『鐔の世界』備前長船刀剣博物館

令和6年3月から備前長船刀剣博物館にて開催の展示解説
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山鳥毛里づくりプロジェクト @sanchomo_pj

備前長船刀剣博物館では、明日よりテーマ展「鐔の世界」を開催します。 刀身の主流が時代により姿を変えたように、刀装具のひとつである「鐔(つば)」も、時代による変化が見られます。 100点を超える展示品から見えてくる鐔の多彩な世界をどうぞお楽しみに。 会期は4月21日(日)まで。 pic.twitter.com/1FRrN4itvm

2024-02-09 09:01:06
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山鳥毛里づくりプロジェクト @sanchomo_pj

備前長船刀剣博物館のテーマ展「鐔の世界」で展示中の「達磨図鐔」。 達磨の耳などに細かな象嵌(ぞうがん)に気付きましたか? 鐔工として名高い「金家」「信家」「埋忠」らの作品から独創的な表現をぜひ楽しんでください。 なお、1階展示室では16口の刀剣を展示しています。 会期は、4/21まで。 pic.twitter.com/U38o5MdY5j

2024-02-16 17:05:42
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山鳥毛里づくりプロジェクト @sanchomo_pj

備前長船刀剣博物館で開催中の「鐔の世界」では、故事や歴史的事件、伝承などを画題にした鐔も展示しており、縦・横が10㎝にも満たない中に凝縮された小宇宙を見ることができます。 キャプションに「?」マークのあるこの鐔には何が彫られているのでしょうか? ぜひ来館してお確かめください。 pic.twitter.com/nvFRHPRdT6

2024-02-27 17:38:45
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山鳥毛里づくりプロジェクト @sanchomo_pj

備前長船刀剣博物館で開催中のテーマ展「鐔の世界」には、枝いっぱいに花を咲かせる「万朶花(ばんだはな)」をはじめ、透し彫りや象嵌、高肉彫り等の技法で表現された「雪桜」や「夜桜」、「花筏」など雅な春の景色が広がっています。 博物館で一足早いお花見をお楽しみください。 会期は4/21まで。 pic.twitter.com/hjMTjpBBwi

2024-03-22 12:02:25
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

細密な意匠 日本刀のつばに焦点 備前長船刀剣博物館で企画展:山陽新聞デジタル|さんデジ sanyonews.jp/article/1529927

2024-03-23 18:00:45
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

#備前長船刀剣博物館 鐔に絞った展示は全国的にもなかなか無いのですが 正直見ただけでは分からないという話も見たので ちょっと解説してみる。 間違っているかもしれないので、気付いた人は突っ込んでね テーマ展「鐔の世界」 - 瀬戸内市公式ホームページ city.setouchi.lg.jp/site/token/131… pic.twitter.com/RAX0M6NX15

2024-03-26 14:45:48
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

練皮鐔 生皮を重ね打ち、固め、漆で仕上げた物 太刀鐔から戦国期に多く使われた様です。 腐敗しやすい為、江戸時代以前の現存は貴重 展示の鐔は江戸期の物です。 #備前長船刀剣博物館 pic.twitter.com/A84E3eaUKo

2024-03-26 14:51:46
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

かわ、皮革韋 どの字が正解なのだろう? 皮をなめして革になると聞いたことあるが。 練革鐔は金工の自分の範囲外なので、制作については現代も作られている方に質問を x.com/kadoya_kouji/s…

2024-03-26 15:28:07
甲冑師 角屋孝治 @kadoya_kouji

【黒漆太刀拵の製作】   «練革鍔の製作» 前作に比べ上部の幅を広げるなど細かい修正を加えたので随分姿は良くなったと思います。 次は大切羽を作りますが型紙がまたまた難しい…     前作←∶→新作 pic.twitter.com/LgAqpfKrhx

2023-01-10 17:09:58
甲冑師 角屋孝治 @kadoya_kouji

皮→熊、猪等の毛のあるもの [毛皮] 革→毛を取り油を抜いて硬くしたつくりかわ(理革) [生革] 韋→柔らかく鞣したもの [赤韋、鹿韋] こんな感じの使い分けかな… x.com/shigetsune/sta…

2024-03-26 16:43:01
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

鏡師鐔 鋳造の鐔でその技法から 青銅の鏡を作っていた鏡師が製作したと考えられ、鏡師鐔と呼ばれています。 太刀の金具も鋳造の物が多く、太刀金具師が製作した物もあるかも知れません。 鋳物の鐔の中でコレだけは貴重で尊ばれています。 pic.twitter.com/6bHbNmL6cR

2024-03-26 21:12:46
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

鏡師鐔の素材は古来より山銅(やまがね)とされてきましたが、青銅製です。 時代が下がると黄銅もあるらしい。 古来より刀装具数奇者の云う山銅は、古味を帯びた銅合金を全て含んでいたようです。 狭義の山銅は未精錬銅(自然銅)で、 湯流れの悪い銅は鋳造が難しく古いモノには有りません。

2024-03-26 21:30:40
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

古刀匠鐔 鍛えの良い鋼を鎚のみで造形し、無紋、または簡単な透かし紋を入れたモノ。 その技法と 当時の刀は鉄でできた鎺を付ける事があるため鎺と鐔も同じ工房で作られたのではと想像され、刀匠鐔と名付けられる。 #備前長船刀剣博物館 pic.twitter.com/bFatrOmwPQ

2024-03-26 22:27:45
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

耳に向かって柔らかく薄くされた碁石型であるが、片面はほぼ平らな事が多く、金敷の上で鎚で造形した事でこの様になるとされる。 時代が下がると刀匠の銘が入った明確に刀匠作の鐔が作られる。

2024-03-26 22:32:30
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

甲冑師鐔 刀匠鐔に比べて非常に薄く作られ、強度保持の為か耳を打ち返し、または厚く打ち残したり、共覆輪を施す。 透かしも巧みに数多く入れたりする。 その薄板を作る技法から甲冑師が製作したのではと想像され、甲冑師鐔と呼ばれる #備前長船刀剣博物館 pic.twitter.com/RnVZRTloWo

2024-03-26 22:45:09
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

元々は漆をかけていたモノもあった様で、特に地に鍼石目を乱雑に打った物は、漆の固着を助ける為に表面積を増やしたと思われます。 作る側としては、技法に謎が多い。 まず薄板を打ち伸ばすのは結構難しく、重ねたりして伸ばすのですが、耳が厚く中側だけが薄いものは重ねることもできない pic.twitter.com/GzxeVUTqi4

2024-03-27 09:38:42
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

覆輪状に別の材料を周りにかけたものは、実際にやると伸びてしまってガタガタになるそうです。 他の金属(色金)の覆輪は冷間で行うのですが、鉄なので熱間でやらねばならないのもハードルを上げる。 技法的に高度なものが求められ、鍛冶専門職が居たと考えられて、甲冑師の余技と言う説は否定されている。

2024-03-27 09:46:00
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

応仁鐔 刀匠鐔や甲冑師鐔と同じく鎚目で仕上げられた薄手の鉄地に黄銅を象嵌したモノ 室町時代、応仁年間あたりから作られたとの推測から 応仁鐔と名付けられる。 #備前長船刀剣博物館 pic.twitter.com/FQgBdWCoT7

2024-03-27 17:40:16
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

日本で黄銅(銅、亜鉛合金・真鍮とも)が使われ出したのは鎌倉期とされますが、 亜鉛が産せず、合金の生産は、南蛮貿易にてオランダから亜鉛が入り出した江戸初期からと推定されています。 その為、江戸時代以前の黄銅は中国からの輸入、天文年間からの南蛮貿易で得たものとなり、非常に高価な金属だったと考えられます。 黄銅の象嵌は点と線を組み合わせたものが多く、紋様などを据え象嵌したモノもあります。後の平安城象嵌鐔につながり境はハッキリしません。 地金の鉄はやや質が落ちるモノが多い様です。(艶が出にくい)

2024-03-27 18:01:32
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

鎌倉鐔 薄手の鉄地を鋤下げ紋様を彫ったモノ 木彫の鎌倉彫りに似ている事から名付けられる。 #備前長船刀剣博物館 2,3枚目の画像は展示品ではないです。 pic.twitter.com/fqR9xPAWmD

2024-03-28 17:15:46
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

大型で丸型の物が多いが猪目透かしをつなげた異形の物もある。 紋様は草花や風景が多いが 異国風の風景に見える事から、刀剣が多数輸出された対明貿易の輸出用だったと云う説もある。 地鉄は悪く、艶が出ない所や造形の技法的に応仁鐔に 近いものとされる。 産地も京付近であろうと推測されている。 個人的には悪いと言われるややガサついた肌が逆に雅味があって好きです。

2024-03-28 17:36:57
山鳥毛里づくりプロジェクト @sanchomo_pj

備前長船刀剣博物館で開催の「鐔の世界」 展示品の中でも古い鐔は、室町初期の「剣先源氏香透鐔」と「桜丁子雪花透鐔」です。 その後、700年もの時を経て、現代金工師らによって作られた鐔も、4点、展示されています。 展示品を辿ることで、古今の流れを感じてみてください。 会期は4/21まで。 pic.twitter.com/pfFSMEntJs

2024-03-29 18:11:39
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

古金工(蝦夷) 金銅地牡丹図(山銅地鍍金) 細密な彫りが蝦夷の木彫に似ているからとも、 蝦夷好みで北前船で輸出されたとかで一時期、この手のものを蝦夷と名付けられるが、近年は古金工にまとめられる pic.twitter.com/CVnkF73AZl

2024-03-29 23:59:30
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装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

山銅地に金銷(金アマルガム)にて鍍金される。 作成当時は綺麗に鍍金されていたと思われ、絢爛たる北山文化に始まり豪壮華麗な桃山文化に好まれたのであろう。 経年の手擦れで地金がででき、その黒との対比の景色が侘び寂びにつながると後年好まれ、後の作為としての擦り剥がし(すりへがし)技法に繋がるのであろう。 北前船での蝦夷地貿易にて金銅の刀装具や仏具の飾り金具が好まれ盛んに輸出され、時代が経って逆輸入された物もあるそうです。

2024-03-30 00:18:38
装剣金工 片山重恒/ Katayama Shigetsune @shigetsune

山銅地に黄銅で覆輪をしてある。江戸時代肥後平田の小田原覆輪に類似する技法の覆輪です。 海鼠透かしとは肥後鐔によくデザインされる大きな透かしで、この形から海鼠に例えられる 古金工とは流派ではなく、桃山以前のどの流派にははいらないモノの総称なので作域の幅は広いですね。 正直、自分はこの鐔、肥後平田一派に入札したいのですが、それよりも時代が上がると云う極めどころが有るのだと思います。

2024-03-30 13:32:42
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