- sm_14th_Invidia
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黒い雲のヒジリは優秀です。 そもそも【魔女族】は場所や存在を知られたら狩られる存在、存在の隠匿には気を使っているはずです。 それを彼女は暴いてしまったのです。 なんて優秀なのでしょうか。
2012-04-29 23:46:32そんな彼女なのに《善行》も行えてない、嘘をついて人に好かれてそれだけを支えに生きて、友達一人できただけで舞い上がる、そんなミサキを尊敬することができるのです。
2012-04-29 23:47:02それはミサキが持っていない余裕でした。 ミサキは恵まれて、優秀なそんなヒジリのことをずっと妬んでいました。 それはおそらくなにも持っていないからでしょう。
2012-04-29 23:47:30でも、ヒジリは持っているものなのです。 その気になれば《善行》を行うことなど容易く、そして優秀で、だから人のことを簡単に尊敬したり好きになったりできるのでしょう。 その余裕すらミサキは妬ましく感じてしまうのです。
2012-04-29 23:48:31「ねえ、ミサキ――――私の命、使っていいよ?」ヒジリが囁きます。「ミサキはここまで頑張ったんだもんね、竜殺しの英雄になりたいって、でもあの子たちを殺すことなんてできないっていうんなら、私の命を使っていいよ」
2012-04-29 23:49:24ミサキは震えます。 ヒジリがなにを言っているのかわからなかったのです。 ただ恐怖に取り憑かれ混乱した頭でただただこの時間が早く終わることだけ祈ります。
2012-04-29 23:50:34「それができないなら私と一緒に冒険にでよう!あのときいったこと、私は今でも憶えてる!私の最初の冒険はミサキを探すことなんだよね。もうそれは終わったから、一緒に次の冒険に、出よう。私、ミサキと一緒にいたいの!」
2012-04-29 23:51:06ああ、彼女のことが愛おしい! 初めて自分を好いてくれた人、聡明で優秀で、持つもので、成功者で、妬ましくて、そして今なお自分のことを好いてくれている、彼女のことが好きで好きでならない。 彼女と一緒に過ごしたいとミサキは心から思いました。
2012-04-29 23:52:12