交渉の成立も、交渉の断絶も、どちらも等しく「分かりました」で幕を閉じる

相手の言い分が出そろうはるか手前の段階で「因果関係は認められない」と断言するのは、あれは信頼失う一方なんじゃないかと思える。東電の側に、そもそも交渉に割くリソースがいっぱいいっぱいで、それどころじゃないということはあるにせよ
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medtoolz @medtoolz

交渉の成立も、交渉の断絶も、どちらも等しく「分かりました」で幕を閉じる。往々にして誤解される

2011-12-12 23:26:18
medtoolz @medtoolz

相手の言い分が出そろうはるか手前の段階で「因果関係は認められない」と断言するのは、あれは信頼失う一方なんじゃないかと思える。東電の側に、そもそも交渉に割くリソースがいっぱいいっぱいで、それどころじゃないということはあるにせよ

2011-12-12 23:27:23
medtoolz @medtoolz

お互いが観測したある事実の元に、お互いの見解をぶつけ合ったところで、土台になる事実が共有されていないのならば、それは交渉じゃない。共有の第一歩は相手を認めることであって、「それは違います」という言葉が、より詳しい側から出てしまうと、交渉断絶のフラグが立つ

2011-12-12 23:28:59
medtoolz @medtoolz

風邪の症状を訴えて病院に来た患者さんがいたとして、「1週間前に友達から海外の薬草をもらったんです」なんて申告があったとして、のっけから「それは関係ないと思います」というのは、本来はいけないんだろうと思う。時間がないからよくやるんだけれど

2011-12-12 23:29:53
medtoolz @medtoolz

相手の言い分を聞くというのは交渉の始まりであって、相手の側が、どんな事実を観測し、それを元に自分に起きたことに対してどんな見解を持っているのか、土台になる事実と、それに基づいた見解を出してくれただけでも、それはすごくありがたいことだと思わないといけない

2011-12-12 23:30:51
medtoolz @medtoolz

事実関係を、せっかく開陳してくれた相手に、「それは関係ないと思います」とか、「それに因果関係を認めることはできません」とやってしまうと、そこから先の、相手の見解形成それ自体を無意味なものにしてしまう。見解の出現前にそれを潰すと、あとはもう、感情の応酬以外の手段が無くなってしまう

2011-12-12 23:32:04
medtoolz @medtoolz

不快な感情とか、あるいは「お前はこうあるべきだ。そうでないから不愉快だ」みたいな決めつけをしてきた相手に、まずは相手がどんな事実に基づいて、どんな見解を組み立てた結果としてそういう行動に出たのか、それを聞き出すのがこじれた交渉を元に戻す役に立つ

2011-12-12 23:33:12
medtoolz @medtoolz

共有された事実を元に、お互い異なった見解をぶつける、「見解の相違」という状態は、感情の応酬に比べれば、はるかに穏やかで生産的な関係であって、「交渉の勝利」ではなく、まずは「見解の相違」を目指すのが、恐らくは交渉を成功裏に終わらせる秘訣になる

2011-12-12 23:34:11
medtoolz @medtoolz

原発の対応はそういう意味で、せっかく「観測された事実と、それに基づいた見解」の形で東電側に疑義が提出されているのに、その足下を刈りにいってしまっている。結局これは、「あなたの言葉を聞く意志はありません。言葉でなく、感情や力でどうぞ」というメッセージになってしまう

2011-12-12 23:35:42
medtoolz @medtoolz

地震の足下になった事実を「関係ない」と否定された人が、こんどはじゃあ、より「理性的である」ことを自称する人が観測した事実と、それに基づいた見解とを素直に聞いてくれるかといえば、そんなわけがない。否定されたんだから、「どうせお前は嘘をついている」と、断絶を宣言することになる

2011-12-12 23:36:50
medtoolz @medtoolz

聞くというプロセス無しの、因果関係の否定という態度は、よしんばそれが科学的に正統であったのだとしても、交渉の態度としては間違っている。今東電を面罵している人は、無知だから面罵しているのではなくて、面罵以外の方法を、東電の側から全て切られたからこそそうせざるを得なくなっている

2011-12-12 23:38:21
medtoolz @medtoolz

あれはたぶん、提出された事実に対して、まずは額面どおりにそれを受け取ってから、今度はそれを、東電の見解に基づいて調査し、結論を返すべきなのだと思う。同時に今度は、東電が把握している事実を提出して、彼らの論理でそれを評価してもらう

2011-12-12 23:39:27
medtoolz @medtoolz

お互いの足下にある事実を、お互いの思考プロセスに基づいて見解を作ることが、お互いが理解し合うということなのだと思う。見解の一致は、たまたまそうなった珍しい事例であって、必ず目指すべきゴールとは違う

2011-12-12 23:40:23
medtoolz @medtoolz

今の被害者の人達に対する東電側の対応は、交渉の、はるか手前の段階で拒否のメッセージを前面に押し出していて、いくら人が足りないとは言え、あれは危ないと思う。ああなるともう、どれだけの情報を開示しても、全く信じてもらえない

2011-12-12 23:41:38
medtoolz @medtoolz

「これは放射線障害ではないのか?」という疑問に対する暫定的な正解は、「もしもそれが放射線障害であったのならば」という事実の受け止めと、「それならば他にもこういう被害が予想される」という、受け止めた事実に対する東電側の見解表明なのだと思う

2011-12-12 23:44:06
medtoolz @medtoolz

「これは放射線障害ではないのか?」という疑問に対する暫定的な正解は、「もしもそれが放射線障害であったのならば」という事実の受け止めと、「それならば他にもこういう被害が予想される」という、受け止めた事実に対する東電側の見解表明なのだと思う

2011-12-12 23:44:06
medtoolz @medtoolz

それを提出することで、ようやく今度は、「じゃあ、東電側はどんな事実を持っているんだ?」という話になって、それに基づいた、相手方の見通しが示される。あとは調べればいい。調べて矛盾が出て、その矛盾をどうすれば解消できるのか、そこで初めて、足下の事実に対する見直しが行われる

2011-12-12 23:45:14
medtoolz @medtoolz

遠回りなんだけれど、「それは事実の認識が間違ってます」とか、「それは科学的な味方とは異なります」といわれても、たいていの人は「はいそうですか」にはならない。受け止めて、矛盾がどこに生じるのかを示してようやく、事実の認識を変えよう、という動機が生まれる

2011-12-12 23:46:30
medtoolz @medtoolz

「ある事態を観測した、それに対して何らかの懸念を感覚した」ということは、これはもうその人の努力そのものであって、努力は絶対に否定されてはならず、何らかの形で、どこかに貢献する場所を作らないといけない。面倒だけれど、それは受け止める東電側の仕事であって、

2011-12-12 23:48:02