Romer4e

@tetsuyaseikiさんのRomer4e解説! 大いに参考になりますので纏めさせていただきました。
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Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

Romer 4e 11.4 単純なバックワード・ルッキング・モデルにおける最適金融政策 3eのBall(1999) http://t.co/nfapaMgJ を若干書き換え。

2012-03-03 18:27:36
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

Romer 4e 11.5 単純なフォワード・ルッキング・モデルにおける最適金融政策 The "Divine Coincidence" スタンダードなNKPCでは、インフレ安定化と産出安定化の間に矛盾が発生しない。従って、中央銀行はEt[πt+1]=0及び(続)

2012-03-03 18:53:12
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前) yt=ytnとなるよう名目金利を設定することでインフレと産出の同時安定化が可能となる。これをBlanchard & Gali (2007) http://t.co/b7nlZhMh は、(続)

2012-03-03 18:57:29
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)"divine coincidence"と呼んだ。直感的な説明をすれば、価格設定のバックワード・ルッキング的な行動が欠落していることから来ている、とも言える。(了)

2012-03-03 19:00:20
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

Romer 4e 11.5 単純なフォワード・ルッキング・モデルにおける最適金融政策 最適政策の実行 中央銀行は、名目金利を自然利子率に設定すれば、y = yn, π = 0となって、最適金融政策完了!となるのでは? 残念ながら話はそんなに簡単では無い。(続)

2012-03-03 19:11:44
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)Gali (2008, Sec.4.3 P.76)等も強調するように、またSection 6.4 P.266 にもあったように、forward-looking modelに内在するサンスポット均衡に陥る。P.539の説明は判りにくい。これを避けるには、中央銀行は(続)

2012-03-03 19:25:08
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)自然な拡張として、 it = rtn (11.38)にEt[πt+1]とEt[yt+1]の関数を付加してやればよい。即ち、it = rtn + φπEt[πt+1] + φyEt[ y~t+1] (11.39) サンスポットを避けるには、例えば、φy =0,...

2012-03-03 19:38:28
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

≦(承前)φπ>1 とすればよい。複数均衡を避けるには、差分方程式体系xt = AEtxt+1 で |A|<1となればよい。(11.39)でrtn = 0とし、(11.34)に代入しまとめてAの固有値を求めると、φπ >1とすれば、正の解は1未満となり複数均衡は排除。(続)

2012-03-03 19:54:41
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)負の解が-1未満となる可能性があるが、Gali(2008, Sec.4.3.1.3 P.79)によると妥当なパラメータを取れば排除可。また、(11.39)でπt及びy~tの関数とした場合(11.43)も、φπ>1 とすれば複数均衡排除可(Gali Sec.4.3.1.2)

2012-03-03 20:00:12
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

Romer 4e 11.5 "Divine Coincidence"を破る "Divine Coincidence"が実際には生じないことは、バックワード・ルッキング要素の考慮をだけでなく、フォワード・ルッキングモデルでもあり得る。最適なワルラス的均衡y*と伸縮価格均衡yn(続)

2012-03-04 19:10:28
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)に差が可能性があることが原因。NKPCよりインフレは定常状態でπとなる場合、y-ynは、(1-β)πで定常状態となることから、政策担当者は、(β<1から)正のインフレを保つことで、産出yを最適な産出y*(>yn)に近づけることが可能に。しかし、動学的非整合性問題が発生。

2012-03-04 19:29:58
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)y*-ytnを平均0のホワイトノイズの変動従うと仮定。中央銀行が、Et[π+1] = 0, Et[yt+1] = Et[ynt+1] = Et[yt*]とする政策を行った場合、NKISCでの産出ギャップの目的yt =yt*とNKPCのインフレ目的yt=ytnで名目金利設定

2012-03-04 19:37:24
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)に矛盾が生じ、divine coincidenceが破れる。この場合も動学的非整合性が問題となる。この段階での通常のアプローチは、中央銀行が、代表的個人の予想をシステマティックに裏切らない様に政策選択についてルールをコミットできると仮定することだが、別の問題が発生する。

2012-03-04 19:46:46
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

Romer 4e 7.9 議論 ミクロ基礎論争について、Romer先生も論じている。DSGEモデルの評価も二つの両極端の間の連続体となる。一つはミクロ基礎に基づいたもので、もう一方は、アドホックな仮定に基づいたもの。後者は前者について、①複雑なモデルの割に多くを省略している(続)

2012-03-04 21:23:56
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)②前者の重要な特徴(意思決定の慣性、インフレのインデクセーション、消費の習慣形成、投資の調整費用)のミクロ基礎は?、と批判。それらを取り込む動機は、ミクロ経済的証拠ではなく、マクロ経済的な事実に適合させたいという願望のため。後者の見方では、これらの特徴の必要なのは、(続)

2012-03-04 22:25:16
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)前者のモデルが重大なギャップを持っていることを示唆。真実は両極端の中間にあるが、そのレンジのどこに真実があるかによって、どの様にマクロ経済学者が研究行うべきか問題となる。真実が①に近い程、新しい現象を統合しモデル化することの価値が高まり、②に近い程、それらを統合した(続)

2012-03-04 22:34:50
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

(承前)モデルを打ち立てることを、我々の理解が更に進むまで延期し、より狭いモデルで新しい問題に取り組むことの価値が高まる。(了)

2012-03-04 22:41:21
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

@hasutake Ss Ruleは、ブランチャード&フィッシャー(1989)第8章に11頁に亘る解説があります。 Romer 4e 7.6のミクロ実証結果を見ると、Time-dependent or State-Dependent?は20数年経過しても依然未決着の様ですね。

2012-04-01 11:26:35
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

@hasutake 先月の英米ブログ界のミクロ基礎論争は興味深かったですね。WREN-LEWIS先生のpost http://t.co/lNTcDlBO で、ミクロ=演繹法、マクロ=帰納法による方法論的矛盾の指摘とか、Noa Smith氏の一連のpost(ひも理論との対比)等。

2012-04-01 13:26:47
Tetsuya Seiki @tetsuyaseiki

@hasutake マクロ業界ではデファクトな方法論=ルーカス批判 耐性モデル≒ ミクロ基礎付モデルというお決まりだったのですが、では「代表的個人モデル」はOKなのか?と言うと、unrep先生のこのpost http://t.co/YRN5aLU1 によると、ん??と。。

2012-04-01 17:50:01