出版業界の構造不況の問題

出版社と書店は、書籍ではなく雑誌を売るのよね。
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砂手紙 @sandletter1

1・「取次」と「再販売価格維持制度」に関して若干の誤解に近いものがあるので少しここで補足しておきます。まず、出版社と書店の間にある「取次」という存在その他は「雑誌・定期刊行物を日本全国同じ日に、同じ値段で売る」ために作られたものなので「書籍」の販売にはうまく適応していないんです。

2024-02-15 23:24:56
砂手紙 @sandletter1

2・つまり、書籍に関しては、値段はともかく発売日に関しては数日の幅で誤差がある。そして、「出版社」も「書店」も、「雑誌を売るための組織」として高度成長しました。だいたい20世紀の末ぐらいまで。だから、「出版不況」というのは、雑誌が売れないことによる構造不況なんです。

2024-02-15 23:25:53
砂手紙 @sandletter1

3・電子書籍が儲かるようになる前、大手出版社、たとえば講談社は第70期(平成19・12・1~同20・11・30)、2007年に当期純損失76億8600万円というありさまで、倒産していてもおかしくない数字。なんで「雑誌」に力を入れられたかというと、広告媒体として企業が利用していたため。

2024-02-15 23:26:23
砂手紙 @sandletter1

4・売れる雑誌、ただし売れすぎない程度の雑誌を作れば、広告費がどんどん入るわけね。100万部の雑誌ひとつより、世代別・生活環境別に分けた20万部の雑誌5つのほうが儲かります。だからもう、「本が売れない」から、というのが出版不況の理由じゃないんですよ。

2024-02-15 23:26:57
砂手紙 @sandletter1

5・「雑誌が売れない」、そして今後も広告媒体として復活する可能性がない、という環境。週刊新潮とか文春とか、もうペラペラの薄さですよね。かつては月刊アスキーなんかは広告で分厚くなりすぎて、第三種郵便物として認められなかったわけね。

2024-02-15 23:27:47
砂手紙 @sandletter1

6・出版社がこの先生き残る方法は、そんなわけで「IT関連企業」になるしかない。ゲームとか映像も含めた総合娯楽産業会社です。KADOKAWAが儲かってるのは広告収入じゃなくて、ELDEN RINGと新海誠のアニメがあるからなんだ。漫画を出してる大手出版社も電子書籍の時代がなかったら経営苦しかったはず。

2024-02-15 23:28:25
砂手紙 @sandletter1

7・個人的には小学館は、昭和30年代に漫画に手を出さなかったら、規模としては福音館書店規模の、良心的な児童書を出版する会社になっていたんじゃないかと思う。

2024-02-15 23:28:49