漫画家・信濃川日出雄先生によるアシスタント雑談
漫画のアシスタントについて今から雑談します。フォローしてくれている元アシスタントや、手伝いにきてくれた方がビックリしない程度に書きますので安心して読んでください。ただの自分の漫画アシスタントという仕事への考えです。
2012-02-17 01:00:42漫画のアシスタントというのは、本当に幅広い。多種多様。漫画家の数だけアシスタントの仕事の幅がある。それというもの、プロ漫画家はそれぞれが独自の様式と哲学を持った個人事業主だからです。大所帯でマネージャーをおいてスケジュールを管理する人もいれば、狭い部屋で独り黙々と描く人もいる。
2012-02-17 01:05:08独自の様式と哲学と書くとおおげさすぎて、こっ恥ずかしいですね。自分だけの漫画のために、それぞれのやり方でやりたいようにやってるわけです。ルールを作って自ら縛る生真面目タイプもいれば、朝令暮改な人もいます。どちらでも、作品が面白くて、スタッフにもやりがいがあれば問題はないのです。
2012-02-17 01:09:05問題はないと書きましたが、問題があることも現場によってはやはりありまして、色々な話も聞きます。ネットで検索すると、それなりにエピソードがでてきます。でも、ほぼ多くの現場は、正常に機能してると思います。そういう問題エピソードがなぜ多いのか。それは話題として"面白い"のです。
2012-02-17 01:11:46うまくいってる話は話題としておもしろくないので、うまくいってないトラブルの話ばかりが沸いてくるのです。なのでネットで検索すると、未経験者はびっくりして脅えたり、構えたりしてしまうんですよね。怖そう、つらそうって。でも多くの現場は大丈夫なので、ぜひ飛び込んでほしいです。
2012-02-17 01:14:40雇う漫画家の側にもいろんな気持ちがありまして、ひとつは「どんな人がくるんだろう」っていつも思っています。こういう人に来てほしいという理想もあるので、条件(ハードル)を設けたりもします。例1、履歴書。履歴書の内容もありますが、だいたいは「履歴書をちゃんと書いてくるか」を見てます。
2012-02-17 01:20:02それは、履歴書をくださいと言ったのに、履歴書を出してくれない人や、履歴書のコピーを渡す人(使い回し)、写真を貼ってないとか空欄のある人がときどきいるんです。なので、ちゃんと書いてくるだけで「ちゃんと仕事してくれそう」って思えるんです。
2012-02-17 01:21:10履歴書べつにいらいないって漫画家さんも多いですけどね。例2は、作画サンプルです。これはほぼ必須ですね。漫画家はどこを見ているかというと、まずは仕上げを見てます。ほぼ絶対みます。パースとか画力とか以前に仕上げをみてます。仕上げがきちんとしてることはアシスタントの最低条件です。
2012-02-17 01:23:30アシスタント話の続き。では逆に応募の際の漫画家の選び方をひとつ。それは連載作品の絵をみてください。連載が安定していて、一話の中で絵柄にバラつきがなければほぼ安定した仕事場だと言えます。技術、連載中のスケジューリング、秩序、チームワークがあってそれが可能だからです。要チェック。
2012-02-17 13:45:41以前、僕のところに応募してくれた人で、僕の漫画を一度も見ずに仕事場まで面接にきた人が2〜3人いました。これはちょっと非常識です。不採用にしました。別にファンじゃなくても読者じゃなくてもいい。でもこれから働こうとする漫画家の仕事をみないというのは礼儀以前に、人としていい加減です。
2012-02-17 13:47:57「人としていい加減です」のツイートで切れてるのはなんか印象わるいかも・・・笑。もう1ツイートしとくか
2012-02-17 13:52:27「面接」は、する人としない人とがいます。僕はできる限りしたいほう。知人からの紹介等や、時間がないとき、ヘルプのときはしないことも時にあります。なぜ、面接が必要かというと、漫画家の仕事場は小規模な工場で、チームワークが大事な場所だからです。チームに加わってもらえそうかをみています。
2012-02-17 13:55:51アシスタントに関する連続ツイートは、漫画家のアシスタントをしたいという気持ちをもつ未経験者を想定読者として書いています。いつのまにかそうなった。たぶん今俺が募集中だからですね。漫画家や経験者の視線を感じつつ。
2012-02-17 14:23:24いまアイコンやブログのトップにきてるイラスト、なにかを彷彿とさせると思いませんか…?いま描いてる読切はある意味で小学生時代自分(というより俺たちの世代)に強烈な影響を残した鳥山先生へのオマージュを含む内容です!!さぁ、原稿がんばろう!!
2012-02-17 14:27:35編集さんからの返事を待っているあいだに、アシスタント放談の続き。散漫な書き方になっててすいません。未経験者に贈る雑談です。こんな仕事場もあるよシリーズ。前提として、その漫画家が自作のために作った仕事場ですので、そういうものなのだ!と思って読んでください。
2012-02-17 19:49:51(1)仕事場で漫画家とほとんど会わない。漫画家が別室にいて、指示はチーフと呼ばれる人に出し、チーフからアシスタントたちに仕事が割り振られる。漫画家はとにかく自分の仕事に集中するために、そのような仕組みしているのだと思います。
2012-02-17 19:51:43(2)遠方等に住む人とネットでデータのやり取りをして、それぞれが自宅で仕事をする。要パソコン。最近、どんどん増えてますね。通称・在宅です。いっさい喋らずメールやチャットで済ますこともあれば、密にスカイプで会話することもあります。
2012-02-17 19:54:44あ、漫画家とアシスタントが同じ部屋で仕事をし、一緒に作画したりしている状況をいちおうスタンダードなものとして想定しています。
2012-02-17 19:55:56(3)完全合宿状態。原稿に入ってから全員で泊まり込んで、終わるまで寝食を共にするケースです。なんとなく少年・少女漫画に多い気がします。仕事場に部活動のような熱い空気を求める漫画家さんがそういうふうにしたがるような気がします。そんな現場が好きなアシスタントさんもまたいるでしょう。
2012-02-17 19:58:41(5)漫画家と全員異性!例えば、作家が男性で、アシスタントが女性ばかりという仕事場もあります。もやもやしますが漫画家の性格に起因するものだと思います。女性は平均的に男性に比べてあたりが柔らかいので、そういった心理的要因から?漫画家がそれを望んで仕事場が機能しているならそれでよし!
2012-02-17 20:06:13