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【追記】原作、すがやみつる先生からのコメント
マンガ家すがやみつるのTwitterアカウントです。『ゲームセンターあらしと学ぶ プログラミング入門 まんが版こんにちはPython』(日経BP)/『コミカライズ魂』(河出新書)/Kindle オリジナル電子書籍も多数発売中!
私がペンネームで原作を担当していたマンガ『マイコン刑事』(「月刊少年チャンピオン」、1982~85、原作・鷹見吾郎、作画・下條よしあき)の作画ミスが盛り上がっています。 このマンガは、私が石森プロで『仮面ライダー』などのコミカライズをしていた頃、「冒険王」の編集長だったNさんからの依頼で始めたものです。依頼されたときNさんは青年誌「プレイコミック」の編集長で、その雑誌の連載用として依頼されたものでした。 作画の下條さんは、その直前まで「プレイコミック」で連載していた『雨の朝サブは』という人気ボクシングマンガ(原作・梶原一騎)が終わったばかりで、その下條さんの次の作品の原作者として、私に白羽の矢が立ちました。 1982年のことで、『ゲームセンターあらし』がアニメになったり、『こんにちはマイコン』の企画書を「コロコロコミック」編集部に持ち込んだり、この年に創刊になった「コミックモーニング(現・モーニグ)」では『オフコン・カンパニー』というOAマンガの連載画スタートしたり。自分のマンガが月産300ページくらいある中での原作連載のスタートでした。 初回は「プレイコミック」連載を意識して、ちょっと地味目な人情噺のベースになるようなものを……と思ってシナリオを書き上げたら、N編集長は、その原作を持ったまま「月刊少年チャンピオン」に異動。『マイコン刑事』も、そのまま同誌で連載されることになりました。 「脇を固めるマンガのつもりで、少し地味目に書いたんですが……」とN編集長に話したら、「少年誌に脇を固めるマンガなんかないよ。すべてのマンガがトップを狙うんでなけりゃ。ドーンと派手にいってよ」というので、「西部警察みたいな感じでもいいんですか?」と確認すると、「そうそう。あの調子でドンパチやって。『ゲームセンターあらし』みたいに勢いのあるヤツで頼む」とのこと。それならと、第2話からは、当時は珍しかった「ネーム原作」になりました。文字だけで書くシナリオだと、ついセリフも多くなり、リクツっぽくなってしまうからです。 原作のコンテを描き上げ、編集者に渡したら、あとはおまかせでした。ゲラも見たことがありません。他の雑誌でも原作をやっていましたが(週刊少年マガジン『シェリフ』〈マンガ・真樹村正〉、月刊少年マガジン『デッドヒート瞬』〈マンガ・もろが卓〉、その他、無償名のゴーストライターでの連載も)、当時の原作者は作画のチェックまですることはありませんでした。 それでも人気は上位で、だからこそ3年も連載がつづいたのだと思います。無茶な設定もありましたが、そのあたりは「確信犯」です。この『マイコン刑事』の原作を書くかたわらでBASIC入門マンガの『こんにちはマイコン』の描き下ろしもしておりました。 『マイコン刑事』は、現在、単行本未収録だった原稿も含めて電子書籍になっているわけですが、これはマンガを担当していた下條さんご自身がまとめています。電子書籍の編集者をしていて、クリスタやDTPソフトをバリバリと使いこなし、デジタル化にトライするマンガ家さんたちの手助けもしています。それだけでなく、いまもクルマやバイクやSLなどを描いていますが、資料もなしにスーパーリアルな素晴らしい絵を描いてしまいます。 当時は「マイコン」に詳しくなかったので、フロッピーの表現などでミスが起きましたが、現在、日本マンガ学会にも所属し、マンガ史を研究している人たちもたくさん見ていると、ミスはミスで、そのまま残しておいてほしいなと思っています。私も自作マンガの復刻や電子書籍化では、コンプライアンス上の問題などで現在の基準にそぐわないものを除いては、極力修正しない方針を採っています。 下條さんの考え方もあるでしょうが、原作者としては、このように考えています。 ちなみに原作付きマンガの場合、著作権法的には、原作が原著作物で、マンガは二次的創作物になります。マンガのために描き下ろされた原作なら、マンガ家さんとの共同著作物でいいと思っているんですけどね、個人的には。 インターネット老人どころか、インターネット石器人からのコメントでした。 **** 昔の漫画のパソコン描写、勢いはすごいのに清々しいほど全部間違っててインターネット老人からツッコミの嵐 togetter.com/li/2317620 #Togetter @togetter_jpより
2024-02-20 10:09:55この部分を引用している方がいて、読み直したら、ちょっとわかりにくいので、修正しておきます。 訂正前〉 当時は「マイコン」に詳しくなかったので、フロッピーの表現などでミスが起きましたが、現在、日本マンガ学会にも所属し、マンガ史を研究している人たちもたくさん見ていると、ミスはミスで、そのまま残しておいてほしいなと思っています。私も自作マンガの復刻や電子書籍化では、コンプライアンス上の問題などで現在の基準にそぐわないものを除いては、極力修正しない方針を採っています。 〈訂正後〉 当時、下條さんは「マイコン」に詳しくなかったので、フロッピーの表現などでミスが起きました。しかし、現在、日本マンガ学会にも所属し、マンガ史を研究している人たちもたくさん見ている 原作者(すがや)の立場からは、ミスはミスで、そのまま残しておいてほしいなと思っています。私も自作マンガの復刻や電子書籍化では、コンプライアンス上の問題などで現在の基準にそぐわないものを除いては、極力修正しない方針を採っています。 ちなみに下條さんは、現在、バリバリのクリスタ使い、DTPソフト使いで、たくさんの同業者の皆さんに、これらのアプリの使い方を指導しています。
2024-02-20 10:56:20『マイコン刑事』も含めた すがやみつるの原作作品や原作執筆法に興味を持たれた方は、こちらのKindle書籍をご覧ください。 amzn.to/3PVApZJ pic.twitter.com/9xEYmIWoJv
2024-02-20 10:15:35@msugaya やはり衝撃だったのは、ポケコンを手裏剣のようにテロリストに投げつけて攻撃するシーンですね。マイコンを武器(物理)にする刑事!
2024-02-20 13:26:41@msugaya 貴重なお話ありがとうございます! ゆでたまご先生なども「俺たちだって『巨人の星』で小学生の花形満が自動車運転してたりしたのを散々笑ったじゃないか」と重版されてもあえてそのままにしてるそうです。 こういうツッコミどころも含めて楽しいのがマンガだというお考えなんですね。
2024-02-20 10:54:13@msugaya 90年代初頭に土須課長のMS-DOSとか蓮田一二三のLotus 123とかが出てくるパソコン指南漫画を読んだことがありますが、あれもすがや先生の原作でしたね。
2024-02-20 12:25:13@msugaya もうちょっと待てば新型マイコンが発売されて現行機が投げ売りされる、というトリックを使った話をよく覚えてます。MSX登場の頃ではなかったかと。 ポケコンで銃弾を受け止めて助かったとか、結構ワイルドな作品でしたね。
2024-02-20 10:44:55@msugaya 個人的には懐かしく、そして楽しく想像しながら読んでます。 FDドライブが結構正確なのにFDの持ち方が面白いから、先生が資料写真ドライブは渡したけど規格に合ったディスクの資料は一緒に渡さなかったのかな?とかw そもそも、荒れた時代だったとはいえ、あそこまで無茶な犯人いる筈ないしw
2024-02-20 13:28:08