『機動戦士ガンダム』感想

私的メモ
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宇多田ヒカルと椎名林檎

河樹 彬 @e_rewhon

『NHK MUSIC SPECIAL 宇多田ヒカル』を観た。自身への質問(シングルマザー、ノンバイナリー絡みを含む)に真摯に答える姿が印象的。回答もまた「誰にも『こうあるべき』なんてない」「正解なんてない」「自分の声に耳を傾ける」etc. 凛としてる。↓>plus.nhk.jp/watch/st/g1_20…

2024-04-25 07:13:30
NHK MUSIC @nhk_musicjp

🎗️#NHKMUSICSPECIAL🎗️『#宇多田ヒカル』 「教えて!ヒカルさん」🧸 放送できなかった10の質問と答えを特別公開✨️ 🔻視聴はこちら! youtu.be/a_H3MyUgP5c さらに、番組は【今夜23:50~ NHK総合】にて再放送! 🔻NHKプラスで見逃し配信中 plus.nhk.jp/watch/st/g1_20… pic.twitter.com/vkZT6eVZYE

2024-04-22 12:00:45
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河樹 彬 @e_rewhon

'98年以降のJ-POPは、宇多田ヒカルと椎名林檎の二人に牽引されてきた。そう言っても過言ではない。齋藤環は二人(宇多田/椎名)をそれぞれ「ひきこもり系/じぶん探し系」に位置づけた。「ヒッキー(オタク)/ヤンキー」である。仲良しで知られる二人だが、両者の作品世界は確かに対照的だ。↓ pic.twitter.com/MkX100RQ0z

2024-04-25 07:13:30
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河樹 彬 @e_rewhon

《自己イメージ(「自分がほしいもの」と言い換えてもいい)が定まらないものは過度にコミュニケーションを志向し、いっぽう自己イメージが定まっているものは…みずからの内的過程に魅了される。…前者を「じぶん探し系」、後者を「ひきこもり系」と命名してみよう》。(『若者のすべて』'01)↓

2024-04-25 07:13:31
河樹 彬 @e_rewhon

ここで齋藤氏がいう《自己イメージ》とは「自分という枠」であり「自分の空しさ」であることに注意を要する。《ひきこもっている若者たちは、まさに自分が空虚だという思いに苦しめられています》《じぶんの枠というのは、その空虚さのイメージと言い換えられるかもしれません》。↓

2024-04-25 07:13:31
河樹 彬 @e_rewhon

外から様々な「枠」を持ってきては取り替えていく「じぶん探し系:ヤンキー」椎名とは対照的に、「ひきこもり系:オタク」の宇多田には《じぶんはこの枠から逃れることはできない》と諦めた上で《そのなかで生起するものをおもしろがる姿勢》がある。番組を見て、まず齋藤氏の分析を思い出した。↓

2024-04-25 07:13:32
河樹 彬 @e_rewhon

なお、10年後の著作『世界が土曜の夜の夢なら』で、齋藤環は以上の構図を更に彫琢して、《ヤンキー文化とは、〔所有という〕男性原理の価値規範を、〔関係という〕女性原理の方法論で伝達、拡散することによって成り立ってきたのではなかったか》という。オタクではこれが逆転する。↓

2024-04-25 07:43:12
河樹 彬 @e_rewhon

《ここで僕が考えた「ヤンキー文化=女性原理のもとで追求される男性性」というアイディアは、その対として「おたく文化=男性原理のもとで追求される女性性」を想定している》。↓

2024-04-25 07:43:12
河樹 彬 @e_rewhon

「時代」を振り返れば、「今」を映していたのはヒッキー(宇多田ヒカル)よりもヤンキー(椎名林檎)だったのかも知れない。《なにもかも承知の上でパロディックに〔フェイクとしての〕伝統を演じてみせること。それがいっそう「〈趣味的〉ナショナリズム」を強化する》と齋藤環はいう。↓

2024-04-26 01:40:49
河樹 彬 @e_rewhon

《多くの国民を”動員”しようと考えるなら、ヤンキー的なものを避けては通れない》。《「生存戦略」としてこれほど強力な文化もない》からだ。《青少年の反社会性は、芽生えた瞬間にヤンキー文化に回収され、一定の様式化を経て、絆と仲間と「伝統」を大切にする保守として成熟していく》。↓

2024-04-26 01:40:49
河樹 彬 @e_rewhon

たとえば椎名林檎の「NIPPON」('14)は、"戦略"的にそうした"動員"を行った作品だった。演っている椎名本人は、動員された衆上は勿論、凡百の批判者なんぞより遥かに賢く、絶望的に現実が見えていた筈だ。もちろん、こうした明晰さや"あえて"の自意識は、自分自身を傷つける棘でしかない。↓

2024-04-26 01:40:50
河樹 彬 @e_rewhon

椎名の直面する現実や戦略は、宇多田には見えている(逆も然りだろう)。二人の気の許し方をみるとそんな気がする。対極を極めたがゆえの理解。椎名は《宇多田ヒカルが陽であり自身が陰》という。宇多田も「椎名が陽であり」と思っていそうだ。↓>kronekodow.com/gaiko/roman_so…

2024-04-26 01:40:50
河樹 彬 @e_rewhon

いい喩えではないが、宇多田ヒカルと椎名林檎の関係は、三島由紀夫と東大全共闘を想起させる。'69年5月13日は両者が最も輝いた日かも知れぬが、その輝きは互いが対照的な存在であり、互いに敬意を表しながらも、最後まで対照的な存在であり続けたがゆえの輝きだったと思う。↓

2024-04-26 07:23:19
三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

三島由紀夫,芥正彦,木村修,橋爪大三郎,篠原裕,豊島圭介,刀根鉄太,竹内明,平野隆

リンク 映画『三島由紀vs東大全共闘 50年目の真実』公式サイト 映画『三島由紀vs東大全共闘 50年目の真実』公式サイト 禁断のスクープ映像、解禁! 自決1年前に何があったのか? 伝説の討論会を13人の証言者と紐解く衝撃のドキュメンタリー!! 20 users 37019
河樹 彬 @e_rewhon

人は『完璧』ではありえない。これまたいい喩えではないが、「自由」を追求すれば「平等」を損なう。人は半面しか追求できない。宇多田と椎名はS極とN極のように対極的であり、対極を極めた"がゆえに"互いを認めあえるのだろう。↓

2024-04-26 07:23:19
河樹 彬 @e_rewhon

ともに'98年にデビューした二人は’02年、カーペンターズの「i won't last a day without you」をデュエットする。《If all my friends had forgotten half their promises / They're not unkind, just hard to find / One look at you And I know that I could learn to live without the rest》↓

2024-04-26 07:23:20
河樹 彬 @e_rewhon

この一節は二人が唄ったことで、私の中、意味が変わってしまった。「もし皆が半分(half)を忘れてしまうのだとしても」「貴方をひと目見て、残りの半分(without the rest)の生き方を学んでいけるって分かったの」。宇多田がいたから椎名はあそこまで突っ切れた、という側面はあると思う。↓

2024-04-26 18:02:27

メビウスの宇宙

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