モンテーニュ『エセー(五)』抜粋集

モンテーニュ『エセー(五)』原二郎訳(岩波文庫)の抜粋集です。 私的まとめです。
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KK @kjokjo1930

「もしもあなたが臆病者なのに、皆があなたを勇者と褒めたとしたら、皆はあなたのことを言っているのだろうか。いや、あなたを別人ととっているのだ。それではお供のもっとも卑しい身分の者が、一行の主人と間違えられて皆からお辞儀をされて得意になっているのと変りがないだろう。」(モンテーニュ)

2012-02-26 04:04:55
KK @kjokjo1930

「ソクラテスは、あなたの悪口を言っている者があると知らせた人に向かって、『私のことではない。彼らの言っていることは私の中には一つもないから』と言った。」(モンテーニュ)

2012-02-26 04:07:08
KK @kjokjo1930

「結婚では、当然のことながら、親戚とか、財力とかが、本人の魅力や美貌と同じに、あるいはそれ以上に、重んじられる。何といっても結婚は本人のためにするものではなく、それと同等に、あるいはそれ以上に、子孫や家族のためにするものである。」(モンテーニュ)

2012-02-26 04:07:09
KK @kjokjo1930

「この性欲ほど激しい欲望はないのに、われわれは女性だけをこれに抵抗させようとする。普通の悪徳としてではなく、忌むべきもの呪うべきものとして、無信仰や親殺し以上のものとして抵抗させようとする。しかも、われわれ男性はこれにふけっても非難も叱責もされないのである。」(モンテーニュ)

2012-02-26 04:07:09
KK @kjokjo1930

「ある人がプラトンに『皆があなたの悪口を言っている』と言うと、『言わせておきなさい。私のほうで彼らの言葉をひるがえさせるように生きよう』と答えた。」(モンテーニュ)

2012-02-26 04:07:10
KK @kjokjo1930

「自分は快楽を与えずに、他人から受ける一方で平気でいられる人は、少しも高潔なものをもたない人である。何もかも他人におんぶしたがり、厄介をかけている人々と喜んで交際を続けているというのは下劣な根性である。」(モンテーニュ)

2012-03-06 12:57:48
KK @kjokjo1930

「一方の性を非難することは、他方の性を弁護するよりもはるかに容易である。『火掻き棒が十能を笑う』というたぐいである。」※自分の欠点を棚に上げて他を笑う意味。(モンテーニュ)

2012-03-06 13:01:42
KK @kjokjo1930

「裁く権限は裁く者のためではなく、裁かれる者のために与えられる。お偉方があるのは、お偉方自身のためではなく、下々の者のためであり、医者があるのは病人のためで、彼自身のためではない。すべての官職は、すべての技術と同じように、それ自身の外に目的を持つ。」(モンテーニュ)

2012-03-06 17:48:24
KK @kjokjo1930

「もらうことばかり考えている者は、すでにもらったもののことは考えない。忘恩ほど貪欲の特性を示すものはない。」(モンテーニュ)

2012-03-06 17:51:00
KK @kjokjo1930

「ホメロスは、あんなにも優しく清らかでたおやかな女神のウェヌスに、勇気と大胆さを与えるために、彼女をトロヤ戦争で負傷させることに同意せざるを得なかった。勇気と大胆さは、危険にさらされない者には絶対にあずかることのできない徳だからである。」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:08:23
KK @kjokjo1930

「あまりにも権力をもつために、すべてが自分に屈服するというのは、あわれなことである。こういう運命は、自分の友人や仲間を自分からあまりにも遠くに押しやり、自分をあまりにも一人ぼっちにする。」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:08:25
KK @kjokjo1930

「ある人を他のみせしめのために罰するというのがわれわれの法律のやり方である。ただ過ちを犯したからといって、人を罰するのは、プラトンも言うようにばかげていよう。なぜなら、してしまったことは元に返せないからである。(1/2)」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:08:26
KK @kjokjo1930

「罰するのはむしろ、二度と同じ過ちを繰り返させないためか、あるいは、他人に同じ過ちを避けさせるためである。われわれは絞首刑に処する者を匡正するのではなく、その者によって他の者を匡正するのである。(2/2)」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:08:27
KK @kjokjo1930

「世の中には私と同じく、よい手本を真似るよりも悪い手本に逆らうことによって、追随よりも忌避によって、教訓を得る性分の人がいる。大カトーが『賢い者が愚かな者から学ぶことのほうが、愚かな者が賢い者から学ぶことよりも多い』と言ったのはこの種の教訓を指したのである。」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:08:29
KK @kjokjo1930

「精神を鍛錬するもっとも有効で自然な方法は、私の考えでは、話し合うことであると思う。話し合うということは人生の他のどの行為よりも楽しいものだと思う。」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:08:29
KK @kjokjo1930

「書物による勉強は活気のない弱い運動であって、一向にわれわれをかき立てないが、会話は、一度にわれわれを教えもするし鍛えもする。(1/2)」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:13:23
KK @kjokjo1930

「もしも私が、強い魂をもった手ごわい相手と渡り合えば、相手は私の側面を攻め立て、右に左に私を突きまくり、その思想で私の思想を投げ飛ばす。嫉妬、名誉、競争心が私を駆りたて、私を実力以上に高める。したがって、一致ということは話合いにはまったく退屈な要素である(2/2)」(モンテーニュ

2012-03-09 02:13:23
KK @kjokjo1930

「われわれの精神は力強い立派に整った精神との交流によって強められるが、その反対に、低級で病的な精神との絶えざる交際と往来によって、どれだけ損われ、低下するかわからない。これほどに蔓延する伝染病はない。」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:13:25
KK @kjokjo1930

「次のプラトンの言葉を常に口ずさもうではないか。『私があるものを不健全だと思うのは、私自身が不健全だからではないか。』(1/2)」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:13:26
KK @kjokjo1930

「『私自身が誤っているのではないか。私の忠告はそのまま私自身の上にはね返ってくるのではないか』と。これこそ人間のもっとも一般的な共通の誤謬を鞭打つ賢明な神々しい文句である。(2/2)」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:13:26
KK @kjokjo1930

「私の欠点を忠告してくれる人に向かって、それはあなたにもありますよ、などと言うのは適切な返事とは思えない。相手に欠点があるからどうだというのだ。それにしても、その忠告が真実で有益なことに変りはないのである。」(モンテーニュ)

2012-03-09 02:19:06
KK @kjokjo1930

「トゥキュディデスも、そのことでは愚鈍な者が利口な者よりも成功することが多いと言っている。われわれは彼らの好運の結果を知恵のせいにする。(1/2)」(モンテーニュ)

2012-03-09 15:15:45
KK @kjokjo1930

「“運命を利用する者は人にぬきんでる。そしてみんなが彼を知恵者と誉めたたえる。”だからはっきりと言おう。どうしても、結果はわれわれの価値と能力についてほんのわずかの証拠をしか示さない、と。(2/2)」(モンテーニュ)※“”内はプラウトゥスの言葉

2012-03-09 15:20:36
KK @kjokjo1930

「私は言葉の上でも、行為の上でも、あらゆる種類の圧制がきらいである。このように感覚によってわれわれの判断を欺く空虚な事柄に対しては無性に反抗したくなる。だから、あのとてつもなく偉い人々を仔細に観察してみて、たいていの場合、普通の人と変らないことを知ったのである。」(モンテーニュ)

2012-03-10 03:06:01
KK @kjokjo1930

「『結果で意図を判断してはならない』という格言も正しいからだ。カルタゴ人は隊長たちの計画が間違っているときには、たとえそれが好運な結果に終ったとしても、これを処罰した。」(モンテーニュ)

2012-03-10 03:06:02