神奈川県議会、2011年12月7日本会議一般質問、大都市制度についての黒岩祐治知事の答弁。
- 24mizushima
- 3929
- 0
- 0
- 12
質問(要旨)
横浜市・川崎市は県域からの独立を表明し、来年秋以降国に提言する予定だ。そうなると県の財政運営に大影響を及ぼす。政令指定都市は「暫定措置」として施行され、約50年以上見直されていない。大都市特有の行政需要を迅速的確柔軟にできず、大都市に見合った財政措置がなされていないという問題が生じている。
県と政令指定都市との役割分担を詳細に精査し、二重行政の排除、スリム化が求められる。また、環境問題など、県域を越えた連携も必要である。
そんな中、大阪で大都市制度についてひとつの回答が出された。そこで知事にお伺いする。大阪の結果について御所見を。そして、自治体の役割分担に関して御所見を。
答弁
大都市制度について、お尋ねいただきました。まず、今回の大阪府・大阪市の選挙結果の受け止めかたについてであります。私が一番評価したいと思ったことは、投票率の高さであります。市長選挙では前回より17パーポイントも高く、また知事選挙でも約4ポイント高くなって、府民市民の皆様の関心を集めた、ということは非常に良かった、と思っております。
また、私は「地域のことは地域で決める」という地域主権を進めるべき、と考えております。そういう意味で今回の選挙は、大阪を変えようとする皆さんの気持ちが「大阪都構想」を掲げる候補者への票として示されたものと受け止め、評価したいと考えております。
次に、本県にとってのそれぞれの自治体の役割の整理と、横浜市・川崎市が目指す「県域からの独立」に対するお尋ねについてであります。本県は従来から、住民に身近な事務は基礎自治体である市町村ができる限り担い、高度な医療や広域的防災対策など、基礎自治体が担うことは難しい事務、広域にわたる事務は広域自治体である県が担うことを基本的な考えかたとして取り組んでおります。
こうした考えかたは、県と同等の権限を一部有する政令指定都市においても、基礎自治体という面では同様であり、引き続き政令指定都市を含めた市町村の行政機能の充実強化に向けた取り組みを進めて参ります。
また、政令指定都市が県と同じ権限を持って独立することについては、ひとりの市長に、権限がこれまで以上に集中するなどの弊害が生じるのではないかという議論や、住民自治の面から、大規模な基礎自治体は住民との距離が離れてしまい、その機能を果たせないのではないかという議論もあります。
現在横浜市は政令指定都市7市による共同研究や有識者による研究会を設置し、さまざまな議論に対して制度的な検討を行っていると承知しており、こうした研究を進めることは、地域主権を考える上で大変意義のあることであります。ただ私自身、政令指定都市に住む県民から選ばれた知事でもありますので、そうした研究を関心を持って見ていきたいと考えております。答弁は以上です。
再質問(要旨)
知事の考えかたについてはわかった。今までとあまり変わりがないようだ。マスコミによると知事は「都構想は論外」と発言した、という話も聞かれるが。
県域からの「独立」に向けて横浜市が共同研究を行っているが、県としても「情報収集」を行っていくべきではないか。また、研究会やマスコミなどから県に意見を求められることもあるだろう。そこで、来年2月からの地方制度調査会に向けて、将来的な部局横断的な「検討会」を設置して、情報の共有を図るべきではないか。
再質問に対する答弁
地方自治のありかたについてでありますけども、橋下、新しい大阪市長は当選されて「これで大阪府と大阪市の百年戦争が終わった」という会見をされました。それを聴いていて「ああ、これは神奈川とは全く違う話だな」と思いました。それは横浜の林市長も同じ認識であったということであります。