ドゥームズデイ・ディヴァイス #6

翻訳チームによるサイバーパンク・ニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) ニンジャスレイヤー公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ダークニンジャ」ランペイジは呟いた。そしてその奥、道路を歩いてくる影を見やった。「生きていたか。ニンジャスレイヤー。戻ってきたか。邪魔をしに来たか」肘から蒸気が噴き上がった。「邪魔だ。俺の邪魔をするな」 23

2012-05-02 16:08:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おう、これは。通信が入ったぞパーガトリー=サン。ダークニンジャ=サンが例のデスドレインを倒したとな!」ニーズヘグはパーガトリーを見た。「時同じく……監視中の貴公の斥候からも……目撃報告が……入っているかね?ん?」「そのようだ」パーガトリーは低く言った。「目覚しい働きだ」 25

2012-05-02 16:23:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「しかしこれは実際たいした問題だぞパーガトリー=サン。あれよ、目を覆わんばかりの惨状よ。マグロアンドドラゴンを初めとして、ま、この地域の下賤な成金虫どもがどうなろうと構わんとしても、ここまで大規模にやられては、周辺地域に累が及ぶな!実にまずいのでは?」「……つまり?」 26

2012-05-02 16:32:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ここまで被害が拡がれば、さすがに休暇中の懲罰騎士ひとりに任せて事態を棄ておいたとなれば……のう?なかなか聴こえが悪いよな!」「はて……」「残念ながら懲罰騎士預かりのシテンノ達は五重塔でミッションを展開しておるようだ、貴公の判断によって。いや、それ自体は実に適切」「……」27

2012-05-02 16:36:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「懲罰騎士殿も優れたカラテを示し、見事に首謀者を仕留めてみせた。これ以上の事態収集を彼一人に押しつけ、周辺地域への被害拡大を前に知らん顔をしておったとなれば、そのう……かえって奥ゆかしくない行いと取られてしまうのではないかね?あくまでこれは老婆心ながらの忠告だが……」「……」28

2012-05-02 16:40:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

パーガトリーは茶菓子を取ろうと、手を動かしかけた。一呼吸早く、最後のひとつはニーズヘグの手の中だ。ニーズヘグは眉を動かした。「……?」「……」パーガトリーは無表情でかぶりを振った。ニーズヘグは頷き、菓子を口にした。もぐもぐと咀嚼しながら、「で、どうするね、パーガトリー=サン」29

2012-05-02 16:45:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうするとは?」「俺は、やらんよ?シテンノも動かれんし」ニーズヘグは言った。「事態の収拾を懲罰騎士殿に任せておっては貴公の名折れの恐れもある。だが、貴公の度量を示すチャンスでもあろうな。まだ遅くないかもしれん!周囲に潜めておるのだろう?貴公のニンジャ達を。よかったな!」30

2012-05-02 16:49:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「うむ……早速事態の収拾に当たるとしよう」パーガトリーは言った。「実に……僥倖だ……我が配下が展開しておって、実際チョージョー。懲罰騎士殿は幸運をも身につけておられるようだな」「幸運?」ニーズヘグの目がギラリと光った。「僭越ながらそれは違う。ヤツのカラテよ。カラテあるのみだ」31

2012-05-02 16:58:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BLAM!BLAMBLAM!両手の49マグナムが上空で円を描く有翼のニンジャを狙うが、トリッキーな飛行によって平然と回避されてしまう。ガンドーは五重塔の四角錐の屋根のカワラを踏みしめ、襲撃ニンジャを牽制する……だが、いかんせん多勢に無勢。ジリー・プアー(徐々に不利)だ。 33

2012-05-02 17:08:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

カーン!独特の射出音が唸り、あやうく身を翻したガンドーの目と鼻の先を、奇怪なスリケンが行き過ぎる。数十メートル離れた別の五重塔から別のニンジャが放つスリケンだ。ガンドーの視界に光る輪が焼きつき、遠方のニンジャを示す。ガンドーは撃ち返す。BLAM!「グワーッ!?」 34

2012-05-02 17:14:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ブルズアイ!」ガンドーは呟いた。「俺をナメ過ぎたんじゃないかね……」頭上を見上げ、「おっと、こっちもジゴクか!イヤーッ!」急降下してくるアイボリーイーグルめがけ、回し蹴りを繰り出す。蹴りと蹴りがカチ合う!アイボリーイーグルは二度蹴りを撃ち、その反動で再び空へ飛び上がった。 35

2012-05-02 17:18:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「大人しく降伏せよ、下郎!」空中を旋回しながら、アイボリーイーグルが叫ぶ。「そちらは一人。我々は実際多勢ぞ!」「ヤなこった」ガンドーは叫び返した。「こっちも遊びじゃねェんだよ!だが……」周囲を見渡し、「地面に降りる時間をくれればありがたいんだがなァ」 36

2012-05-02 17:22:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おじさま?」すぐそばの、やや高いビル屋上で声。BLAM!ガンドーはそちらへ振り向きざまに銃を撃ち込む。新手のニンジャは艶めかしく身をそらし、これを回避!「ファハハハ!がっついちゃ駄目ヨ、素敵なおじさまァ?」「アー、名乗らんでもいいか?めんどくせえ……」「ファハハハ!」 37

2012-05-02 17:29:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ガンドーは眼下の高度基準ギリギリのビルを見下ろす。豊満な胸を自ら揺らし、革の装束を着た女のニンジャがアイサツした。「ドーモ、パープルタコです。ちゃんとアイサツしてェ」「アー、ドーモ、ディテクティヴです」「ファハハハ!素敵ね!アカチャンのおじさま!」38

2012-05-02 17:33:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「悪いがエキセントリックなのは趣味じゃねえんだな……」ガンドーは両腕をクロスして銃撃!一方はパープルタコを、もう一方は急降下してきたアイボリーイーグルを狙う!BLAMBLAM!「イヤーッ!」「グワーッ!」どちらも当たらず!アイボリーイーグルの身をひねった蹴りが直撃! 39

2012-05-02 17:38:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「降ろしてくれとは頼んだがよ!」吹き飛ばされたガンドーはくるくると回転し、「サスマタに一杯刺そう」とショドーされた金物店の屋根瓦にウケミしながら着地した。落下衝撃でカワラが数枚砕け跳んだ。「ちと荒っぽいと思わんか!」起き上がり、埃を払う……「便利なもんだ、ニンジャの身体は」40

2012-05-02 17:53:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「お前の運命はここまでだ、ディテクティヴ=サン……」金物店の屋根の上を歩き進む新たなニンジャあり。「ドーモ。シャドウウィーヴです」若いニンジャは敵意を漲らせ、 オジギした。ガンドーは49マグナムを構えた。「オイオイ……俺ごときに随分な大所帯じゃないか。そんなに怖いのかよ」 41

2012-05-02 18:01:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「復讐するには良い日だ……この手がお前の血を欲している」黒いサイバネアームが音を立てる。「ああ……覚えてる、もちろん覚えてるんだが、もう少しヒントをくれないか」ガンドーは挑発した。「悪いが俺もインガな商売、恨まれたり恨んだりで忙しいんでね、エート……」「貴様!」 42

2012-05-02 18:12:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ファハハハ!アカチャン!」背後、屋根のもう一方の縁にパープルタコが降り立ち、ガンドーの肩越しにシャドウウィーヴを嗤った。「ダメよ、そンなにお熱を出して硬くなったら……ね?しっかりやらないと……」「わかっています!」シャドウウィーヴがカラテを構える「ゆくぞ!」 43

2012-05-02 18:20:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おい待て!」身体を横向け、両腕を胸の前で交差して、それぞれの銃でシャドウウィーヴとパープルタコを狙う。「あっちはいいのか?ヤバイんじゃねえか?油売ってていいのか?」ガンドーが顎で指す先は、粉塵噴き上がる大破壊の光景だ。二者が一瞬注意を奪われた瞬間、ガンドーは引き金を引いた!44

2012-05-02 18:31:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スゥーッ……ハァーッ……」ZGGGGGT……轟音と崩壊を前方に、ニンジャスレイヤーは歩みを進める。歩きながら彼はチャドー呼吸を繰り返す。深く。より深く。「スゥーッ……ハァーッ……」行く手には複数の影。崩壊するビルの側に何人か。どれもニンジャだ。そしてその先にランペイジ。 46

2012-05-02 18:40:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スゥーッ……。ハァーッ……」被害は拡大している。己が遅れをとった為に、より多くの人間が死んだ。「スゥーッ……。ハァーッ……」彼は心を殺す。背負い込むな。だが、ランペイジはここで殺し、破壊を止めねばならぬ。他の選択などありえぬ。やがて、新手のニンジャ達の姿がわかる。 47

2012-05-02 18:58:14