つぶやき怪談があるのならリレー小説があってもいいかと、Twetter版「怪集」を始めてみました。

恐怖箱著者の一人、高田公太氏(@kotatakata)が怪談や漫談を呟いているのを見て、「リレー小説やってみたら面白そうだ」と何気に呟いたら高田氏も乗ってくれたので、試しにやってみたら意外に広がりそうだったのでまとめてみました。 まず、「種」となる一話目を書きました。 今のところ、試しなので「種」は一つですが、状況を見て増やしていこうと思います。 続きを読む
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神沼三平太🐈‍⬛🐈 @3peta

目覚めたまま床から天井を見ている。私は今入院中なのだという。狭い和室だ。だが、私がどんな病で、ここが何処かは誰も教えてくれない。そもそもどうやって来たのかも思い出せない。父と母はどうしたのだろう。頭がぼうっとする。その時廊下から「もうすぐ死ぬわよ」と声をかけられた #kaishu

2010-06-28 01:29:19
神沼三平太🐈‍⬛🐈 @3peta

@nekoyadou とりあえず、夢から目覚めた所を書きました。どうなるやらw

2010-06-28 01:30:16
雨宮淳司 @J_AMEMIYA

「どちらかと言うと、買わないほうに比重を置いている」と俺は答えた。「だとしても、客に文句を付けてくるのは古本屋のあり方としては頂けないな」猫は唸った。「確かにそう言われると身も蓋もない。ところで猫が喋ることについては何とも思わないのかね?」「へっ」俺は思わず嗤った。#kaisyu

2010-06-28 01:48:55
高田公太 @kotatakada

「まあまあ、喋ろうが唸ろうが」俺はしゃがんで茶虎の首元を撫でた。「おい。こら。買うのか……買わんのか……うーん。ゴロゴロ」「まずもってそんな可愛くては、むしろその愛嬌に驚くというものだ」 #kaishu

2010-06-28 02:57:54
高田公太 @kotatakada

@nekoyadou 最終話が楽しみです!誰が書くのでしょう?

2010-06-28 03:14:56
つくね乱蔵・厭系実話怪談作家 @t_ranzo

「買ってくれたら背中に憑いてる女を祓ってやる」猫は目を細た。「そんな心当たりはない」胸を張った途端、「嘘つき」耳許で囁かれた。「どうする?漱石全集で手を打つが」すっきりした背中に風を受け、俺は店を出た。レシートには肉球がスタンプされていた。#kaishu

2010-06-28 07:09:03
雨宮淳司 @J_AMEMIYA

感動の大団円もつかの間、ねこま古書店に新たな事件が湧き起こる……かもw #kaishu

2010-06-28 19:49:19
雨宮淳司 @J_AMEMIYA

無言で古書店の奥までずんずん入り、居眠り中の主人の襟首を掴み上げた。「…何だ。人がせっかくいい気持ちで…」俺の怒張していた血管がさらに膨れあがった。「人じゃないだろ! …いや、そんなことよりあの本は何だ?」「何だとは?」「幽霊が憑いてるじゃないか。……夏目漱石の!」#kaishu

2010-06-28 19:49:34
せんべい猫 @senbei_neko

「何だ漱石か」主人は欠伸混じりに切り捨てた。「何だじゃないだろおい」「漱石なんて可愛い方だ。多少癇癪持ちだが適当に相づちを打ってればいい。太宰なんか延々と死にたい死にたい言い続けてうんざりする。宇野千代は成人指定だし、芥川は喋らないのが却って薄気味悪いくらいだ」 #kaishu

2010-07-06 17:47:24
神沼三平太🐈‍⬛🐈 @3peta

「あの幽霊はまがい物だ。夏目先生ならば雑司が谷。清の幽霊なら小日向の養源寺——そして俺ならば弁天町」猫はあくびをした。「太平は死ななければ得られぬ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい、という訳か」そう嘯くと、猫はにやりと笑い、「分かってるな」と言った。 #kaishu

2010-07-08 01:22:34
痛田三 @tuuda3

「そうだ。太宰といえば、こんなモノが手に入ったぞ」一冊の文庫を手渡される。「なになに『幽霊失格』? 太宰不治(おさまらず)? ねこま……文庫?」俺は表情を曇らせた。「新作だ」そう言って目の前の茶虎は口の端をつり上げた。縞が得意気に歪む。俺は途方に暮れた。 #kaishu

2010-07-08 11:01:37
雨宮淳司 @J_AMEMIYA

「堅苦しいのが厭ならこんなのもある」店主は微笑んだ。見ると、「ねこま文庫 超怖~い本」という、いかにもな怪談本だった。「これには▽△▽明という作家の霊が憑いている。一晩中キモ怖い怪談を話してくれるので大変お得だ。ただ、どういうわけか皆、笑い死んでしまうんだよ」#kaishu

2010-07-10 02:16:34
せんべい猫 @senbei_neko

廊下には腰が直角に曲がった老婆が杖に寄りかかって立っていた。まだ頭のあちこちに靄がかかったままだが、彼女のことははっきりと思い出せる。「……わかっています」 そう、選んだのは私だ。「ですから」老婆が遮る。「約束だろ? 守るよ」 老婆は去り、安堵した私は瞼を閉じた。 #kaishu

2010-07-10 23:22:32
せんべい猫 @senbei_neko

「朧夢」に伏線を足すだけ足して投げてみた(^^; #kaishu

2010-07-10 23:23:03
せんべい猫 @senbei_neko

「面倒くさい、どいつが最強なのか戦わせてしまえ!」 隣室に霊憑き本が集められる。暫く騒々しかった室内がやがて静かになり、女の高笑いが響く。「おい、あれは誰だ?」「岩□◇□子。官能怪談の女帝だ。あれには誰も適うまい」 隣室から声がする。「坊や、遊んであげようか?」 #kaishu

2010-07-10 23:36:18
せんべい猫 @senbei_neko

こんなオチでいいんだろうか。いろいろとごめんなさいとしか(^^; #kaishu

2010-07-10 23:36:53
雨宮淳司 @J_AMEMIYA

やがて契約通り、私の肉体は無となり、意識だけが残った。あれほど切望した人の意識の間を移ろう永劫の旅が始まったのだ。まずは、この文章を読んでいるあなたへ入り込み、あなたを追い出す。あなたは、あの老婆のものになるだろう。わたしはあなたとなり、短い旅路を楽しんであげよう。#kaishu

2010-07-11 12:02:44
せんべい猫 @senbei_neko

「おーい」「おーい」気付くと草原の真ん中に立っていた。辺りを見回しても誰もいない。風が肌を撫でるばかりだ。「おーい」「おーい」微かに誰かが呼ぶ声がする。声の方へ目を向けると、遥か遠くに手を振る人。あれは私。私が捨てた過去。もう心細くはない。声に背を向け、光の方へ。 #kaishu

2010-07-11 13:27:16
せんべい猫 @senbei_neko

@J_AMEMIYA エピローグ付け足してみました。蛇足だったかなorz

2010-07-11 13:28:50
せんべい猫 @senbei_neko

その日の午後、うたた寝していた聡美はまたあの夢を見た。ばっと起き上がると腹部をまさぐり、何事もないことを確認した彼女は安堵の吐息を漏らし、乱れた息を整える。そして彼女はそっと枕の下へ手を差し入れる。ひんやりとした感触がその指先に触れると、聡美は笑みを浮かべた。 #kaishu

2010-07-17 01:11:06