第7話 「 鍵と金色の意味 」

未咲(みさき)の先生が出現。 と思ったら、「先生が決まるまでの間の先生」だったことが判明。 未咲とともに≪正義の戦士≫の授業を受ける、秋本くんと、ハルル。 そして――――!?
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光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の26 (速っ‥やっぱり、私たちより頭いいんだ‥)「と思いましたが、いったん休憩にします」――2分後、秋本くんがトイレに行ったとたん、ハルルが言いました。「外国だったら飛び級ですね。初めてのはずなのに」「彼は、初めてですよ」先生が、楽しそうに即答しました。

2012-04-03 15:14:31
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の27 「あ!」ラファエルが窓に駆け寄りました。「ラファエルさん、なに??」未咲も駆け寄り、「変身したんじゃないですか?」ハルルが言いました。いつもの冷静な声ですが、まるでUFOでも見たように驚いた顔をしています。「ほんとだ! また、イリュージョン。ルビーになってる」

2012-04-03 15:26:57
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の28 (ラファエルさん、なにを見たの?? ‥コワいよ)未咲は、涙目をこらして、窓ガラスの向こうをにらみます。先生もハルルも窓ガラスを見つめ、その向こう側の空中に≪透明の目≫を置きました。この術を使えば、デジカメで撮影するのと同じくらい、ハッキリと見ることができます。

2012-04-03 15:34:48
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の29 「風で妖精さんが、飛ばさ」ゴゴォー‥「突風ですか?」ラファエルの説明を、突如さえぎる風。先生は、こんなときでも即答です。「習ったのと違うんですが、確認、可能ですか?」ハルルが、不審そうに窓を見てから言いました。先生は、タイム・ページの使用を許可しました。

2012-04-03 16:03:35
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の30 「妖精さんは、着地で死ぬことはないし、投げ飛ばされても頭を打たないんでしょう?」秋本くんが、言いながらドアを開けて入ってきました。「秋本くん//」「さっき習ったところを、もう自分のものにするなんて‥!」イリュージョン・ルビーとハルルも、決意の表情になりました。

2012-04-03 16:08:17
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の31 先生が腕時計を見ると、14:51。「故障しないから買ったんですけどね~」と、苦笑いする先生。「ごめんなさい。間違えましたっ!」ささのみことが抱えた紙コップから、同じ身長の≪小さな人≫が、にゅうっと出てきながら言いました。「じゃ、いったん帰ります」「待って!」

2012-04-03 16:12:44
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の32 イリュージョン・ルビーと秋本くんが、同時にダッシュで止めました。「西暦何年の、何月何日に帰るの?」秋本くんが無理やり呼吸を整えて尋ねると、ルビーも頷きました。「2012年3月の‥終わりごろです。では」ハルルは、布をかぶって消えました。「うそぉ! 手品!?」

2012-04-03 16:17:53
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の33 「『手品』ではありません。『魔法学にもとづいたアイテム』です」先生が、少し用心深そうに言いました。「でも、『マジック』ではあるんですね」「秋本くん、すごい!」先生は、妖精さんの救助に向かう≪小さな人≫を見送り、くるりと言いました。「もう1つは、わかりますか?」

2012-04-03 17:31:34
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の34 「僕はもう答えたから、交代する?」「ん~――わかんないから、いいっ」先生に「はい♪」とさされ、再び、秋本くんが答えました。「サイン・ペンとか、油性ペンのことも、『マジック』って言いますよね?」「正解です☆」(やっぱり、すごぉい!)未咲は、思わず拍手しました。

2012-04-03 17:42:11
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の35 その拍手が止んだとき、≪小さな人≫が2人、帰ってきました。いつのまにか救助に加わっていた ささのみこと。その背後に密着して少女を背負っているのは、さきほど紙コップから出てきた人です。まず、ささのみことが窓ガラスを透りぬけ、2秒で鍵を開け、窓を少し開けました。

2012-04-04 00:11:12
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の36 次の瞬間、少女を背負った人が入ってき終ると、ささのみことはパタン、ガチャガチャ、と戸締りしました。「おかえり」「おかえりなさい」皆が言い、秋本くんが「よく無事で」と言ったとたん、その≪小さな人≫は、大粒の涙があふれながら、こらえようと目を閉じ、開けました。

2012-04-04 00:18:16
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の37 ささのみことは、もらい泣きをこらえ、温和な声で、その人に尋ねました。「風葉命(かざはのみこと)、どうしたのですか? わたくしでよろしければ、お聴きしますよ?」「ありがとうございます」風葉命は 真っ白いガーゼをバッと取り出し、涙を瞬時に拭きとってから、言いました。

2012-04-04 00:27:35
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話38 「以前、私がまだ未熟な神だったころ、万引きというものを‥してしまいまして」「‥そうですか」「はい。きのう術を覚えたので、もとの時空にお返ししようといたしましたが、間違えてしまったようなのです」風葉命は そう言うと、土下座して謝り、ささのみことに止められました。

2012-04-04 00:40:27
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の39 「あなたのせいではないと思いますよ。どこで、ズレてしまったのでしょうね?」ささのみことが柔和な笑顔に変わりながら言い、皆でそのことを考えることになりました。「もしかして、時計に反射して、」「なに盗んだの?」「未咲ちゃん」先生が、苦笑をこらえた顔で制止しました。

2012-04-04 00:56:25
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の40 「風です。吹いていただこうと、持ち去りました」「えっと‥」未咲が、話についていく自信が減った、次の瞬間です。ラファエルが1歩前へ出て、秋本くんをちらりと見てから、尋ねました。「時計などのガラスに、光が反射した可能性は?」―「はい。針を勘違いいたしました」「!」

2012-04-04 01:03:17
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の41 (すご‥また正解!)未咲は、驚きと尊敬の気持ちで、目が点です。(これからも、人を助けたり、敵を倒したり‥そんなとき、秋本くんがいっしょだったら♪//)「ん‥」妖精の少女が、机の上に置かれた小さなベッドで、ゆっくりと上体を起こしました。背中には、羽があります。

2012-04-04 01:25:50
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の42 そのベッドのプラスチックの部分と かけ布団は、あざやかな濃いピンク色。チラリと、白い しき布団が見えます。かけ布団には薄ピンクの雲と淡いレモン色の三日月と星が散りばめられ、衿カバーの部分は、模様入りの白いレースでした。「素敵!」女の子は飛び起きました。

2012-04-04 11:39:40
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の43 この時点で、ハルルが≪手品のように≫未咲たちの前から消えた瞬間から、4分57秒が過ぎていました。――さて、少し巻き戻ってみましょう。消えた瞬間から1秒後。未来のとある部屋に降ってきた瞬間のハルルを、2人の≪透明人間≫が、静かに見ていました。

2012-04-04 11:52:09
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の44 「痛‥」両手をついて立ちかけたハルルは、「うわっ」と、尻もちで後ずさりました。かすったら血が出そうな硬そうな光沢のものが、床に垂直にささっていて、怪しい光を放っています。2段の低い本棚。その上に置かれた本に、光の表示が見えます。「ここから出たとすると?」

2012-04-04 13:32:27
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の45 本棚から着地地点へ、自分はこれをよけて着地したのだろうか? ハルルは、困惑顔のまま、1メートル定規を当ててみました。バキッ! ゴト‥。さきほどのとがったものの先の部分が定規にぶつかり、折れて床に落下。単行本をあてて見ると、それは、短いほうの辺と同じ長さでした。

2012-04-04 13:47:59
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の46 「おかしい‥」(無かったはずのものが存在して、しかも、突き刺さってる必要あるのか!? 意味が分からん!)少しばかりの頭痛を感じながら、何気なく本棚に目をやると、時計は14:51。ハルルは、ペット・ボトルの水をゆっくりと2口飲むと、キャップを閉めて床に置きました。

2012-04-05 00:57:58
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の47 (そういえば、時間旅行から帰ってくると、1秒後か2秒後って、多かったな。出発時刻ピッタリじゃなくて)自分の気持ちは落ち着いたと信じて、窓際へ―14:56。「あれ?」(もう少し晴れてなかったか?)ヒョォーー「音が?」ガララッ。ハルルは、窓を開けて驚きました。

2012-04-05 07:25:00
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の48 「いったい何故‥!?」ハルルが身を乗り出してキョロキョロと辺りを見ると、透明人間たちは、同時に顔をしかめました――が、目を見合わせたり、話し合ったりはしません。2人とも透明で、息を殺し、気配を消しているので、もう一人いることを知らなかったのです!

2012-04-05 07:26:16
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の49 ビョオォオォォー「風が異常だ。まるで、台風でも来るみたいな‥」ヒュン‥なにか小さなものをよけましたが、目で追うのがやっとでした。「くっ」左の頬に痛みを感じ、触れた指を見ると、「血?」。大慌てで窓を閉め、落ちていた手鏡を拾って見ると、痛かった位置に、小さな切り傷。

2012-04-05 07:27:12
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の50 ハルルが2階から階段を駆け下り、直下の1階の部屋のふすまを開けると、大小の植木鉢が5つ、鯉が元気そうに泳いでいるプラスチック製の池が1つと、物干し、犬小屋。「やはり異常だ」―「異常って?」自分の声でした。ハルルは、ふすまを静かに閉め、2階へ素早く逃げ帰りました。

2012-04-05 07:30:41
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