軍隊とそれに付き従う女性達

タイトル通りです。
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@bukrd405

フランス軍も、1840年代に女性ヴィヴァンディエールを廃止する決定を下した。軍隊の「男性化」はこうして実現されていく。かくしてヨーロッパの軍隊が本格的な「近代化」を推し進めた19世紀後半になると、キャンプ・ファロアの女たちは姿を消した。

2012-05-09 12:25:35
@bukrd405

それとともに、軍隊に生きた女性たちの記憶も忘却のかなたに消えた。そして皮肉にも、イメージとしての「軍隊の女」は、ほぼ排他的に「売春婦」と結びつけられて、ヨーロッパ人の脳裏に刻まれることになったのである。『岩波講座 世界歴史25 戦争と平和ー未来へのメッセージ』(岩波書店)

2012-05-09 12:28:06
@bukrd405

「1917年3月31日、英国陸軍婦人予備兵団前衛が、英仏海峡を横断し、イギリス軍が展開するフランスの前線地帯に入った…これはまことに意義深い、じつに歴史的な日であった。開戦から2年半を経て、いかなる女性の雇用も拒否してきた軍の偏見という壁に、ついに風穴が開けられたからである。

2012-05-09 16:14:44
@bukrd405

それはまた、女性の解放に向けての長い苦難の旅路の第一歩が記された日でもあった」イギリス陸軍婦人兵団Woman's Royal Army Corpsの歴史を記した書物は、このように書きおこしている。しかしこの文章は、女性と軍隊の関係に対する無知をさらけ出しているといわざるをえない。

2012-05-09 16:17:21
@bukrd405

ここで「歴史的」と称されている出来事が、じつはまったく別の意味で「歴史的」であったことを、本稿は明らかにしたつもりである。ヨーロッパの軍隊は、「如何なる女性の雇用も拒否してきた」わけではない。女性は正規の戦闘要員としてではないにせよ、兵士の妻として、補給商として、

2012-05-09 16:18:53
@bukrd405

(承前)あるいは(同時に、その後、その前に)売春婦として、長く軍隊のサポート・サーヴィスに「従軍」してきた。軍隊のキャンプ・ファロア(軍属)を構成したこれらの女性たちが縮小され、消滅するプロセスは、ヨーロッパの「近代的な」軍隊成立のそれとほぼ並行しており、しかもそのプロセスは、

2012-05-09 16:21:48
@bukrd405

(承前)たとえばイギリスの場合、女性を「従軍妻」と売春婦に分極化させるという政策を通して実現されたのであって、単純な女性拒否の思想に貫かれていたわけではない。分極化した女性たちは、ヨーロッパ人が「軍隊の女」に抱いてきた売春婦というイメージだけを残して、

2012-05-09 16:26:22
@bukrd405

(承前)一時的に軍隊から姿を消したのであった。女性が軍隊から排除されるプロセスがほぼ完了した20世紀初頭に、女性の従軍が「風穴をあける」かのごとく英雄的な行為と受け取られるとは、いかにも歴史の皮肉といわざるをえない。

2012-05-09 16:35:16
@bukrd405

なるほど第一次世界大戦は、軍隊と社会の関係を劇的に書き換えた戦争であった。総動員体制と徴兵制は、兵士の母、兵士の妻に期待される新しい「銃後」の思想を生みだした。それは、19世紀までにヨーロッパに浸透した家族イデオロギーが、はじめて軍隊の論理と乖離しなくなった瞬間でもある。

2012-05-09 16:36:44
@bukrd405

これと期を一にして、女性の軍隊への参加は、新たにフェミニズムの衣をまとって再生しはじめる。

2012-05-09 16:38:26
@bukrd405

『イリアス』の中で、ヘクトールが妻のアンドロマケに向かって言う「戦争は男の仕事だ」は有名な言葉だが、この言葉は少なくとも中世~近世ヨーロッパには当てはまらなかったことがよくわかる。戦場から完全に女性を排除していたのは古代ギリシアぐらいではなかろうか。

2012-05-09 16:47:17
@bukrd405

13世紀以降では軍隊公認のお付き娼婦がおり、中世の軍隊は「売春婦付き下士官」を持っていました。売春婦付き下士官とは売春婦の管理人であり、軍隊公認の売春婦の秩序を保ち、彼女たちに課せられていた他の義務(病人の看病、選択、便所掃除など)の監督 http://t.co/amw1MvSD

2012-05-22 09:11:50
@bukrd405

映画『300』の最後でスパルタ王レオニダスが「My Queen! My wife. My love... 」と叫ぶシーン。古典古代の人々に現代人と同じキリスト教的な愛や夫婦愛があったという設定になっている。

2012-05-22 09:16:49
@bukrd405

ハリウッド映画などで、「兵士について戦場に行った女性たち」について描かれないのはなぜなのだろうか。単に無知だからなのか、それとも夜になって戦場に横たわる敵味方の戦死者から金目の物を奪い取る女なんてのは“絵にならない”からだろうか。これが戦場の現実であるわけだけど。

2012-05-22 09:22:37
内田弘樹 @uchidahiroki

@bukrd405 「戦場にいった旦那を、心配しながら待つ愛妻」というシチュのほうが泣けるし受けるからでは・・・!

2012-05-22 09:25:00
@bukrd405

@uchidahiroki ああ、なるほど。それで棚の上の写真立てが落ちてガラスが割れたりすれば死亡フラグw

2012-05-22 09:30:23
内田弘樹 @uchidahiroki

@bukrd405 「300」でも「ワンスアンドフォーエバー」でも「ブラックホークダウン」でもそんな感じでしたしw あと、「ひっついていく女」より「共に戦う女」を描いたほうがエンターテイメントとしてはアンパイではないかと。僕はそういう話みたいですが!<現地妻

2012-05-22 09:36:18
@bukrd405

@uchidahiroki 共に戦う女といえば、女性ながら正規の将校となり、大陸各地を転戦して男勝りの活躍をし、87年の生涯を熱烈なボナパルティストとして通したテレーズ・フィギュールがいるけど・・・もし映画化したらジャンヌ・ダルク的な扱いになってしまうのかな。

2012-05-22 09:39:31
内田弘樹 @uchidahiroki

@bukrd405 それはもう主役ですねw<映画化

2012-05-22 09:41:38
@bukrd405

@uchidahiroki マレーシアが舞台でそれとよく似た2時間ドラマがあります。古尾谷雅人主演の『失われたとき』。原作は橋田壽賀子。敗戦後、復員しない夫の消息を知ろうと相談所を訪ねると、マレーシアで現地の妻子と一緒だった。

2012-05-22 09:45:53
内田弘樹 @uchidahiroki

@bukrd405 お約束とはいえきついですねぇ・・・ご教授どうもです!

2012-05-22 09:47:55
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