「理科」と「社会」の教授内容には根元的差異が存在する。それは、内容の広範さだ。例えば、一般的な歴史教育はその密度に差はあれ、現代まで取り扱う。一方、理科は各分野の基本法則を基にした計算に軸足を置く。
2011-12-30 17:44:44この差は大きい。社会は全体を俯瞰し、概略を捉えた「見取り図」の作成を行うことに等しいが、一方理科はその「学問的手続き」の基礎の習熟に重きを置く。社会でいう学問的手続きとは、資料分析などを指すが、社会の学習ではその扱いは極めて小さい(その良し悪しに議論はあるにせよ)。
2011-12-30 17:48:32「文化的生活を送る上での前提知識の把握」に初等教育の主眼があるとするなら、社会の手法の方が明らかに効果的だ。諸々の事項に関して、多くのニュースでは解説が入る。しかし、その事項に関する前提知識が皆無である時、そのニュースを聞くことには大きな敷居が存在する。
2011-12-30 17:52:31例えば、織田信長についての新事実が明らかになったとする。このニュースについて、織田信長という人物についての概略を知らない人と知っている人とでは、そのニュースを聞く上での関心に決定的な差が生じることは明らかであろう。科学についても同じことがいえるのではないか。
2011-12-30 17:54:47現在の理科教育は、いずれもその入り口で足を止める。これは歴史で言えば古墳時代を延々扱っていることに等しい。勿論、古墳時代にも様々な議論や複雑な背景が絡む。しかし、そこを大雑把に済ませてでも全体の概略を知ることをこそ優先すべきではないか。つまり、「社会的な理科」教育である。
2011-12-30 17:58:07細かい計算過程や、それにまつわる議論を省いた上ででも、量子論や素粒子物理を扱う。全員が「科学的手続き」に長けた研究者でなくてよいのだから、そういった知識の集積としての理科教育を行った方が、科学リテラシーの問題も解決するし有利なのではないだろうか。
2011-12-30 18:01:14逆に物理の議論に厳密な微積分の話を持ち出した場合、多くお生徒は理解に時間を要するだろう。そしてそれを積み重ねていった先にある「現代物理」がその概念すら把握のできない、遠大で難解なものに見える。それで科学の話題を遠ざけようとする人を誰が非難できようか?
2011-12-30 18:04:33高校物理などはその議論や数学運用の段において不十分だという指摘は多いと感じる。だから結局大学において一から理論を組み立てる。この二度手間を行うぐらいなら、始めから演算などの議論を捨て、「知識としての理科教育」にシフトした方が生産的ではないかとも思う。
2011-12-30 18:08:22@taime634 工学的視点から考えると理論が分かっていなくても「出来れば良い」というのは事実だと思うので、その意味では「下らない」理論をそれほどまで重視する事が何故生産的なのでしょうか。
2011-12-30 18:10:41@zhiwei826 科学の役割は学者が運用するためだけにあるものではありません。昨今の原発問題を始めとして、生活と不可分な領域まで入り混んでいる事象に関して最低限の理解があれば、無用な混乱は避けることができるという、モラル的側面から見た話です。
2011-12-30 18:15:51@taime634 先ほどの僕の主張に対する返答には全くなっていないように思いますが。何を言いたいのか全く分からないので、「何故理学的な教育を行うことに生産性があるのか」という質問に答えて貰いたいです。
2011-12-30 18:21:26@zhiwei826 先ほどの質問で答えていたと思いますが。科学リテラシーを育成するという点に、大衆教育の目標を据えるならば、理学的な知識を多くの人が把握していることに意味はあるでしょう。
2011-12-30 18:26:09@zhiwei826 科学リテラシーが役に立たない、という視点が誤りだと思います。概論的な話をしますと、文化と政治が常に連動する関係であり、今や科学と政治が切り離せない以上、科学の文化への昇華は必須でしょう。大衆の知的水準が政治や経済にリンクすることは経済学などで主流な見方です。
2011-12-30 18:39:47@zhiwei826 技術開発に対する理解が深まり、それらの振興費が算出される基盤となる。ニセ科学商法などが罷り通りにくくなる。原発問題や環境問題などで、知識の欠如がもたらす無用の混乱を阻止できる。文化の拡充。科学者を秘密主義的な存在とする偏見が緩和され、経済的待遇の改善。
2011-12-30 18:52:05@taime634 へえ、そんな事が高校教育3年間で達成できるのですか。日本人って天才ばっかりなんですね。それならなぜ大学を理系として卒業された方々がそこそこ世の中にもいるにもかかわらず日本は混乱の渦に巻き込まれたのでしょうか。
2011-12-30 18:55:33@zhiwei826 大学を理系として卒業した人は声を高らかに基本的な認識の誤りを正しているとは思いますがね。しかし正論がすんなり通るほど大衆が従順ならだいたいの社会問題は起こりませんよ。教育の基盤は本能を抑えこむためのモラルの育成、それを可能とする知識の拡充でしょう。
2011-12-30 18:58:51@taime634 そうですか。教授でも結果的にはおかしなこと言ってた人はいっぱいいたと思いますが。あと、何をもって正論というのかも分かりません。数学ならまだしも、物理学のような仮説において何が正しいかなんて理解している人間は存在しないと思いますが。
2011-12-30 19:03:01@zhiwei826 失礼ですが、「何が真実かわからないから、今正しいとされていることを信じる必要はない」は愚かな屁理屈です。それをいうなら歴史だって全て仮説にすぎないから「徳川家康の実在を厳密に証明はできないから徳川家康など知らなくてよい、教えなくてよい」もまかり通りますね。
2011-12-30 19:08:23@taime634 誰がそんな事を言ったのでしょうかね。歴史なんて別に「諸説ある」じゃないですか。今回の例なら例えば放射線の線量問題なども「諸説あるので、正直分からん」というのが結論ですよね。君は理学教育の効果をやたら強調しますが、得られる利益もその程度ではないでしょうか?
2011-12-30 19:11:05@zhiwei826 それと根本的に趣旨を誤解しているようですが、必要なのは多岐に渡る学問分野の「概観」を把握することが肝要だと述べているのであり、理学的視点も工学的視点も扱うべきでしょう。量子論の話題はほんの「一例」に過ぎません。
2011-12-30 19:10:42@taime634 それに関しても質問があるのですが、では理学の「概観」が果たして高校教育で達成できるのでしょうか。というか、大学教育においてもよほど優秀な人くらいしか別に何も見えてこないのが理学だと自分は思うのですが。
2011-12-30 19:13:19