まだらのユーキ コメンタリー

劉度 @arther456

まだらのユーキ　～鎌倉魔寇見聞録～ - カクヨム kakuyomu.jp/works/16817330… ３連休の夜ということで、先日第一部が完結いたしました拙作の感想戦、いわゆるコメンタリーというものをやっていきたいと思います。今夜は基本コンセプトとキャラクターのお話。

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過去の投稿一覧はこちらから。 togetter.com/li/2270277

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事の発端はこのツイート。６年も前の話ですが、案外ウケが良かったので脳内にストックしておき、時々ネタを追加して楽しんでおりました。たまに変形して『元寇vs鎌倉武士vsプレデター』なんかになったりもした。 twitter.com/arther456/stat…

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元寇の論功行賞に困った北条時宗が、偶然異世界につながるゲートを発見し、鎌倉武士たちを送り込む地獄系ラノベ 「異世界、切り取り次第」

2018-10-11 12:28:46

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転機が訪れたのは『洒落怖チェーンソーデスマッチ』の長編シーズンが終わった時。ちょうど11月の半ばで、12月から始まるカクヨムコン９に合わせるには丁度いいタイミングだったのです。あと、次の長編シーズンのプロットが練り切れていないので、その時間稼ぎの面もありました。

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最初は魔王軍vs鎌倉武士の戦記ものをやろうとしましたが、どう考えても字数が多すぎるし執筆期間が足りない。そこで異世界に鎌倉武士が逆侵攻をかけた時期にスポットを当てて、魔界の生物や人々が乱入してきた鎌倉武士たちに振り回される様を書こうと思いました。

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鎌倉武士が魔界を旅して暴れまわるロードムービー。世界と鎌倉武士のハチャメチャ度合いを同時に出せる。これならいける。 問題は主人公。どうせなら実在人物を主人公にしてインパクトを出したいのですが、この時代にそこそこの年齢で旅ができるほど身軽な武将がいるわけが pic.twitter.com/ik7oGKk2x9

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結城宗広(1266-1339)。物語当時16歳。弘安の役で幕府軍の援軍を率いてた宇都宮貞綱と同い年。知名度に関しては、天下の週刊少年ジャンプで連載中の『逃げ上手の若君』で急上昇中。よっしゃあノッたろ！ついでに外見年齢３歳くらい少なくして趣味に合う外見にしたろ！

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で、旅の相方はツッコミが入れられる現地魔族がいい。でもユーキは鎌倉武士の中でも特にアレだから、一般的鎌倉人が欲しい。そうだ、元寇では壱岐と対馬で地元民が大量に攫われてたな。それと同じ流れで奴隷にされた鎌倉人を出そう。鎌倉人って言いづらいな、カマクランでどうだ。

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捕まった奴隷がいるなら、これを日本に連れて行けばお礼が貰えそうだな。よし、これを話の主軸にしよう。カマクラン奴隷を連れていたヒロインが鎌倉武士と出会って、カマクラン奴隷を売り払うために東の果てまで旅をする。クライマックスは追撃部隊との決戦だ。 こんな感じで大筋が決まりました。

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ここからは主要なキャラクターの話。

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【ユーキ】 結城宗広。さっきも言った通り主役。鎌倉武士というよりは南北朝武士に近い。太平記における『毎日人の生首を見ないと気が済まない』という話から設定を組み立てていきました。最初に思いついたのは、死体を見ないと自分が生きているかどうか自信が持てないんじゃないか、というもの。

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つまりとんでもない大虐殺から辛うじて生き残ったという背景。しかしそんな都合のいい大虐殺が歴史上に存在してるわけが……あるねえ！？北条時宗が異母兄の時輔、名越時章・教時を忙殺した二月騒動が起こってるねえ！？しかも時輔生存説なんてちょうどいいものもあるねえ！？ ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C…

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まあ流石に赤マフラーをそのままやるわけにもいかないので、当初は二月騒動に巻き込まれた結城家の子供にするつもりでした。 ……ただ、この時に謀殺された時輔の妻が小山長村の娘。長村の妻のひとりが結城朝広の娘。そして朝広の孫が……うん、まともに描写したらめんどくせえ事になるなこのネタ！

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ともあれ家族や親戚が族滅されては人間不信に陥るでしょう。その結果、人を殺さないと自分の命を実感できずに不安になるし、人が死なないと機嫌が悪くなるというキャラ付けに。うーん、これは血塗れのショタ。そして旅の途中でヒロインがユーキの心を少しだけ癒やす、という筋書きも加わりました。

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強さとしては、現時点では一般的な鎌倉武士と同程度。技量は有名どころに迫りますが、鎧を着ていないので実際に打ち合ったらすぐ死ぬくらいの塩梅です。それでも武士崩れの悪党や、一般魔族兵くらいじゃ太刀打ちできない実力。このレベルが数万人単位で押し寄せてきている魔界はもうダメかもしれない。

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【スツェリ・ヘッセン】 こっちはヒロイン。当初は匂いフェチのワーウルフ傭兵だったのですが、プロットを組んだら１話で首を飛ばされる未来しか見えずに頓挫。じゃあ誰をヒロインにすればいいんだ！？首を狙われても軽く防げる……いや、そもそも首を斬られても問題ない……せや！デュラハンや！

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というわけで女デュラハンの傭兵になりました。ユーキほど背景を緻密に作ったわけではなく、話の都合で過去やスキルが生えたりしています。一番しっかりしているのは性癖。ギャグなだけでなく、育ちきった男性はどうしても偉大な父親と比べてしまう心情の表れでもあります。いやダメだろ。

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物語の役割としては、魔界の説明役。 イベントが起きる→スツェリが解説する→それはそうとユーキが出て殺す→うわぁ……。 というのが話の基本的な流れになりました。 あと、ユーキの心を解きほぐすのも彼女の役割です。たまに好感度をダウンさせていますが……。

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強さとしては、一般鎌倉武士や爵位持ちの魔族には少し劣る程度。ただし戦歴が長いのと、豊富な隠し玉で、荒れた戦場や相性有利な戦いなら大物食いも狙えます。特にアンデッド相手なら無双。ユーキの活躍が霞まない程度の強さ、と考えてもらえると助かります。

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【彦三郎】 モデルは元寇で誘拐された壱岐と対馬の農民。魔王軍もぶっつけ本番で異世界ゲートを開くわけがないと考え、試験でゲートを開けた時に捕まったという設定になりました。その後は農奴として働いていましたが、カマクランの侵略で持ち主が困窮して売却されることに。

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奴隷商のアーダマに買い取られ、魔王国東部から中央へ運ばれてる途中に隊列がオーガの襲撃を受ける。そこで囮として取り残され、窮地に陥った所でスツェリとユーキに助けられた、というのが第１話までの背景となります。そのため２人に対しては、２人が思っている以上に恩義を感じています。

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農民ではありますが気が利く人で統率力もあり、彼がいなければ旅は最後まで続けられなかったでしょう。没設定としては対馬の善児とか、対馬地頭の宗家の庶子とかも考えていましたが、特に描かれることもなく無事に日本に帰っていったようです。

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……ただ、魔族に捕まってから１年経ってるわけで。家族や親戚が守っていてくれればいいのですが、売り払われていた場合は大変です。そもそも１年放って置かれた田畑を復活させるのも大変で……。 ひょっとしたら、魔界に戻ってくるかもしれません。

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本日はここまで。次回からは各話を追いつつのコメンタリーになります。

劉度 @arther456

マジで執筆が止まってるから、コメンタリーで気分転換しようと思います。 今回は各セクションのコンセプトのお話 まだらのユーキ　～鎌倉魔寇見聞録～ - カクヨム kakuyomu.jp/works/16817330…