「出版社が隣接権を欲しがる理由・法学者編」Vol3 最終章

赤松健先生による【なぜ出版社は「著作隣接権」が欲しいのか】 http://kenakamatsu.tumblr.com/post/19395239269/rinsetsu をキッカケとした、著作(特にマンガ)と出版社の持つ権利に関するまとめです。 「なんのこっちゃい」という方は下記「ダイジェスト版」をご覧ください。 続きを読む
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小倉秀夫 @Hideo_Ogura

演奏し直せば大丈夫です。漫画家の場合、それは、絵を書き直すということですね。RT @RodinaTP: 「録音された演奏のレコード」を著作者や実演家が思うままに使うことはできないと思います。が、録音されたらレコード会社に許諾を取らなければ自分の曲を演奏できなくなる理不尽はないはず

2012-03-20 20:13:46
小倉秀夫 @Hideo_Ogura

ただ、漫画家と出版社は同時に版面を作成するわけではありません。RT @RodinaTP: 第二条 六に 「レコード製作者 *レコードに固定されている音*を最初に固定した者をいう。」とされていますから、それぞれの録音ごとに独立にレコードが製作され、それぞれ独立に隣接権が発生するは

2012-03-20 20:15:06
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

小倉先生の学説およびお仕事は尊敬しておりますが、この解釈は私の理解と著しく異なっております。私のほうが格下であることは承知しておりますので、ここは引きますが、承服しかねます。@Hideo_Ogura 演奏し直せば大丈夫です。漫画家の場合、それは、絵を書き直すということですね。

2012-03-20 20:19:10
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

私にもうすこし能力があって、力があればな。

2012-03-20 20:22:20
小倉秀夫 @Hideo_Ogura

問題が起こった時に裁判所は白田先生の見解を採用するかもしれないし、私の見解を採用するかもしれない。後者の場合、漫画家は悲惨な状態になります。そういう立法は回避すべきというのが私の考えです。RT @RodinaTP: この解釈は私の理解と著しく異なっております。

2012-03-20 20:22:55

Round.2 法学者白田総統と漫画家須賀原洋行先生

 こちらのテーマは「(たとえ出版社に隣接権が付与されたとしても)法的には著作者の権利のほうが圧倒的に強いのに、なぜ現実の力関係はそれを反映しないのか(反映されないのか)」。
 
「法は現実の前にいかなる力を持つべきか」という根源的な問いに、須賀原先生がこれまでとは別サイドの「実態」を語ってくれました。

ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

大事な問いなのでもう一回→著作者は自らの作品を複製する権利を専有するとされていて、さらに90条に隣接権は著作者の権利に影響を及ぼさないと明記してあるのに、いったん書籍刊行された事実で、自らの作品を誰に複製させるかを決定する著作者の権利が制限されるのはどういった理由なんでしょうか。

2012-03-20 20:59:02
須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 @tebasakitoriri

(>RT)これまで著作者の権利は出版社と一体で実効性を持ってきた。出版社の雑誌で連載し、単行本を出してもらい、版権ビジネスも出版社が代行してくれて作家は食えてきた。でも今は個人がブログでマンガ連載して大人気〜アフィリで食えるとか、文章のメルマガ配信で食える人とかポツポツ出てきた

2012-03-21 05:41:32
須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 @tebasakitoriri

そこで、ネットで食えそうな(あるいは食っていきたいと願う)人達が「時代は変わった」「出版社終了」「ネットは黒船」論を煽る煽る。それに加えて一般の人々も、自分の考えを簡単に表現できてまとまった人数に読んでもらえる個人メディアとしてのブログやツイッターを重視し始めた。

2012-03-21 05:41:57
須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 @tebasakitoriri

そんな状況で「出版社は焦ってる。作家を今のうちに囲い込んでおこうとしている」論が発生した。だが出版社は「ネット時代になっても今まで通り作家と共存共栄で儲けていきたい」と思っているだけ。マンガ家の多くもそうだと思う。ブログマンガで大量アクセス稼いでも、大金を稼げるのは紙の本だ。

2012-03-21 05:42:09
須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 @tebasakitoriri

著作隣接権問題もこの流れで発生した。これまでは出版社が出版契約書で作家を取り込んでいても問題はなく、むしろ作家もそれで執筆に専念できた。でも「時代は変わった」論が両者の間に手をつっこんでかき回している「作家よ動け。でないと出版社に食い物にされるぞ。これまでもそうだったろう?」と

2012-03-21 05:42:20
須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 @tebasakitoriri

とはいえ、絶版扱いになった自著などを作家が個人で電子書籍化できる時代になったのも確か。だから赤松さんのJコミのような試みは評価されるべきと思う。円満姿勢で出版社と交渉しているのも好感が持てる。隣接権でもめるのではなく隣接権をどう両者にとってうまく運用するかを探っていければいい

2012-03-21 05:42:32
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

主として漫画家さんについて語っているが、事態はむしろ作詞作曲家さん、音楽家さんの方が深刻。現状では自分に発生しているはずの著作権・隣接権をほとんど自分で管理することができない構造が法律+産業構造としてできあがってる。もちろん、説得的かつ合理的な仕組みとして。

2012-03-21 07:28:04
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

「君たちにあるんだよー」と言われているものを自分で使おうとすると「君たちはなんにもできないんだよー」と後から言われるとガッカリ感が数倍増大することは容易に想像できる。これは創作へのインセンティヴを大きく阻害すると思うので、保護期間延長以上に検討すべき問題だと思う

2012-03-21 07:31:22
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

創作者が自分にあるはずの著作権・実演家隣接権を、可能な限り本人の意思にそった形で運用できるわかりやすく統合的な仕組みを設計することは、いまの技術環境なら、40年以上まえよりも容易だしいいものができるだろう。こういう創作者の自由を増すことこそ、インセンティヴ増大に貢献すると信じる。

2012-03-21 07:33:59
須賀原洋行 週刊アサヒ芸能で4コマ漫画『うああな人々』新連載。 @tebasakitoriri

誰も答えられないのはそれがネット世界で醸成された一種の妄想だからだと思います。その流れを私なりに連続ツイートしてみたので読んでいただければ幸いです。 RT @RodinaTP: 大事な問いなので一般化してもう一度→著作者は自らの作品を複製する権利を専有するとされていて、

2012-03-21 07:42:41
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

はじめまして。そして「一方的にご無沙汰しております」 大学院のころにずーっと読ませていただいておりました。私も「妄想」に近い根拠のない話だと思っております。が、そう主張する方もいるのでたずねております。@tebasakitoriri それがネット世界で醸成された一種の妄想だから

2012-03-21 07:57:45

Round.3 法学者白田総統と漫画家赤松健先生と同須賀原洋行先生

 ここでのテーマは白田総統の「法的には著作者のほうが出版社より圧倒的に強いはずなのに、なぜ著作者は隣接権ごときを出版社に与えようとしないのか?」という問いに対し、赤松先生が「現実的には(特に新人作家は)出版社のほうが強いから」と実態を語ってくださっています。

ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

大事な問いなので一般化してもう一度→著作者は自らの作品を複製する権利を専有するとされていて、さらに90条に隣接権は著作者の権利に影響を及ぼさないと明記してあるのに、隣接権が発生すると、自らの作品を誰に複製させるかを決定する著作者の権利が制限されるのはどういった理由なんでしょうか。

2012-03-21 07:18:33
赤松 健 ⋈ @UQ HOLDER! 最終話執筆中 @KenAkamatsu

@RodinaTP お答えいたします。特に漫画の場合、「出版権」を渡すときに、出版社と作者の間で「独占出版契約書」を結ぶからではないでしょうか。これは、その出版社以外で出版することを3年ほど禁止する契約です。そうなると著作者も「自らの作品を誰に複製させるか」を著しく制限されます

2012-03-21 08:02:10
赤松 健 ⋈ @UQ HOLDER! 最終話執筆中 @KenAkamatsu

@RodinaTP そして「独占出版契約書」には自動更新の条項が必ずあり、双方から何も言わないと延々と数年ずつ延長されます。このため、漫画の出版権は延々と出版社が独占し続ける傾向にあります。

2012-03-21 08:05:25
赤松 健 ⋈ @UQ HOLDER! 最終話執筆中 @KenAkamatsu

@RodinaTP しかし、今でも自動更新を停止したいと連絡すると、「今まで一緒にやってきたじゃないの」とか「もうウチでは書かせないよ」と言って妨害されるのに、著作隣接権ができたら「妨害のネタ」が1個増えるでしょうが。(^^;) これに新人漫画家さんが抵抗できるわけがありません。

2012-03-21 08:10:26
赤松 健 ⋈ @UQ HOLDER! 最終話執筆中 @KenAkamatsu

@RodinaTP つまり、私が隣接権を危険視しているのは、私のような「意見を言える作家」のためではなく、「意見が言えないような弱い新人作家」のためなんですよ。

2012-03-21 08:11:59
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

出版権 http://t.co/NSHunM8K の部分をごらんください。まず出版権は出版者の権利で、著作者との間で設定するものです。それが「独占出版契約」と呼ばれるものです。これは隣接権 http://t.co/fcKDmn6S とは別のものです@KenAkamatsu

2012-03-21 08:07:20
ロージナ茶会 / 峰盛山 旭霜 @RodinaTP

「第八十四条 出版権者が第八十一条第一号の義務に違反したときは、複製権者は、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。」←自動更新せずと通告して、契約が満了した後、84条を行使すればよいと思うのですが。 優秀な弁護士もいますよ。@KenAkamatsu

2012-03-21 08:11:07