I.Amraamski氏によるロシアのミサイルメーカーKTRVについて

I.Amraamski氏によるロシアのミサイルメーカーKTRV(スヴェズダ社などが母体)の解説です。統廃合が多いロシアの航空宇宙業界の歴史を知る上で参考になります。
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I.Amraamski @I_Amraamski

さて、この間から話題にしているロシアのミサイル屋さん、KTRVの歴史について連投してみたいと思います…なんか最近連投にハマってきましたね。。。

2012-01-26 21:12:48
I.Amraamski @I_Amraamski

…KTRVは「戦術ロケット兵器企業」の略です(英語だとTactical Missiles Corporation)。2002年軍需企業再編の中でいくつものメーカーが統合されて生まれたもので、中心になったのはズヴェズダ設計局です。 http://t.co/B7OEt87H

2012-01-26 21:14:48
I.Amraamski @I_Amraamski

ズヴェズダ設計局は元々空対空ミサイルの工場である第455工場の設計部門から徐々に発展していった歴史を持っています。部門で最初に設計されたのはAA-1空対空ミサイルの赤外線誘導版ともいうべきR-55です。 http://t.co/23b6Xr6q

2012-01-26 21:17:12
I.Amraamski @I_Amraamski

その後ソ連最初の小型戦術空対地ミサイルが開発されることになり、設計部門は無線指令誘導のKh-66開発のため1966年に設計局となりました。 http://t.co/zpRNU6uF Kh-66はその後Kh-23に発展します。 http://t.co/lXuBcOXy

2012-01-26 21:24:34
I.Amraamski @I_Amraamski

その後Kh-25(レーザー), 27(パッシブレーダー)もズヴェズダ設計局によって開発されました。 http://t.co/xgD1XI4d http://t.co/hLCJoKIe

2012-01-26 21:27:23
I.Amraamski @I_Amraamski

その後開発されたKh-25Mはシーカがモジュラ構造となっており、Kh-25MR(無線指令), ML(レーザー), MP(パッシブレーダー)の3バージョンによってKh-23, 25, 27を一気に置き換えるものとされました。(TV版MTやアクティブレーダー版MAも後に作られてます)

2012-01-26 21:28:53
I.Amraamski @I_Amraamski

設計局は更に、より長射程のエアブリージングエンジン装備のミサイルにも手を伸ばします。これに含まれるのはインテグラルロケット・ラムジェット推進の対レーダーミサイルKh-31P及び対艦ミサイルKh-31A、そしてターボジェット推進の対艦ミサイルKh-35です。

2012-01-26 21:31:24
I.Amraamski @I_Amraamski

(母機との適合等を無視すると)同様のミサイルは他にもあり、中距離対レーダーミサイルではラドゥガ設計局のKh-58、対艦ミサイルでは同じくラドゥガのKh-41/P-270がありました。短距離の戦術空対地ミサイルでも、ヴィンペル設計局がKh-29を作っていました。

2012-01-26 21:46:03
I.Amraamski @I_Amraamski

この辺のメーカーが統合されたのが2002年の大再編です。KTRVの下に短-中距離空対地ミサイルのズヴェズダ、中-長距離空対地ミサイルのラドゥガ、空対空と短距離空対地ミサイルのヴィンペル、誘導爆弾のレギオン等が統合され、空中発射兵器の巨大メーカーが誕生したのでした。

2012-01-26 21:46:33
I.Amraamski @I_Amraamski

というわけで今日の連投はこれでお終いです。KTRV10周年おめでとうございます。今公式サイトがトップページ以外エラーが出る状態なのでリンクが貼れないですが、大体の事は公式サイトの歴史ページに書いてありますので。。

2012-01-26 21:52:35