赤い手は滅びのしるし第5版-血風のアーヴィ- 第19&20話(最終回)

takataka @takataka360

仲間達は皆、彼女が、大切な仲間が失われてしまったと思いました。

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だがしかし、アーヴィはその両脚をしっかと地面に付け、立ち続けているのです。

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「みんな、あれがこっちに来る。戦うぞ！」 アーヴィが吠え、顕現した邪竜ティアマトとの決戦が始まります。

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女王は、その五つの首から強力なブレスを放ち、英雄達は皆、手ひどく打ちのめされます。

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ザフガーの治癒の術で復活したアーヴィは、至宝ファウンダーにより、邪竜の鱗に幾ばくかの傷をつけます。 シギィも魔剣レイザーエッジを翻し、女王に傷をつけます。 エルダンは秘術で大猿に変身し、女王の動きを止めようと拳を振るいます。

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だがしかし、この女王は圧倒的な存在です。 幾たびかブレスを吹き付けられ、英雄達の力は確実に削がれて行きます。

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あと一歩、かの女王には及ばないか・・・

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絶望の空気が流れたその時、大猿の術を解いたエルダンが、切り札を取り出します。

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秘剣ムーンブレード

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エルフに伝わりしその偉大な剣は、死霊王の宝物庫より持ち出したものです。 エルダンは、この秘剣に残る過去のエルフの王達より、密かに秘儀を賜っていたのです。

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秘剣ムーンブレードが煌めき、邪竜の鱗を貫くと同時に、奇跡が発動します。

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それは、顕現したティアマトを押し返す秘術、来訪者送還の術でした。

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ティアマトを不可視の秘術の網が絡めとり、九層地獄へ女王を押し返します。

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女王は、怒りの咆哮をあげます。

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赤い首がアーヴィを、青い首がディードを、白い首がザフガーを、緑の首がエルダンを、黒い首がシギィを睨みつけます。 「許さぬ貴様ら、妾の眼が覚えたぞ。必ずや、そなたら、そなたらの子尽くのはらわたを、妾自ら食ろうてくれる」

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そうして、女王の姿は消え、そして、ティアマトの神殿自身が、儀式の崩壊に合わせるように崩れ始めます。

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「まずい、皆、僕に掴まって！」 エルダンの転移の術により、英雄達は辛くも崩壊から逃れます。

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転移の先は、ブリンドルの街の中、赤のイマースタルの魔法雑貨店の２階の転移陣です。

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そこには、赤のイマースタル、ジャルマース卿、ルマンド卿らブリンドルの首脳陣が待っていました。

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西の空、ティアマトの寺院の方から雷鳴が轟いたため、英雄達に何かあったのならここに帰還するだろうと、 皆、集まっていたのです。

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「皆、とりあえず、竜魔王とティアマトは打ち倒したよ」 アーヴィはそう言うと、疲労のため、ぐったりとへたり込んでしまいました。

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・・・それから暫くあったのち。

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ザフガーは、故郷の魔女の森に帰って行きました。人の街は楽しいが、やはり住むところではないと感じたようです。そして、彼はキキョウを伴って帰りました。いずれ、つがいになったと言う報告があることでしょう。

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ディード姉さんは、フェイワイルドに帰ると言います。お目当てのジャルマース卿がノンケであったため、そちらは諦めたようです。この戦乱で大量の孤児が生まれてしまったため、彼らを妖精界に招き入れ、育てるつもりのようです。

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エルダンは、旅を続けます。もとより、彼は旅の人、この戦いの様子を伝えるのも、大事な仕事です。