- MinoruSawada
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もうひとりのロベールです。ドアノーは解放後のパリで男女がチューしている写真で有名になってしまいましたが、パリの郊外で生まれ、育ちました。郊外は工業化が生み出した都市周辺の居住区です。
2012-02-12 09:50:05ドアノー、パリのチューの写真。でも、これは演出なんだって。この本に書いてあった。 http://t.co/nIVC5jhK http://t.co/c2Zu7dCB
2012-04-22 19:02:31日本もそうですが都市や都市周辺の集合住宅にどのようなひとびとが住んでいるかをみてゆくと、時代の変化がそこから読み取ることができます。
2012-02-12 09:51:18これもよく使われるんだけど、「郊外」なんだってことはあんまり意識されてないかもしれない。低廉住宅の前で二〇才の誕生日。 http://t.co/tFd7SzZW
2012-04-22 19:36:54戦前に建築家の谷口吉郎がエッセイのなかでパリ郊外の集合住宅を訪れる話があります。当時、成長しつつある中流のホワイトカラーが住むことを念頭に置いて建てられたものです。中産階級はだいたいは専門職のようなイメージです。サラリーマンだけど自営のようなひと。
2012-02-12 09:56:33それは工業の時代になって、人口移動の制限がなくなると、職を求めて都市に点在する貧民街区にブルーカラーの下層労働者が集中するようになります。ロンドンなんかもそうですが、伝染病や精神病、犯罪、汚染なんかに象徴される貧困問題(社会問題/都市問題)への対策でもありました。
2012-02-12 10:01:09で、郊外を鉄道でつないで大きな集合住宅でできた町を作ろうとしたわけです。で、谷口も海外の建築雑誌や論文を読んだりして期待して視察に行くわけですが、なかなかうまくいっていない。空き家になっていたり、仕方がないので公務員を住まわせたりしてがっかりして帰るというようなことがありました。
2012-02-12 10:05:05あまり好まれない住宅地は、当然のことですが、じょじょに建設者の想定していた層よりも下の階層の人びとが住むことになります。これは都市によって違うのですが、パリは傾向として、都市の中心部ではなく郊外に貧しい人が住む傾向の強い町です。(しばし中断)
2012-02-12 10:09:28la zone subsistante の境界でと題された写真。崩れそうな小屋。subsisterは生存するという動詞。subsistante はその形容詞。生きるだけで精一杯の「ゾーン」という意味だろうか。これも『パリの郊外』。 http://t.co/ixWsXnQ1
2012-04-22 20:57:43@yeuxqui zoneは城壁を撤去した跡地にできた貧困地区のことを指す戦間期用語だな。いわゆる郊外はゾーンを消すために作られたともいえる
2012-04-22 21:03:59「ゾーン」については、サンドラールの言葉を引きましょうか。昼間訳(『パリ東西南北』の解説です)。パリ郊外! ずいぶん前からよく知っている。しかし、私がアントワネットとつきあっていたころからなんと悪い方へ変わってしまったのだろう!(つづく)
2012-04-22 21:07:55(つづき)「まず戦争が、ゾーンを郊外へ追いはらうことで郊外を醜くしてしまい、それから戦争が破壊したもの、殺害したもの、射撃場と塹壕を作るための土木工事、そしてその倉庫、囲い地、あらゆる種類の公園、配送所とパン工場、弾薬庫、立ち入り禁止で危険な土地、がれき、劣化した資材の山…
2012-04-22 21:11:45(つづき)車体、大砲、飛行機などで、郊外を荒らしてしまい、そしてタールを塗られたバラック小屋の長い列が何キロにもわたり、東へ、南へ、北へ、西へと何百ヘクタールにもおよび、外国人の労働者を、負傷兵を、梅毒患者を……」(『雷に打たれた男』)と続いてゆきます。
2012-04-22 21:14:15(承前)ドアノーは、『郊外』と題した写真集でデビューした。もっともGentillyといえば外周道路のすぐ外側。つまり市外/市内の境界地帯であり、別の地区であればそこに住んでいる友人の尋ねたことは何度かある。友人たちはけして治安がいいというような言い方はしなかったけれど、
2012-02-12 12:09:28車が焼き討ちにあい、ときどき暴動が起きるような「郊外」とはまた少し雰囲気が違う。ひょっとすると日本の阪神やJRの一部、工場地帯と結びついて成立した、庶民の住む「郊外」と似たような風情かもしれない。
2012-02-12 12:12:56これはまあ焼き討ちにあったわけではないですが、やはり郊外の子供たち。背景に初期の団地(低廉住宅HBM)があります。 http://t.co/Hwy4pFZR
2012-04-22 21:00:06ドアノーの最初の写真集『パリの郊外』は、ブーレーズ・サンドラールのエッセイとあわせて一冊になっている。日本語の写真集は高い上にサンドラールの文章がない。 http://t.co/2RzFLWSN
2012-04-22 19:16:33