第7話 「 鍵と金色の意味 」

未咲(みさき)の先生が出現。 と思ったら、「先生が決まるまでの間の先生」だったことが判明。 未咲とともに≪正義の戦士≫の授業を受ける、秋本くんと、ハルル。 そして――――!?
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光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の51 ハルルはパソコンを立ち上げ、画面右下の時刻を凝視しました。15:02。(また音?)窓の外は、雨になりました。画面に視線をもどし、時刻にカーソルを合わせると、「2012年4月3日」と表示されました。バッと卓上カレンダーを見ると、1日と2日の分が消されています。

2012-04-05 07:31:50
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の52 (3月じゃない!)ハルルはパソコンをシャットダウンし、微妙に日時がズレたのはなぜだろうと思いながら、再び、タイム・ページを使用しました。「く。今度こそっ!」まばたきして目を開けると、自分の体は、風も温度もなく、ちょうどよい湿度の空間に浮かんでいました。

2012-04-05 07:42:06
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の53 冷たい青と、不思議な緑色、蛍光黄緑‥そして、一部に金色の混じった空間。かすかな優しい音色と、波の音しか聞こえません。(ここが4次元? ヒーリングの世界なのか?)―実は、2人の透明人間が、透視していました。「待て!」「!?」もう1人の透明人間は、ハッとしました。

2012-04-05 07:58:05
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の54 (この声は!)自分の他に透明な人が、少なくとも、もう一人いたのです――! しかも、自分の知っている人の声でした。今この場で彼を消すべきか――迷いましたが、もしかしたら、もっと何人もの≪透明人間≫が存在するかもしれません。見ると、ハルルの姿はもうありませんでした。

2012-04-05 08:03:27
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の55 「ふぅ」(助かった!)ハルルが立っていたのは、とあるマンションの一室でした。部屋の雰囲気から、団地やアパートではなく、高級マンションだと分かりました。「夜か」暗い庭と、外灯。「さっきは空間の部屋を2つくらい移動したから‥よし♪」3月に帰れたような気がしました。

2012-04-05 08:14:52
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の56 (しかし、あの外灯の色。どこかで見たような‥でも、この部屋は初めてだし)ガラス戸の鍵を開け、外へ出ようとした瞬間です。「きゃ!」「ね、イケメンでしょ~♪」(女の子の声?)ハルルが仰天して≪姿を隠す魔法のスイッチ≫を押すと、2人の少女が歩いてきました。(高校生?)

2012-04-05 08:34:18
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の57 コト‥ポケットから、四角い黄緑色のものが落ちました。「あ」ハルルが拾おうとしたとたん、それは床に吸い込まれ、――未咲たちの部屋に落ちました。カン。「びっくりしたぁ!」「今のは、何だろうね?」「これですね」2007年1月19日 14:55。

2012-04-05 08:49:47
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の58 ささのみことが、震えながら言いました。「皆さん、よく冷静に。感心いたしました」先生は、「これは‥何をする道具でしょうね?」と、手に持ってみました。秋本くんが言いました。「金属のお皿に落下したから、故障していないかな?」「金属ではありませんよ」「え?」

2012-04-05 08:59:00
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の59 「なんと、『錬金術』です! ほら、いい感じに金ピカでしょう?」先生は、得意そうに言うと、お皿を未咲たちに見せました。シルクハットの中を見せるマジシャンのようだと、未咲は思いました。「それは、『非科学ゾーン』の側の‥プロの人がやったんですか?」「なんと、部活です」

2012-04-05 10:31:15
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の60 「うそぉーー!!!」部屋は、未咲の驚きの絶叫に包まれました。――2秒間の静寂。先生は、苦笑まじりに言いました。「ノリで質問に答えたところ、その中に、たまたま、天才くんがいたんです」トントン。「は~い」未咲が、とりあえず返事だけしますと、ママが入ってきました。

2012-04-05 10:37:48
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の61 「大丈夫? ストーカー!?」「ビックリして、つい‥」未咲が答えました。「すみません。私が意外性のあることを言ったもので‥」先生が、深々と謝罪しました。詳細は秋本くんが、≪錬金術≫という言葉を伏せて説明しました。「な~んだ。そうだったの」ママは安心しました。

2012-04-05 12:51:09
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の62 「寒椿、すてきですね」「おおきに」「かんつばき??」未咲は、クエスチョン・マークが飛び交っている顔です。ママは、自分の着物の裾を指さして、言いました。「ほら、ここよ。お花の絵が入ってるでしょう?」「わぁ‥」未咲は、ぱぁっと笑顔になって「きれい!」と見つめました。

2012-04-05 16:14:16
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の63 「そういえば、」と、ママは先生を見ました。(どちら様かしら?)先生は、「どうも、はじめまして」と一礼し、名前を名乗り、名刺を両手で手渡しました。「まあ、先生だったんですね」ママも「未咲の母です」と挨拶してから、尋ねました。「月謝は、カードでも大丈夫かしら?」

2012-04-05 17:34:42
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の64 「いえ。無料です。私はボランティアの先生ですから」そーなんだ、という未咲の視線を感じ、先生は、名刺の団体名を指さして、言いました。「『優しい心を持った少年と少女に、おもしろいお勉強を提供する』という団体なんです」「そうですか‥」ママは、心から共感したようでした。

2012-04-05 17:42:39
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の65 ママが部屋を出てから、5分ほど休憩し、授業の続きがはじまりました。「まず、錬金術のまとめから。あなたたちの『科学ゾーン』では、姿を消しましたね。金に変えることは、できませんでした。一方、『非科学ゾーン』では、あの後、なんと成功してしまいました!」「えっ!?」

2012-04-05 18:02:42
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の66 3人――未咲、秋本くん、妖精さん、ラファエル――は、同時に驚きの声を上げました。先生は、得意そうな笑みを浮かべ、続けます。「今やってるほうのは、『新錬金術』と呼びます。区別するためです。昔のと若干、違うので。そして、重要なのが、通称『7つの鍵』です」―「カギ?」

2012-04-05 18:07:42
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の67 「そう、『鍵』です。まず、第1の鍵が、夏の香りと書いて、『夏香(なつか)』。そして、最後の鍵が、『金の鍵』です」先生は、ページをめくりました。未咲は、ちょっぴり心配です。(また漢字、覚えるの?)「では、質問ない人は、休憩にしてください」未咲は、ホッとしました‥。

2012-04-05 18:16:12
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の68 「そういえば、」と、秋本くんが手を挙げて、尋ねました。「未咲ちゃんのも、『金の鍵』って言いませんでしたか? 同一アイテムですか?」「正解です♪」先生は、楽しそうにそう言うと、金色の何かを取り出し、キュッキュと磨きはじめました。「なにそれ?」「魔法陣です」

2012-04-05 23:23:13
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の69 「な~んだ」未咲は、急に納得して廊下に出ました。小学生のときに、使ったことがあったからです。「そんな、当たり前みたいに‥」秋本くんは、そのうしろ姿を、考え込んだ様子で見送ります。「不思議ですか?」先生は、磨きながら尋ねました。たのしそうな笑みを浮かべています。

2012-04-05 23:40:18
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の70 秋本くんは、覚悟を決めようと思って訊いてみました。「先生、鍵は7つとも集める必要があるんですか?」「鋭い! いい質問ですね♪」先生は、プリントの整理を始めました。何からどう答えるべきか、少し迷ったからです。(――質問の仕方に、インパクトが足りなかったのかな?)

2012-04-06 12:15:02
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の71 (言う勇気がほしい! このままでは、何か、とんでもないことが!)秋本くんは、ドアのそばに立って考えていましたが、早足に4歩あるき、3秒で先生の前に立つと、尋ねました。「プライバシーは、万全ですか?」「もちろんです」(ホッ‥あれ? あんなにドキドキしたのに)

2012-04-06 12:44:22
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の72 周囲の人に聞こえてそうなほどバクバクしていた心臓の鼓動は、ドアのそばから先生の前へ歩いてくる間に、通常の鼓動にもどっていました。秋本くんは、人体の不思議と先生の温かい空気をまばたきより速く感じ取り、言いました。「『夏香』っていう女の子と、面識があります!」「!」

2012-04-06 12:55:16
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の73 先生は初めて、驚いた顔になりました。「お、同じ字ですかっ?」「はい。読み方も、同じです」先生は、秋本くんの前髪のあたりに手をかざしましたが、その手をパシッと右手でつかまえて、秋本くんが言いました。「会いに行く場合、先生が行ってください。どうか、お願いします!」

2012-04-06 13:08:44
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の74 「いいですよ。ただ、失敗しないために、理由を教えてもらっていいですか?」「実は、僕の初恋の人と、関係が‥ある人なんです。未咲ちゃんにも、琴子ちゃんにも、話していなくて‥///」先生は、両肩に手を置いて、心に誓い、神々に誓いながら言いました。「約束します!」

2012-04-06 13:19:28
光野 水栄(Yukue_Hikarino) @Hika_Rarala

【第7話の75 そして、不思議なやり方で3秒で荷物をまとめ、「絶対、言いませんから」と魔法陣を中へしまうと、尋ねました。「逆に、だれがこの話を知っていますか? 全員、お答えください」「僕と大ちゃんと、病死した女の子の4人です」―「なるほど」先生は、大助の顔を思い出しました。

2012-04-06 13:28:57