伊達政宗のお正月

『木村右衛門覚書』、輝宗の正月書付等より
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祥子 @shokotokiwazaki

伊達家というか伊達政宗のお正月 政宗は御座の間に小袖裃姿でその年の「明きの方」(恵方)に向かって正座し、自身で墨を磨り新しい筆で書き初めをする。例年決まった文言と元日の詩歌発句と年号日付、花押を書き入れる。

2023-01-01 19:02:23
祥子 @shokotokiwazaki

普段は御座の間で食事をすることは無いが、元日の朝は内々の祝儀のため御座の間での食事となる。終わると朝五ツ程に伊達家の吉例である白綾に裏地が浅葱色の桐と菊の紋付、長袴を身につけ鎬藤四郎、景秀を佩いて御座の間正面に着座する。

2023-01-01 19:03:56
祥子 @shokotokiwazaki

ここで政宗子息たちの奏者(取次)による挨拶と盃事。この座の末席に茂庭了庵(綱元)、快庵(医師)、法橋(連歌師)を座らせた。終わると大広間へ。正面に着座し忠宗、宇和島伊達家、岩出山伊達家の名代、一門、一家、一族が順に着座すると雑煮が出され盃事をする。

2023-01-01 19:04:44
祥子 @shokotokiwazaki

二番座三番座も同様。その後侍衆他が挨拶をし、終わると政宗は着替えて御座の間に戻る。女中方の挨拶がある。→奥へ入り御座正面に着座→姫君方の名代の挨拶、盃事→着座の衆より御礼があり、雑煮を食べ盃事をする。

2023-01-01 19:05:53
祥子 @shokotokiwazaki

江戸にいる場合はその後正室に挨拶に行く。上座には正室が座る。これは愛姫が坂上田村麻呂の家系ゆえ。それよりニ間ほど下がった客座に政宗は座り、雑煮の膳も愛姫から先に箸を付ける。 祝儀事が終わると着替えをし夕膳を食べる。この作法は毎年少しも変わらず行うものである。

2023-01-01 19:08:13
祥子 @shokotokiwazaki

盃事は輝宗の『正月仕置之事』によると「式三献」←肴の膳を出して酒を三度勧める。これを一献と数え、膳が変わるたびに初献・二献・三献と三度繰り返す。 三々九度ってやつでしょうか?めっちゃ呑みます。

2023-01-01 19:11:29
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月② 輝宗が政宗のために書いた『正月仕置之事』によると1月2日は「買い初め」です。 "かいそめとて、町へ代物五十差越、米、鹽、あめ、おこし、米かい候(原文ママ)" 初売の語源という説もあるらしいです。

2023-01-02 08:01:10
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月③ 三日 「灰寄せ」 御野始め。鷹狩、追鳥狩をする。 戦場での習いに準じて、雉は必ず生きたまま捕え首を抜いて献上する。「一番首」より以下銀錢を賜る。

2023-01-03 00:36:20
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月④輝宗の『正月仕置之事』 "四日 らう人しゆ出仕、八幡殿より書状参候、進物ニは茶百袋、こなたよりハ返状ニ板物まかり候、朝にてふろ入候、かみはあらはす候、ちやのひきそめ、おとしおとこか申候、"

2023-01-04 00:06:31
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月⑤輝宗の『正月仕置之事』より "五日 れいしゆ、七種之発句、今日よりも出候、" 連歌は七日からと思っていたのですが五日からということでしょうか。 『木村宇右衛門覚書』には四日から七日まで記載がありません。

2023-01-04 19:22:57
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月⑥輝宗『正月仕置之事』 "同れいしゆ、又りうほうし(龍寶寺)へ年始参候、五献肴にて御酒、れんか(連歌)一しゆんふれ、今日さいへん一二句まてもすみ候、"

2023-01-06 00:32:47
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月⑦ 輝宗の『正月仕置之事』より "七日 れんか(連歌)、りうほうし(龍寶寺)、ちやうせんし(定禅寺)より今日御出候ゆへ、御しゆ参候、同しき三こん、れんか座にて、りうほう(じ)、ちやうせんしへほうし参候、"

2023-01-07 00:00:12
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月⑧ 八日 「御隠居の御弔い」御所的(まと)。 弓太郎(射手の頭)・弓次郎(射手の頭に次ぐ者)は、その時の家中の腕の良い射手が勤めた。(政宗の時代)以前には代々決まった家の者がいた。射手は12人烏帽子素襖姿で射場の両向かいに6人ずつ、

2023-01-08 00:00:01
祥子 @shokotokiwazaki

控える。弓太郎・弓次郎は上座に。 それぞれ1人ずつ出て立ち合い、射る。 出る時には互いに一礼をし弓・的・矢を鹿の毛皮の引敷を両手に持ち弓を射る時皮を広げその上に立って射る。 (射場、ルールの説明は省略します)

2023-01-08 00:07:31
祥子 @shokotokiwazaki

多く的に当てた者には御前にて燗の酒を下される。下がる時には弓十挺矢一本に、弓の弦が十筋入った漆塗の曲物を頂戴する。外した者には褒美はなく、冷酒を下されて退出する。 おしまい。

2023-01-08 00:11:51
祥子 @shokotokiwazaki

輝宗が政宗の為に書いた『正月仕置之事』より。 八日しんきやうゑ(心経会)入申候もの共、別而日記ニ申候て進之申候、れいしゆ二は、りうほう寺之しゆと中出仕、晩ニまとくちとり候ニも、御しゆ、後に三こん、御しゆ参候、つゞ申候者ニハ、うるし一盃、かうし十てう、あふき一本

2023-01-08 00:18:06
祥子 @shokotokiwazaki

いせんは弓のつる一丁つゝそへ申候と承候、あかし五てう、布施備後守所より参候、かへしニは八幡殿参候茶三十袋まかり申候、 引用終わり。 「つゞ申候者ニハ」から、どうにも分からなくてそのまま引っ張って来ちゃいました……(^_^;

2023-01-08 00:23:30
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月⑨輝宗の『正月仕置之事』 "九日 以前ハしやく成ゆへ、野に出候由申候、しやくゆへれいしゆなし、" 全然わかんないっピ しやく=陰陽道における赤口(赤口日。しゃくにち)で出仕を控える日だから誰も来ないってことかな⁇

2023-01-09 00:13:04
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月⑩ 輝宗の『正月仕置之事』より "十日 れいしゅ(礼衆)一三昧" 一三昧=いっさんまい。仏教用語。雑念を捨て去り一心に修行をすること。 訳:挨拶に来た人々の接待に専念するべし。

2023-01-10 00:03:18
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月11 『正月仕置之事』より 八幡殿出仕。談合初め。八幡殿の御造営、大手搦手の用心。 「いさこせき」という謎の語句がどうしても分からず……。

2023-01-11 00:20:00
三浦介 @miurano_suke

@shokotokiwazaki @kotosakikotoko 砂子堰のことではないでしょうかね?

2023-01-11 00:42:30
祥子 @shokotokiwazaki

@miurano_suke @kotosakikotoko ありがとうございますm(_ _)m 全く分からなくて調べて来ました。伊達の逆さ水。知らなかった……!これが去年からずっと気になっていまして、スッキリしました🙏✨✨✨

2023-01-11 00:49:16
三浦介 @miurano_suke

@shokotokiwazaki @kotosakikotoko 記事を読まれるとわかると思いますが、今、世に言う砂子堰は上杉領時代の物で、それ以前のことは不明らしいです。でも確か「塵芥集」にも砂子堰と思しい記述があるとかで、昔から原型があったのではないかと遠藤ゆり子さんか誰かの論文で読んだことがあったような…あやふやですみません<(_ _)>

2023-01-11 09:35:38
三浦介 @miurano_suke

@shokotokiwazaki @kotosakikotoko 記述見つけました。南奥羽史戦国史研究会編の『伊達政宗 戦国から近世へ』(岩田書院 2020)所収の遠藤ゆり子氏の「戦国大名伊達政宗の村・町支配」でした。で、塵芥集ではなくて祥子さんと同じ「伊達輝宗正月行事覚書」が元ネタでした。

2023-01-11 11:15:06
祥子 @shokotokiwazaki

伊達家のお正月12 輝宗の『正月仕置之事』より "十二日 れいしゆ計"

2023-01-12 00:59:03