欠落ふたつ(しかにあ)

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu それじゃま、ゆっくり始める感じで。タグつけつつ。――　「バイザウェイ」ところで、と。独特の言い回しで、轟雷神は恋火の魔神に問う。「ユーツィークちゃんは、大魔翁ちゃんの話をハウシンクしてる？」話とは、魔に近い者を世界から切り離し、別の場所へ移すこと。 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang ｢ああ、あのおもしろい話ね!!｣あのギラギラした人間の顔を思い出し、口元がゆるむ。｢人の子っておもしろいわー!!なんであんなこと考えちゃうのかしら。理から外れようだなんて｣ねえ、と轟雷の名を司る同族をみやる。 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「ソウ、バァット」同属の視線を受け止めつつ、轟雷神は肩眉を上げる。「大魔翁ちゃんがやる、といったらやるんじゃないか、と我ちゃん思うよ」人間は強くなった。神との交渉という、かつては夢物語だったことが出来るまでに。「だったら、こっちもチョイスしないとね」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「ほんとうにすごいことをかんがえるもんだわ」守られるわけでもなく、すがるわけでもなく。自分の足だけで進みたいと願うのだから。「なんと、おろかで、愛しい子たち」あなたもわかるでしょ？と相手に笑いかける。「チョイス……ふふんあなたはどうするの？」 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「それがジャストプロブレム、だねえ」まるで遠雷を聞くような表情で、轟雷神は答える。「我ちゃんたちの欠けたソウルは、人間ちゃんにリターンを貰ってサムハウ存在できてるわけだし。異世界じゃそれもキャノットでしょ？　でも、人間ちゃんになりたいわけじゃない」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「もっとも、あたしたちみたいなのを『生きている』と表現するかどうかは、あたしにもよくわからないけれど」 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「ザッラィ」笑いながら首を振る。「なれないよねえ。我ちゃんたちが人間ちゃんになる。パワーもないのに欠落を埋めようとファイトする。想像もキャノットだよ」親指で自分の胸を突く。「欠落だ。我ちゃんは善行。ユーツィークちゃんは恋情。少しは理解できたかい？」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「ふん、あんたの口から恋情だなんて聞くとはおもわなかったわ」わざとらしく身ぶりをしながらため息をつく。「そうよ、あたしたちは欠けている。だから『なりたい』なんて願えない」願わない、のかもしれない。願うほどに自らの劣っている点を知ってしまうのだから #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「概念は知ってるもの」曇り空が唸るように。「中身は理解インポッシブルだけどねえ」つまらなそうに、応える。「だけど、そうだねえ。ナウ、で言えば……」息を吐く。小さく雷が響く。「人間ちゃんになるのも畏世界も、我ちゃんとしてはどっちもソーリィかな」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang ――その痛みをしらないとはいわない。そうか、とは理解はできていないけれど、もしかしたら、とどこかでおもっている自分がいる。それを気取られないように、轟雷神を見つめる。「あたしもごめんだわ」 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「ふむ」そうか、と。「恋情をメニメニ観てきたはずのユーツィークちゃんが判らないなら、善行だかなんだか判らないものしか見てない我ちゃんがアンダスタンドできる日はファーアウェイになっちゃうなあ」僅かに残念そうな表情で。 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「ちょっとーー人を変な生き物みたいにいわないでよね！！！！」その鼻つまんでしまうわよってぶいぶい。「だいたいねえ、あの話じゃどう転んでもあたしたちのライフワークはなくなってしまうじゃない！」 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「ストレンジな生き物だよ。キミちゃんも我ちゃんもね」つまみたければつまみなよ、そこで呼吸してるわけじゃないもの、と返して。「だって、居場所がなくなるのが解ってるのに、大魔翁ちゃんを止めるつもりもナッシンだよ？　まともじゃないさ」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 言葉に甘えて鼻をぐいっとつまんで顔を近づける。真っ直ぐに、その目を見つめて「まともでいられるとおもう？――数えるのさえ億劫になるこの歳月をこうして在るのだから」にこり #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「それを言っちゃうのかい」鼻を摘まれたまま。大きく肩を竦める。「それはバッドアイディアだよユーツィークちゃん。欠けてる上に擦り切れてるなんて認めたら」そこで大きく、雷鳴の如く笑い。「消えたくなっちゃうじゃないか」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「ふん、行き場がないならそうなるじゃない」手を離して、腕を組む。ああそうか、やはり自分たちは感覚が近しいのだ。「そうして、この世界のままにありたいじゃない？」(いじわるににやり #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「イグザクトリィ」なにかを企んだような笑みに頷いて。「バット、この世界のままに、となると」指先で、雷を紡ぐ。そして現れた雷光を、そのまま糸のように――自分という糸玉を解くように伸ばし続ける。「こうしちゃうのかい？」言った瞬間、ひゅるり、と戻った。 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「選べないなら」目を閉じる。「それしか、選べないのなら、それも選択だわ」どこか雨の匂いを感じさせる魔神に笑いかける。「もっともそれ以外にできることがあればそのほうがいいに違いないわね？あたしはまだあたしらしくいたいわ。あなたはどう？」 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「キャンドゥなところまで命をバーニン、ってことかな？」さすがだね、と炎の魔神に目を向けて。「我ちゃんは知りたいよ。善行とはワッツをね。何がグッドで何がバッドなのかも」でもねえ、と一言。「無理なら、それもグッドだね。元が一瞬光って消えるモノ、雷だもの」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「あなたは子どもみたいな顔をするのね？」ついと頬をなでる。「――あなたにはしたいことがないの？なにもおもわないの？」誰かの笑顔がみたいとか、喜んでほしいとか。そこまで言いかけて、やめる。それは轟雷神たる彼が見つける答えだ。 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「ナッシンだね」首を振り。「善行をアンダスタンだりたかった。それはもうすぐ叶わなくなっちゃう」天を見る。「我ちゃんが魔神にしちゃった、人間ちゃんにアンドゥしてあげたかった子がいた。それはもう叶っちゃう」言って、ゴロゴロと笑う。「また探してはみるけど」 #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「メイビィイエス。メイビィ……ノー」だけどね、と頷き。「ユーツィークちゃん。残り時間はきっとアリトルだ」気を付けないとね、と顎を撫で。「人間ちゃんたちを助けるために作られた我ちゃんたちが、人間ちゃんを喪うなんて……考えてもなかったねえ」小さく呟いた。 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang やめて、ききたくないわとは言えなかった。それは痛いほど分かっている。「――いらないといわれるのは、かなしいわ」ちりと、誰かのために、誰かを灰にかえた感触を思い出す。「あのこたちを、見ていたいだけじゃだめなのかしらねえ？」あたしたちの、小さな我儘は #シカニア

生方一寛 @na_ma3

@yotsuyu 「存在しているだけで世界に影響をギブしちゃう。それが我ちゃんたち、って言うことなんだろうね」まるで人間のように“願望”を呟く同朋に、夜に焚火を見るような眩しさを感じて。轟雷神は笑った。「ユーツィークちゃんは、我ちゃんよりは次の世界に適応できそうだ」 #シカニア

ヨツユ🌸 @yotsuyu

@ele1kuang 「いかないわ」 この手で燃やした全てを抱えて歩くのは簡単ではない。それを言ってもきっと分からないというのだろう、目の前の彼は。「いけないわ」この空に浮かぶあの第二の世界にも、ふるさとであるあの世界にも。「簡単に割り切れるほど不器用になりたいわね」 #シカニア