられると思っているのか？」

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劉邦「じゃあ今から俺のことを支えてくれ」 蕭「物理的な話の訳ないだろうが！」 劉「金銭的でも大いに構わん」 蕭「そしたら生涯私のために働かせて借金返させてやりますから」 樊噲「いい加減俺たちの負債を返しやがれ兄い！」 劉「俺が天下取ったら倍返しにしてやらあ」 盧「お山の大将だろうが！」

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夏「つまり夫妻とは負債の積み重ねで成り立つ関係という事にならねえかな」 蕭「一理ありますね」 樊「こんな穀潰しの嫁になっちまう気の毒な女なんざ、歴史に名を残す悪女に違いねえやな！」 劉「てめえの嫁は獣だろうが！」 盧「何の話だっけ？」 劉「人は支えられる奴と支える奴がいるってことよ」

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劉邦…界隈の弟分という弟分に借金し放題。 樊噲…近々宴があるから肉を集めろってか？ 盧綰…一体何の宴だよ？ 夏侯嬰…呂公って金持ちがこの辺に引っ越してくるんだと。 蕭何…何の因果でこんな下品な集落にわざわざやってくるんですかね…

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劉邦「これからよろしくな！周苛！周昌！」 周苛「こちらこそ！」 周昌「はい！」 劉「うんちっち！」 苛「？」 蕭何「うんちっちっち！」 盧綰「うんち！」 樊噲「うんちーうんち！」 夏侯嬰「うんちいうんち！」 周勃「うんちちち！」 苛「…」 昌「これから、軍議を始めるのでは、ないのですか！」

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劉「!?」 樊「周昌！てめえ！」 昌「なにか！」 盧「全くもってその通りだよ！」 夏「作戦会議しなくちゃいけねえのに、ずっと兄いのうんち遊びで時間を無駄にし続けてたんだ！」 蕭「だからド貧民共の低俗な言葉遊びには常々イライラ」 曹参「いつもお前が真っ先に呼応してたからな？」 蕭「黙れ！」

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劉「周昌！てめえの突っ込みの才能は俺たちに欠かせねえ能力だ！」 樊「あれが突っ込みだったのか！」 盧「いつもやり放題やってる俺らに欠かせねえ一欠片が来てくれたのか！」 蕭「それは私だ！」 夏「引っ込んでろうんち役人」 劉「これからは容赦ねえ突っ込みを頼んだからな！」 昌「…」 苛「…」

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劉邦…ずっと何かが足りねえと思ってたが突っ込みが足りなかったんだよ… 樊噲…俺ら全員ボケだからな！ 盧綰…一番突っ込みしそうな役人があの体たらくだし。 夏侯嬰…場が引き締まったぜ。 周勃…俺も突っ込みを学ぼう。 蕭何…貴様らの低俗な日常の指摘は突っ込みじゃないのか！ 曹参…もう黙れ…

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周苛…とんでもないアホ連中に仕えてしまったと痛感した。 周昌…堂々たる直言突っ込みという持ち味を磨いてこれからも頑張ってほしい。

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張良「生きてたか項伯！」 項伯「お前もな子房！」 張「何の用だ？」 項「お前らが言ってる場合じゃないだろうが！」 張「やっぱり項羽殿は？」 項「見て分かるだろ、あの怒髪天」 張「…あの気、もしや項羽から発せられてるのか？」 項「他に誰ができると思う？」 張「…」 項「私と共に逃げよう！」

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張「…それはできない。項伯」 項「お前ほどの男がそんな劉邦とやらに魅せられているのか!?」 張「一度会ってみないか？」 項「そんな暇など！」 張「絶対に、損はさせんよ」 項「…」 劉邦「…」 張「劉邦殿！私の親友をご紹介いたす」 項「項伯という」 劉「やあ項伯さん…」 張「どうしました？」

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劉「…なんか尻が痒くてよ」 張「どの辺？」 項「!?」 劉「変なもん食ったかな」 張「極めつけの変態に食われた食材に失礼です」 項「…」 劉「あ！きた！」 張「もしや肛門周りですかな？」 劉「そこだ！」 張「汚いでしょう項伯？」 項「」 劉「肛門が、痒い」 張「！！」 劉「!?」 張「ふざけるな」

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張良…劉邦のくだらないを超越したボヤキに思わず尻を本気で蹴り上げてしまった。ややウケで。 項伯…いったい私は何を見せつけられてしまったんだ？ 劉邦…あの怒髪天の禍々しい気が怖くて怖くて尻が痒くなっちまったんだよ、項伯さん…

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項梁「なに？あの季布が我が軍に加わりに来ただと？」 項羽「季！布！」 范増「季布殿とな？」 梁「おうよ范増！季布といえばなあ！羽よ！」 羽「一諾！百斤！」 范「…といいますと？」 梁「奴は容易く男の下につく野郎じゃねえが、一度首を縦に振って男の一諾した時にゃ必ずやり通す大した野郎さ！」

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羽「一諾！千金！」 范「それはさぞかし頼もしい男なのでしょうなあ」 梁「これ鍾離眜！季布を連れてきな！」 鍾離眜「ただいま！」 范(さてどんな男か) 季布「同郷の雄、項梁殿に項羽殿！一諾の季布！遅参いたしました」 范「!?」 梁「どした？」 羽「亜？父？」 范「…一諾の季布殿はたいそう首が」

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季「太かろう？」 范「太すぎませぬか？」 季「何を言う老爺！これほどの首でなければ百斤もの値打ちがある訳なかろうが！」 范「はい？」 梁「季布！ここにてめえの黄金百斤を用意した！」 季「お見せいたそう！」 范「？」 季「！！」 范「!?」 季「一諾！！」 梁「持ち上げたな！」 羽「見！事！」

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項梁…秦反乱軍一番の雄。彼の才略はもちろんだが、なんといっても甥っ子項羽のヤバさで負け知らず。 項羽…西楚の覇王も下積み中。とはいえこの頃から人間離れした力や何やらで下積みもへったくれもない化け物。覇王だからね。 范増…楚軍名物軍師爺。なんでこの叔父甥コンビの所に来ちまったのかな？

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鍾離眜…荒っぽすぎる野郎どもの中では比較的常識人っぽい将校。こういう奴が一番損するんだよね。 季布…一諾千金と謳われるほどの信義の持ち主。その由来は黄金百斤(50Kg)を首の一諾だけで持ち上げる異常に太い、太すぎる首にあり。

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周勃「おい、劉兄い！あの陳平とかいう野郎は何者だ！」 灌嬰「あの者は魏でも楚でも役に立たなかったばかりか、兄嫁と密通すると噂されておりますぞ！」 劉邦「けしからん」 盧綰(兄いが言うな) 樊噲(全くだ) 灌「それどころか収賄を取り、恣意的な人事をしている始末！」 劉「魏無知の無知野郎が…」

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劉「おら魏無知！陳平の不品行で野郎どもから不満が出てんぞ！」 盧(兄いが他人の品行にケチつける日がくるとは) 樊(信じられん) 魏無知「それは殿が陳平について無知なのです」 劉「なにい？」 魏「あの者に徳だの品行を求めるなど無知も無知！陳平に求めるは才のみしか私は知りませぬ！」 劉「ふむ」