ソフトウェア産業の実情と将来についての一技術者の考察 ~ ソフトウェア業界を目指す全ての学生さんに ~

表題に関連するminejiro氏の一連のtweetをまとめました。 私(しがない情報系専攻の大学院生)のように、「入りやすく出にくい」ソフトウェア産業に片足を突っ込みつつある方、もう両足を突っ込んでいて抜け出せない方に読んでほしい事実の一側面です。 素晴らしきソフトウェア産業に従事することを夢見ている方、あるいは否が応でも将来を考えなくてはならなくなった方、そして私のように将来のことなんか何も考えていない方には、少々刺激的かもしれません。 続きを読む
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みねじろ! @minejiro

ソフトウェアは個人で作るもの、作った人を持て囃す風潮は、産業ではない、故障や労働災害を生む土壌に成っていると思うので、個人的には反対です。最低でも、要求者、利用者、作成者の3視点で話しをする、各車の利益を想像してみてください。脳内会議でもよいですよ。

2010-06-17 04:31:20
みねじろ! @minejiro

結局、本質論のように見えて、鶏、卵の問題なのだな。現状維持がよいと言っているわけではないですよ。銀の弾丸やここさえ抑えておけばOKみたいな、一見広い視野のように見えて部分最適な意見は落とし穴ということです。とはいえ、改善自体はMustです。

2010-06-17 04:54:32
みねじろ! @minejiro

よりよいソフトウェア開発方法論を考えるか、普通の人が普通に関わるソフトウェア開発環境論を考えるか、視点は違うけど、問題点が存在することについては、全く同意できるお話。

2010-06-17 05:03:03
みねじろ! @minejiro

あぁ、ソフトウェア開発には比較的年寄りが入りにくいという問題点もあるな。割と自由にできる代わりに、最初から責任がのしかかってくる。先日私がつぶやいた、(4)低給功責任、の状態になりやすいです。査定も仕様も不確実で、業務の核や軸が持ちにくいのですよ。で、気がついたら行き詰ることも。

2010-06-17 15:12:11
みねじろ! @minejiro

「わかっちゃいるけどやめられない」これが今の日本のソフトウェア開発産業の最大にして解決しないままに来ている問題点だ、というのが私の見解です。俯瞰する視点を若者に持たせるのであれば、経済全体のグローバル化といった一般論や、人格形成の精神論でなく、この事実、実態を俯瞰させるべきです。

2010-06-17 15:14:42
みねじろ! @minejiro

ソフトウェア開発の現場にいるものとしては、そりゃ優秀な若者はいくらでもほしいです。騙してでも連れてきたいくらいに。でも、結局、後からこの業界構造の問題に気づいた者、それも早く気づく優秀な者ほど、シラケの状態になりやすい例を多々見てきました。これほど不幸で不健全なことはありません。

2010-06-17 15:17:45
みねじろ! @minejiro

多くのソフトウェア開発の現場は、経営者から見ると、よくわからないのに人物金を吸い取られる不愉快なものとなっています。半世紀経った今も産業として未成熟な証拠です。しかも技術者出身の経営者でもハードウェア経験のある人は反って、科学的でない技術的でないという視点で懐疑心を抱いています。

2010-06-17 15:23:40
みねじろ! @minejiro

ソフトウェア開発が産業として未成熟である例を挙げると、Windowsが「事実上の」スタンダードOSであったり、IEEEの「勧告」が「事実上の」規約である点などです。パーマネントなものはなく、それでも30年、40年前のシステムや言語がインフラ稼動しているヌエのような産業実態です。

2010-06-17 15:26:06
みねじろ! @minejiro

ゆえに、私自身はソフトウェア産業に身を投じようとする若者には、何もしなければ5年、10年後に早くもロートルになるかもしれない世界で30年、40年、弛まず学習努力する意思と努力と時間を作り出す覚悟をもてていますか?を最大の問いかけとしたいです。スキルやセンスは正直、後からでもいい。

2010-06-17 15:28:54
みねじろ! @minejiro

ただ、年寄りにはわかって、若者がなかなか気づかないのは、意思、努力、時間の中で、一番難しいのが「時間」の作り方だということ。「よく学び、よく遊べ」は本当に至言だと、年を重ねるに連れて、じっくりとわかるようになりました。だから、私は毎日、大喜利をするのですw

2010-06-17 15:36:57
みねじろ! @minejiro

とは、言ったものの「スキルやセンスは正直、後からでもいい。」だけを取り出すと、ソフトウェア産業の構造を悪化させる現状そのものなので、迂闊に言えない。職業教育、ラダー型の職務教育の段階的発展が必要だと思います。詳しくは、ちくま新書、本田由紀著『教育の職業的意義』が参考になります。

2010-06-17 16:22:58
みねじろ! @minejiro

今日、私がつぶやいたことは、多くのソフトウェア開発の現場や教育に携わる方がよくご存知のことで、ユニークでも新しいものでもありません。私よりよほど真剣にこの問題に取り組む、解決できると信じておられる方が沢山います。それでもまだ解決していない。そこを学生さんに伝えたくて書きました。

2010-06-17 16:34:56
みねじろ! @minejiro

今日は珍しく、専門のことについて真面目につぶやいてしまいました。ホソフトウェア開発以外にも当てはまる部分もあると思います。もし、読んでくれた学生さん、若い人(いや、第一線の方も)から、ご感想などいただけると、ものすごく嬉しかったりします。質問、反論もぜひ、どうぞ。

2010-06-17 16:58:23
みねじろ! @minejiro

結局、ソフトウェア産業が属人的になるのは「かけがえのない自分」「ナンバーワンよりオンリーワン」という考え方が、ゴキブリホイホイのように若者を吸い込んでいくから、背負い込まされている部分があるよね。これ、教育やCMのふりした洗脳キャンペーンなんじゃないだろうか?

2010-06-18 06:58:17
みねじろ! @minejiro

ソフトウェア産業の考察。 @J_A_Y_G さんとの開発者資質の話、 @sohbunshu さんのmanagementの訳語の不適切さ話から、1人の有能者のビジョンを叶えるために多数の普通の人が支える仕組みでしか成功しない世界を実感。この成功はQOL、WLB、CSR等を全て包含。

2010-06-18 08:24:21
みねじろ! @minejiro

(承前)だからこそ、日本人もソフトウェア産業が最大の価値創造産業であること、ビジョンを持ったリーダーが必要であることを、無意識に理解しているのだと思う。 @masason さんや @takapon_jp さんが持て囃される理由もこれ。願わくば、彼らが珍しくない社会にしていきたい。

2010-06-18 08:28:00
みねじろ! @minejiro

(承前)ソフトウェア産業が特別だとか特殊だとか言うつもりはないのです。ただ、あまりにも効率化、生産性、開発技法、心構えといった個人やチームに関わる話ばかりで、大規模ソフトウェア開発企業の経営の仕方についてが疎かにされていると思います。失礼ながら「ソフトウェア」も「経営」も不十分。

2010-06-18 08:30:49
みねじろ! @minejiro

(承前)ソフトウェア産業に対する技術経営/Management of Technologyはそれに対する答えの一つだと思いますが、この手法は「技術のわかる経営者」と「経営のわかる技術者」を作る2つの側面を持ちます。が、現実は後者が流行りで前者は大企業ほど黙りです。社畜養成講座に。

2010-06-18 08:35:52
みねじろ! @minejiro

(承前)ゲイツやジョブズは何を実現するための経営か、そのために部下をどう扱うかを本能的に理解しています。労働環境もよいのは、そのためだと思います。日本のソフトウェア関連の大企業(総合メーカー含む)の経営者は上(政府、放棄)と横(社内外のライバル)だけを見る「経営もどき」です。

2010-06-18 08:39:06
みねじろ! @minejiro

(承前)では1人の天才ソフトウェア技術者が道を示し、多数がそれを助ける仕組みがベストというわけでもないと思います。ジョブズは何度もその地位を追われました。ソフトウェア「産業」と言うからには、継続的に事業活動が進み、社会や従業員らのステークホルダーが幸せになれる仕組みが必要です。

2010-06-18 08:41:24
みねじろ! @minejiro

(承前)従って、多数の普通の人がいる中で少数の天才が活躍する場をもてる。トップでも部下でも。こういう企業構造がソフトウェア産業の未来を作るのではないかと思っています。どうすればを言えるほど私には知恵も経験も少ないのですが、ロールモデルの例は @masanork さんだと思います。

2010-06-18 08:44:18
みねじろ! @minejiro

以上、ソフトウェア産業の実情と将来についての一技術者の個人的な見解でした。

2010-06-18 08:44:49
みねじろ! @minejiro

より、社会と個人を幸せにするソフトウェア産業を!

2010-06-18 08:49:04
みねじろ! @minejiro

ここまでの私のソフトウェア産業についての考察は、コード数が1000万行を越すような大企業、大規模ソフトウェア開発を念頭においたものです。志あるソフトウェア技術者が中小、ベンチャーで状況をよくするために頑張っている姿に心から賛同するとともに応援しています。間違っているのは大手です。

2010-06-18 08:51:41
みねじろ! @minejiro

昨日、ソフトウェア開発現場を経営者がどう見ているかを書き、2つ例をあげました。技術がわからない経営者とハードウェア出身の経営者です。もう一つ忘れていました。ソフトウェア出身の経営者です。大企業ではこれが一番問題です。現場の問題を指摘する=自分の経歴を否定することになるからです。

2010-06-18 09:14:44