児童の商業的性的搾取と、米国の人身売買取締りについて

小山エミ(@emigrl)氏と@24_589氏のやりとりを中心に。 関連まとめ:  表現規制反対運動と、売買春問題における「日常の権力構造」をめぐって   http://togetter.com/li/230503 続きを読む
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エミコヤマ @emigrl

売春を強制している人も斡旋している人もいない、未成年の自分の意志による売春がどうして「人身売買」になるのかというと、それは法律でそう定義されているから、というだけの話。

2012-04-25 15:26:04
エミコヤマ @emigrl

その場合加害者は誰になるのかだけど、1. 家族や恋人など適当な人が人身売買の加害者としてでっちあげられる、2. 本人が人身売買の加害者であり被害者であるとして扱われる(法律上は両方に当てはまる)、3. 買春者が(買春だけでなく)人身売買の加害者として名指しされる、のどれか。

2012-04-25 15:27:10
24⋈589 @24_589

@emigrl 参考になります。単純比較出来ないのは当然としても、都会の暗がりで節電と称して街灯を消してすら、犯罪が減少し続けているのが日本の現状です。しかも下がり続ける検挙率に対し、警察庁が犯罪の増加をexcuseとしながら(暗数を掘り起こそうと躍起になりながら)、ですね。

2012-04-25 15:28:47
エミコヤマ @emigrl

人身売買(人身取引)の定義は、ちょっと調べたら出てくると思うけど、1. 勧誘や輸送などの「行為」、2. 脅迫や騙しのような「手段」、3. 労働あるいは商業的な性の搾取という「目的」の三項目。ただし未成年の売春に限っては2の項目は不要とされている。

2012-04-25 15:31:51
エミコヤマ @emigrl

だから、脅迫や騙しを行う主体がいなくても、「本人が加害者である」とか「買春者が加害者である」という屁理屈によって、人身売買が成立してしまう。と、少なくとも米国政府や各州政府は解釈している。

2012-04-25 15:32:54
エミコヤマ @emigrl

人身売買は英語だとヒューマン・トラフィッキングだけど、トラフィック(交易・交通)という単語からは被害者の移動が必須の印象を受ける。でも実際には、被害者の移動や輸送はまったく要件ではない。

2012-04-25 15:43:30
切り取り線 @kiri_tori

✄------------ 4/26(木) -----------✄

2012-04-26 00:00:00
エミコヤマ @emigrl

今日のポートランド市人権委員会・人身売買フォーラムの一番の収穫は、なんで発言したのかよく分からない連邦検察官のアシスタントみたいな人の発言。そもそもその人はプログラムになかったんだけど、なぜか発言することになって前にでてきた。→

2012-04-26 19:29:40
エミコヤマ @emigrl

→ほかのパネリストが弁護士や捜査官などの経験から知り得た、専門性のある話をしていたのに対し、そのアシスタントは自分にはそうした経験がないと言いつつ、職場で聞いたレクチャーの内容を紹介しているレベル。あまりに内容がなさすぎて、かわいそうになってくるくらい。→

2012-04-26 19:30:47
エミコヤマ @emigrl

→そういうなか、一番の収穫だと思ったのは、彼女が「国内における未成年の商業的性搾取は、おもにギャングに関連した問題なので、ギャング問題を扱う部署が担当することにした」という発言。→

2012-04-26 19:33:07
エミコヤマ @emigrl

→ギャングというのは事実上「若い黒人やラティーノの男性」のことで、要するに人身売買を口実にもっと若い黒人やラティーノ男性を刑務所にぶち込もうとしている、ということ。そういう事態になっているのはもちろん分かっていたけど、連邦政府の関係者がそれを公に明言するのはたぶんはじめて。→

2012-04-26 19:34:04
エミコヤマ @emigrl

→もっと経験のある人なら、そういう政治的にデリケートな話は、もう少し慎重に話したはず。経験不足で専門性のまったくないアシスタントが出てきて良かった、と思った。

2012-04-26 19:35:01
エミコヤマ @emigrl

ほかには、市や州の取り組みにおいて、人身売買への取り組みが「国内における未成年の商業的性搾取」と「国際的な労働搾取」の二つに分断されていることをあらためて確認。国内における労働あるいは大人の性的搾取や、国際的な性的搾取の問題や、国際的な人身売買の被害を受けた子どもの問題は無視。

2012-04-26 19:37:52
エミコヤマ @emigrl

今回のパネルは、労働搾取を目的とした国際的な人身売買についてのものだったのだけれど、わたしが普段よく見る『国内の未成年の商業的性搾取」に関わっている人が部屋の中にいない。→

2012-04-26 19:39:28
エミコヤマ @emigrl

→いや、いないどころか、わたしの知っている反売買春のラディフェミ活動家が最初はいたのに、今回は国際的な労働搾取の問題を取り上げますと司会がアナウンスしたあとすぐに出て行った。無関心かよー。

2012-04-26 19:40:19
エミコヤマ @emigrl

「国境を超える人身売買の問題」と「外国生まれの被害者の問題」が、まるでまったく同じ問題であるかのように議論されていたが、この二つには実は重大な違いがある。→

2012-04-26 19:43:20
エミコヤマ @emigrl

→たとえば、外国生まれの移民(合法・非合法)が自分の意思で米国に入ったあとで人身売買の被害にあっても、「国境を越える人身売買被害者支援の仕組み」は適用されない。→

2012-04-26 19:44:19
エミコヤマ @emigrl

→たとえば、人身売買によってアメリカに連れてこられた人は、一定の条件を満たせば、アメリカに住む権利や、社会保障を受ける権利が与えられる。しかし自分の意思で入国していれば、それはない。違法に入国あるいは滞在していれば、強制退去の対象になる。→

2012-04-26 19:45:00
エミコヤマ @emigrl

→もともと合法的に入国していたが、国内で人身売買の被害にあったために、ビザの要件を失ったケースもある。たとえば留学ビザで入国したが、アルバイトのつもりで応募した仕事で人身売買の被害にあって、学業を続けられないために、ビザが失効とか。その場合、救済措置はない。強制退去の対象。→

2012-04-26 19:46:28
エミコヤマ @emigrl

→厄介なのは、ほとんどのケースにおいて、人身売買には「騙し」が介在すること。たとえばアメリカに行けばこういう仕事があると勧誘されて、自分の意思で入国したが、気づいたら約束とは全然違う仕事をさせられて、逃げ出すこともできない。これは自分の意思で入国したことになるのか?

2012-04-26 19:48:38
エミコヤマ @emigrl

人身売買の法律上は、被害者として扱われるだろう。けれども、移民法上はどうかという問題が起きる。

2012-04-26 19:49:06
エミコヤマ @emigrl

人身売買の被害者には、米国に居住できるビザを含め、さまざまな救済措置がある。でも支援団体にリソースが決定的に足りないので、たくさんいる被害者のなかでも、とくに「強いケース」の人しか措置を受けるための支援すら受けられない。→

2012-04-26 19:50:57
エミコヤマ @emigrl

『強いケース」とは、本人の不作為が明らかだったり、加害者の行為がとくに酷かったりして、その証拠もきっちりあり、加害者の追訴ができそうな状況があるなど、移民局も認めざるをえないような有利なケース。でもほとんどのケースは、そうではない。→

2012-04-26 19:52:27
エミコヤマ @emigrl

→加害者によって、もし警察に何か話したら祖国にいる家族を傷つける、と脅されてしまったら、追訴に協力はできない。全面協力しなければ、ビザも社会保障も受けられない。

2012-04-26 19:53:09
エミコヤマ @emigrl

パネリストは全員、弁護士などの支援者や、警察などの関係者だったのだけれど、途中で人身売買の被害を受けたメヒコ人の男性が自分の経験を語った。そのひとは、発言を終えたら、すぐに出て行った。

2012-04-26 19:55:47