カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル #10

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ホウリュウ・テンプルへのアクセス権は、グランドマスターにしか許されぬ!」パラゴンがぴしゃりと言った。「フォーフォー。まあ待て、パラゴン。……何ゆえ、それを望むのか?」「デスドレイン一味よりも大きな災いがキョートに潜んでおります。ニンジャスレイヤー、否、ナラク・ニンジャ…」 24

2012-01-05 01:30:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「古事記には名が存在せぬ……しかし実際古く恐るべきニンジャソウルに御座います、マイロード。既に多くのギルド員が、奴の手にかかり……。しかし私めがホウリュウ・テンプルの書庫にあるマキモノを紐解き古事記暗号などを解読すれば、かのニンジャ存在の正体を突き止められるやもしれません」 25

2012-01-05 01:35:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは奏上を終え、片膝をつき頭を下げている。ロードは指を合わせ、何かを思考しているようだ。額に汗を滲ませたパラゴンは唾をごくりと呑み、ロードの答えを直立不動の姿勢で待つ。雛壇に並ぶ哀れな奴隷オイランたちはついに涙を流し、失禁寸前の状態まで精神を追い詰められていた。 26

2012-01-05 01:39:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ムフォーフォーフォー、苦しゅうない」ロードは静かに笑った。パラゴンは心の中で胸を撫で下ろす。ロードは続けた「ではダークニンジャ=サン、余はそなたに懲罰騎士の特別位階を授ける。かつてはブラックドラゴン=サンが負っていたが、現在は空位」「身に余ります」辞退するダークニンジャ。 27

2012-01-05 01:44:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ムフォーフォーフォー、そう言わず」「勿体無きお言葉」二度目もつつましく辞退するダークニンジャ!「ムフォーフォーフォー、ブッダも怒る」「それならば……謹んでお受けいたします」見事なワザマエ!複雑怪奇なエド様式の作法をそつなくこなすダークニンジャ!静かに失禁する奴隷オイラン! 28

2012-01-05 01:48:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ならば、ダークニンジャ=サン、そなたに騎士の証として、余はこの聖なるブレーサーを下賜する。ニンジャ狩りの力となろう。三神器が揃う時まで、このブレーサーの守護の務めも負うのだ」「ヨロコンデー」頭を深々と下げるダークニンジャ。パラゴンがオボン上のブレーサーを彼の手許へと返す。 29

2012-01-05 01:53:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは、オボンの向きを2回に分け合計180度回転し、ブレーサーの方向を逆にしてから拝領した。この正しい作法を即興で踏めるものは、グランドマスターの中にも1人いるかいないか。だがフジオ・カタクラは、古事記を全篇読破している男であり、これらの作法にも精通しているのだ! 30

2012-01-05 01:56:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

続いてパラゴンは黒漆塗り重箱を持ち出し、そこに収められた何十個もの鍵束を手に取る。金属製大型物理鍵とIC素子が合成された、とても複雑な仕組みのアクセスキーである。ダークニンジャは「ホウリュウ書庫」と書かれた鍵を受け取りながら……その地下座敷牢の鍵の存在を抜け目無く確認した。 31

2012-01-05 02:04:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが、手は出さない。今はまだその時ではないことを、ダークニンジャは知っている。確かにロードの強大なるニンジャソウルは、ヌンジャへと近づくための手段の一つとなるだろうが……ジツやカラテの詳細を含め、ロードの正体は未だ謎であり、この場でムーホンするのは自殺行為にも等しいからだ。 32

2012-01-05 02:11:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは鍵を受け取り、表彰者の列に戻った。「以上で式を終わる」パラゴンが咳払いをして言う。「最後に、オミヤゲ・ストリートで散ったザイバツニンジャたちを弔い、ギルドのますますの繁栄を祈り、バンザイ・チャント重点!」失神寸前の奴隷オイランたちが、血相を変え持ち場につく! 33

2012-01-05 02:17:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」 おお、聴くがいい!表彰の間に響き渡る禍々しきチャントを!おお……ナムアミダブツ……ナムアミダブツ! 「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」「ガンバルゾー!」………… 34

2012-01-05 02:20:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

数日後、ホウリュウ・テンプル書庫。 36

2012-01-05 02:23:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

数百畳はあるその広大な空間を照らすのは、等間隔に並んだトウロウの覚束ない灯りのみ。ダークニンジャは独り、マキモノや書物の山と向かい合い、コトワザなどを呟いていた。懲罰騎士の任を受け、三神器発掘の役目は他のマスター位階ニンジャへと引き継がれ、彼のフットワークは軽くなっている。 37

2012-01-05 02:24:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

小さなつむじ風が巻き起こり、灯篭のロウソクがかすかに揺れ、書庫内に2人のニンジャが姿を現す。マスター・クレイン、マスター・トータスであった。「ベッピンの復活」「おめでたいことです。コトホギです」二者はダークニンジャの傍らでシシマイめいて跪く。「全ては」「運命の通りに」 38

2012-01-05 02:27:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャは聞き慣れたはずのその言葉に、小さな不快感を覚えた。「ああ……何も問題は無い」だが彼は、それをおくびにも出さない。「しかし、心配です。小さなノイズがいくつも混じり始めました」「ダイコク・ニンジャが御身を狙うでしょう」運命のオートマトンたちが伝えた。 39

2012-01-05 02:33:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……構わん、それでいい」ダークニンジャは無表情に、しかしどこか残忍に言い放った。「奴に刻んだカンジのノロイは消えん。奴は俺を付け狙うだろう。だが、それでいい。遥かに良い……。次は奴の強大なニンジャソウルを吸収し、俺はヌンジャに近づく。……どうだ、何も問題はなかろう?」 40

2012-01-05 02:37:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

その言葉を聞くと、鶴亀はシシマイ・オメーンの歯をカタカタと鳴らして消え去った。また小さなつむじ風が巻き起こり、ホウリュウ・テンプル書庫の灯りを揺らした。そう遠くない未来とそう遠くない過去を見張るために、戻ったのだろう。ダークニンジャはショウジ戸の隙間から、月を見上げていた。 41

2012-01-05 02:43:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」 終わり

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