橋下徹の詭弁に騙されるな!!!

彼の言論テクニックは、自分が出版した本でネタバレしている。 マスコミの取り上げ方は、過大な期待を抱かせるようなものばかりですが、国民は惑わされてはダメです。 このまとめを読んで、彼の詭弁と詐欺的手法を見抜き、『ふざけるな!』と行ってやりましょう。
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黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 1) 彼は「ありえない比喩」を駆使し、「前言撤回」を繰り返しながら、人々の心をひきつけて行きます。私たちは、一歩引いたところから、橋下氏の言論戦術を解剖し、冷めた目で客体視する必要があります。

2012-02-26 01:02:21
黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 2) 2005年に出版された『図説・心理戦で絶対に負けない交渉術』(日本文芸社)という本。著者はなんと弁護士時代の橋下氏本人です。橋下氏自身が自分の言論テクニックを披露し、手の内を明かしているのです。

2012-02-26 01:03:06
黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 3) 橋下氏が最も強調するのが「仮装の利益」という概念です。 「実際には存在しないレトリックによる利益」を作為的に創出することによって、相手に要求を飲ませる。「仮装の利益」をより有効に起動させるためには「譲歩の演出法」が重要になる。

2012-02-26 01:03:34

 交渉において相手を思い通りに動かし、説得していくには、はっきり言って三通りの方法しかない。
 “合法的に脅す”“利益を与える”“ひたすらお願いする”の三つだ。そのなかで、最も有効なのは“利益を与える”ことである。
 この場合の利益には二通りある。一つは文字通り相手方の利益。もう一つは、実際には存在しないレトリックによる利益だ。不利益の回避によって感じさせる“実在しない利益”とも言える(6頁)。

 相手方に利益を与えるということはこちらの譲歩を示すということだ。譲歩とそれに伴う苦労は、徹底的に強調し、演出すべきだ。譲歩とはよべない些細なことであっても、さも大きな譲歩であるように仕立て上げるのである。そうすることで、相手方の得る利益が大きいものであると錯覚させることができるからだ。これも交渉の技術である(10頁)。

黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 4) 橋下氏は、譲歩に伴う苦労を徹底的に演出せよと説きます。相手に譲歩するために、多大な労力と努力を伴ったことを強調することが重要で、本当に苦労したかどうかは別問題だといいます。

2012-02-26 01:03:56

 大きな利益を得た、と相手方に感じさせるように、こちら側の苦労を強調するのである。その演出に、タフネゴシエーターは腕をふるっている。詐欺にならない程度に、ではあるが(10頁)。

黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 5) さらに、交渉に際して「譲れるもの・譲れないものを明確に分別しておく」ことが重要である。あらゆる主張を「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」の二種類に徹底的に分別し、「二者択一の法則で自己の利益を絞り込む」必要があると言います。

2012-02-26 01:04:16

 物々交換の基本にのっとって、自分の主張を絞り込んでいく。どうしても通したい主張と、譲歩できる主張を明確に区別する必要がある。
 できることならこの主張も通したい、交渉の流れのなかで判断しよう、そんなグレーゾーンを持ったままで交渉に臨むことだけは避けたい。それが交渉をこじらせ、長期化させる原因にもなるのだ(12頁)。

黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 6) はじめにハードルを高く設定した提案を掲げます。この提案の中には「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」が含まれています。突然、提案を突き付けられた利害関係者は当然反発します。そして提案に依拠しながら、問題点を列挙し抵抗します。

2012-02-26 01:04:38
黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 7) しかし、この時点ですでに勝負は決しています。それは橋下氏の舞台に乗ってしまっているからです。橋下氏の提案に基づいて交渉がスタートさせることこそが、彼の「交渉テクニック」だからです。

2012-02-26 01:04:59
黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 8) 橋下氏は、ここから「譲歩できるもの」のカードを切っていきます。そして、このカードの付与によって「仮装の利益」を分配していきます。「実際には存在しないレトリックによる利益」のため、橋下氏側にダメージはありません。

2012-02-26 01:05:18
黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 9) 「譲歩の演出」によって相手が利益を得たと錯覚させることが目的であり、この錯覚を駆使することによって「本当の利益」を獲得していくのです。

2012-02-26 01:05:32
黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 10) 結果、相手はあたかも「利益を得たかのような感覚」を持ちながら、実際は重要なものを損なっているという結果が生じます。これが、橋下氏が繰り返し用いる政治手法です。

2012-02-26 01:05:53

*大阪の朝日放送(ABC)が制作する夕方の報道番組での議論
この時は、橋下氏と大阪維新の会が提出した「教育基本条例案」が議論の中心でした。ゲストには、この条例案に反発する教育委員の陰山英男氏がお越しになり、橋下氏と激しい論争を繰り広げました。
 陰山氏は、橋下氏自身が選任した大阪府の現職の教育委員です。橋下氏は、そんな陰山氏とさえ議論せず、9月21日、いきなり頭ごなしに条例案を府議会に提出しました。怒ったのは陰山氏をはじめとした教育委員たちです。特に陰山氏は強い反発を示し、教育委員の辞任も示唆しました。

 教育基本条例には、いくつかのポイントがあります。
 まず一つは「教育行政における政治主導」です。教育が時の権力者によって左右されることを防ぐため、政治が教育に介入することには極めて厳しい制限が加えられてきました。橋下氏はこの制限にメスを入れ、「教育現場に民意を反映させる」と説きながら、教員人事などへの政治介入を模索します。
 2つ目は、教育現場への競争原理の導入です。「学区制の廃止」「3年連続定員割れの高校は統廃合」「学力テストの学校別成績公表」などがそれにあたります。
 3つ目は、教員人事システムの見直しです。「全校長の公募制」「教員に対する相対評価による免職」「学校運営協議会による学校評価と教員評価」などが提示されています。

 特に重要なのは「教員の相対評価」という問題です。「絶対評価」と異なり「相対評価」では、特定の評価に対する割合が定められます。条例案では5段階の最低ランクのD評定を、全体の5%必ずつけなければならないとされています。そして、このD評定が2年連続となった教員は研修を受けなければならず、そこでも評価されなければ免職になります。
 この教員評定を行うのは校長です。しかし、校長は独自の判断だけで教員の評価を行うのではありません。保護者を中心とする学校運営協議会の教員評価を基に、評価を下すというのです。この人事評定のあり方を、橋下氏は「教育現場に対する民意の反映」と主張します。

 陰山氏はまず、この教員評価のあり方に疑問を呈しました。彼は「民間企業でこんなことをやってうまくいったところがあるのか?」と問い、相対評価では誰かに無理やり「貧乏くじ」を押しつけることになると批判しました。また、こんなことをしていては「教員の志願者は減る」と論じ、学校現場にける優秀な人材の確保が困難になると主張しました。

 また、「全校長の公募制」については、「これまでの経験上、公募で優れた校長を確保するのは難しい」とし、売名や名誉職を求める人物の排除は困難であると論じました。
 陰山氏の批判は、ツイッター上でなされました。そして、この書き込みの後、スタジオでの対論となったのです。

 橋下氏は、スタジオでの討論の中で、突然、「譲歩」を示しました。彼は急に、「教員評価は必ずしも相対評価でなくてもいい」と発言し、「相対評価」の部分を撤回しました。また、「校長の公募」を「必ずしも全校長でなくてもよい」と発言し、「全」の部分を撤回しました。
 突然の「譲歩」に対して、陰山氏は驚きと戸惑いの表情を浮かべました。そして、勢いに押される形で橋下氏の提案に同意し、橋下氏も「これが本当の熟議ですよ」と誇らしげに語りました。番組終了後、陰山氏は番組スタッフと私に「まだ課題はあるが、重要な譲歩を引き出せた」と満足そうな表情を浮かべ、「橋下氏はやっぱりどこか可愛げがあって憎めない」と笑顔を見せていました。

 のちに陰山氏は冷静になったのでしょう。結局、大阪府の教育委員会は、「教育基本条例案」の全面撤回を求め、その要求に応じなければ全員辞職することを発表しました。教育委員会は、橋下氏の舞台に上がること自体を拒否したのです。これは条例案そのものを議論の俎上に載せないとすることで、橋下氏側にイニシアティブを握らせない方針と見ることができるでしょう。橋下テクニックに乗らない賢明な判断だと、私は思います。

 もうお分かりだと思いますが、橋下氏の一連の政治行動・言論は、彼自身が示す教科書通りの策略によって組み立てられています。
 まず「教育基本条例案」というハードルの高い提案を行い、そこから「相対評価」「全校長」といった一部分を突然譲歩することによって、相手に「仮装の利益」を与えます。その時、自分たちの側が相手の主張に応じて、重要な部分を譲歩したかのように「演出」し、「仮装の利益」の効果を最大化します。相手は「実際には存在しないレトリックによる利益」を真の利益と思い込み、その譲歩に応じて、自分も譲歩しなければならないと「錯覚」してしまいます。結果、橋下氏が事前に設定した「譲歩できるもの」と「譲歩できないもの」の二分法にはまりこみ、彼の思い描いた結末が落とし所となるのです。

私たちは、橋下氏の手法やテクニック、交渉術を熟知する必要があります。そして、この「術」を客体化することを通じて、橋下氏の巧みな操作を見破らなければなりません。

テレビを見ながら、「今は○○というテクニックを使ったな」と冷静に分析することができれば、彼の主張の「おかしさ」を的確に見抜くことができるようになります。

■「たとえ話で論理をすり替える」

黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 11) 「相手を言いくるめる詭弁の極意」。このテクニックは、本人が「詭弁」であることを認識し、「相手を言いくるめる」ことを目的としています。

2012-02-26 01:06:12

 橋下氏は、ここで次のように言います。

絶対に自分の意見を通したいときに、ありえない比喩を使うことがある。(40頁)
たとえ話で論理をすり替え相手を錯覚させる!(41頁)

黄龍 @tanpinsan

橋下徹の言論テクニック 12) 橋下氏は、比喩を多用します。しかし、これは主張を適切に多くの人に理解してもらうためというよりも、自分の意見を通すための「詭弁」であり、「論理のすり替え」を行うテクニックなのです。

2012-02-26 01:06:32

 最近、橋下氏は堺屋太一氏との共著『体制維新-大阪都』(文春新書)を出版しましたが、この中で彼は次のような比喩を使います。

 僕は、大阪都構想と教育基本条例、職員基本条例はワンセットの戦略だと考えています。これは単純な話で、運送会社やバス会社経営における自動車とドライバーの関係と同じなんです。
(中略)ドライバーの話が職員基本条例なのです。ドライバーがどれだけスピード違反をしようが、信号無視をしようが、飲酒運転をしようが、身分になっていると、運転手の交替はない。それが今の日本の公務員制度です。
 これが適切な比喩かどうか、もう一度、考えながら読んでみてください。じっくりと読み直すと、大きな「すり替え」があることに気付きます。
 橋下氏は運送会社・バス会社のドライバーを、地方自治体の職員にたとえています。そして、「スピード違反」「信号無視」「飲酒運転」という法律違反を列挙しています。そのうえで、職務中の違法行為の責任を問われたドライバーが「交替」を命じられるという話を提示し、「日本の公務員制度」では「身分」保障によって「交替はない」としています。

 これは明らかに飛躍に満ちた不的確な比喩です。日本の公務員が職務中に違法行為を犯した場合、当然ですが「免職」を含む処分が下されます。職場の「交替」という処分もあります。しかし、橋下氏はこのたとえ話を公務員や教員の身分保障問題に拡大し、あたかも違法行為を犯した公務員が全く処分されないかのように「すり替え」ています。

 これはどう考えても、「詭弁」としか言いようがありません。しかし、たとえ話には、「飛躍」や「すり替え」が含まれていても、「錯覚」によって納得させる効果があります。しかも、「わかりやすい」と感じさせる効果まであります。

 よく知られるように、橋下氏は大阪府知事就任直後の職員訓示で次のように述べました。

「皆さま方は、破産会社の従業員であるという点だけは確認してください。民間会社で破産、倒産という状態なら、職員の半数や3分の2カットなんて当たり前です。お給料が半分に減るなんていうことも当たり前です」(2008年2月6日、府議会本会議場)
 しかし、先日の知事退任時(10月31日)には、前言を撤回し「皆さんは優良会社の従業員、3年9カ月、ありがとうございました」と述べています。
 この「破産会社の従業員」「優良会社の従業員」も、極めて恣意的な表現です。私は2008年の大阪府を「破産」とするのは適切でないと思いますが、仮にそれを受け入れたとしても、それから約4年たった今日、大阪府の地方債残高は橋下氏の知事就任時よりも増加しており(逆に大阪市の地方債残高は減少)、「破産会社」から「優良会社」になったという「たとえ話」は、成り立ちません。

 橋下氏は言います。

よく聞けばおかしな話も交渉では有効に作用する。(36頁)