2012.2.2 ヨアヒム・ラートカウ氏インタビュー

[インタビューアー] 大島堅一 立命館大学教授 朴勝俊 関西学院大学教授 [ヨアヒム・ラートカウ氏Wiki] http://en.wikipedia.org/wiki/Joachim_Radkau 続きを読む
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らいあ @Sucha_Para

1950年代にミュンツィンガー?という研究者が標準な原発を設計した。当時のアメリカと比べても高い安全性を追求していた。ドイツには早くから懐疑的な考えを持つ人が多かった。アメリカ人から見ても、ドイツ人の方が原子力の危険性というものにきっちりしている、むしろアメリカ方はナイーブ。

2012-02-02 14:46:14
らいあ @Sucha_Para

ドイツ方式の原発が何故高い安全性を水準を追求したか?また技術に対して楽観しなかったか?それは2回の世界大戦をドイツが起したからなのかと。ドイツ人は簡単に危険に走らない、簡単にリスクをとらない、そういう理性的な側面を持つようになったのではないか。というふうに考える。

2012-02-02 15:50:42
らいあ @Sucha_Para

もうひとつは空気というか雰囲気の問題。1970年代からのドイツの反原発運動には、少しずつでも勝利があった。1971年にドイツよりも早くフランスで反原発運動が起こった。フランスは中央主権的で、抗議活動に対してドイツよりも激しい弾圧があった。やがてフランスは、やる気をなくしていく。

2012-02-02 16:00:43
Miya____ Toy___ @Miya_Toy

それに対してドイツが成功した例。原子力の基本法裁判。それまで安全性と経済性は同等と考えられていたが、連邦行政裁判所(=日本の最高裁判所)は安全性のほうが経済性より大事だという判決を出した。この判決に対しては今も議論があるけれども、この時点でこの判決が出たというのは大きかった。

2012-06-07 12:56:41
らいあ @Sucha_Para

日本を見ると、日本の最高裁判所はどちらかというと原子力推進(ばりばりに推進です)そういう違いもあるのではないか。運動が成功したという風に考えられるかもしれないが、運動だけで成功した訳ではなく、政治・制度、そういったものとの関わりで成功を勝ち取ってきた面がある。

2012-02-02 16:11:09
らいあ @Sucha_Para

もうひとつの例は、教師をやっていたグントラー?という反原発の考えを持つ人が、当時の技術大臣に論争を挑んだ。ただ文書を公表したというだけじゃなく、協会の前で自分の体に火をつけた。そういう事もやって注目をあびた。いろいろなことが絡み合って、ドイツが前に進んできた。

2012-02-02 16:15:21
らいあ @Sucha_Para

大島教授:日本は安全であるというのが前提。日本では安全であるとの疑いを挟む人を意思決定からはずしてきた歴史がある。裁判も負ける事が多く、勝っても行政の責任を追認するだけ。運動は確かにあるが、繋ぎきれてないというのが現状。

2012-02-02 16:20:02
らいあ @Sucha_Para

日本は原子力産業がものすごく強い。そういうところが阻んできた。あと脱原発して心配してるのは、原発がなくなると原発で生活をしてる人が、原発抜きでは生活できないという。もうひとつは国からの交付金。交付金無しで成り立たなくなる。ドイツでは脱原発で地元経済がどういう風に自立していったか?

2012-02-02 16:27:33
らいあ @Sucha_Para

ラートカウ氏:日本のような事がドイツでもないわけではない。ひとつは、原子力が始まる当初大企業は一枚岩ではなかった。ドイツで一番大きな電力会社RWEの経営者は、60年代の終わりに原子力に懐疑的な立場をとっていた。石炭・褐炭を使った方が経済的に発電が出来るのに何故原子力なのか?と。

2012-02-02 16:36:19
らいあ @Sucha_Para

その企業の中に、原子力に対して反抗的な態度をとる人や太陽エネルギーに積極的な立場の人もいた。いろいろな偶然があった。ゴアレーベンに再処理工場が来るという話しがあり、それに対して反対運動が起こった。有名な核物理学者が批判的な立場をとるようになる。

2012-02-02 23:48:56
らいあ @Sucha_Para

そういったことから、その州を治める首相が計画を白紙撤回。産業界において、どういう立場の人の発言か分からないが、酒を飲んだ席で『反対運動にも感謝する。無駄な投資をせずに済んだ』というもれ話しもあった。

2012-02-02 16:46:35
らいあ @Sucha_Para

雇用の話し。地元の雇用に関しては答えはそんなに難しくない。雇用を減らそうと思ったら1番いいのが原発。原発をやめて再生可能エネルギーの工場などを立地する事によって雇用はまかなえる(実際ドイツでは増えている)工業も再生可能エネルギーによって活性化する。

2012-02-02 17:55:37
らいあ @Sucha_Para

これは産業の構造の転換なるので、雇用が増える一方 原子力で食べていた一部の人は負け組みになる。しかし全体を見た場合は、再生可能エネルギーによって雇用が増えることになる。

2012-02-02 18:00:17
らいあ @Sucha_Para

大島教授:私もそう思います。日本の人々は変わりました。世論調査でも大半の人が原発を減らしていきたいと思っている。中には今すぐにでも止めましょうと思っている人もいる。他方で、古い産業は原発一色。ただ新しい動きも出ていて、ソフトバンクの孫社長は原発抜きでいこうと、そういう動きもある。

2012-02-02 18:11:27
らいあ @Sucha_Para

福井には14基の原発があって、全部あわせて1157万キロワット。おそらく世界最大の原発密集地。京都市と60キロしか離れていないので、京都市民の中に非常に大きな反対運動がある。京都市議選をご覧になったということでその印象というか、感想などあれば教えていただきたい。

2012-02-02 18:18:40
らいあ @Sucha_Para

ラートカウ氏:地方政治に意見を言うのは難しいが、訪問した候補の方にはご幸運を祈ります。京都が大好きなので、原発に近いからといって、京都が福島のような未来をたどるのは考えたくありません。それは人類にとっても大きな損失になると思う。

2012-02-02 18:25:04
らいあ @Sucha_Para

他方、外国のメディアでは日本では原発に対して何の批判も無いと言われてますが、それはまったくの間違いだと思う。日本には歴史的に見ても長い環境運動の伝統がある。70年代の公害運動から環境政策に移ったこと。アメリカから始まって日本で花開き、それが一時期ドイツの手本になっていたのは事実。

2012-02-02 18:31:21
らいあ @Sucha_Para

一時期、日本が環境問題でトップに立った。今はドイツのほうが良く見られているかも分かりませんが、またふたたび日本の時代が来るというようなことがあるのではないかと思う。

2012-02-02 18:36:30
らいあ @Sucha_Para

大島教授:原発や公害の問題をやっている方、京都市長選でもそういう弁護士が候補者になってがんばっていることに歴史を感じる。先生のお話しを受けて正にそうだと思った。

2012-02-02 18:50:07
らいあ @Sucha_Para

最後に、日本市民が取り組んでいく課題。日本が今後やっていく事が、東アジアや世界に対して、何かしらのインパクトがあると思っている。日本がやっていくことで、どんな影響を他の国々に与えていくかご見解があれば。

2012-02-02 18:52:25