ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会(3)生活保護世帯の子どもたち」書き起こし・ほぼ完全版

NHK・eテレで放送されたものを文字起こししています。 進行:山田賢治アナ  ゲスト:あさのあつこ(作家)     湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長) (4)「貧困の連鎖は断ち切れるか」のまとめはこちら⇒ http://togetter.com/li/308141
8
とし @toshihiro36

<ナレーション> 宮沢さんはエリさんの状況をくわしく聞くため家に向かいました。宮沢さんがまず行ったのは、エリさんの支援について父親の了解を取りつけることでした。清潔できちんとした食事をとり、毎日学校に行けるようになるためには、親の協力が欠かせません。

2012-05-22 06:24:52
とし @toshihiro36

宮沢:(父親に向かって)私の仕事としては、子どもは子どもらしく元気に育ってほしいから。いろいろご家族のことで大変なことがあると思うけど、子どもにあんまり心配しないでいてほしいなと思うのね。

2012-05-22 06:29:33
とし @toshihiro36

浩司(父親):協力してもらって、学校だけはうまく行けるようになってもらえば一番いいんだけど。

2012-05-22 06:31:45
とし @toshihiro36

宮沢:できればエリちゃんがこれから成人していくのに、準備してあげてほしいからね。こういう環境を整えてあげるられるといいと思いますよね。

2012-05-22 06:34:35
とし @toshihiro36

<ナレーション> 父親はエリさんの支援については了解したものの、「自分の力で生活環境を改善するのは難しい」と漏らしました。そこで宮沢さんは、祖父に協力を求めることにしました。しかし祖父は「働かずに昼からお酒を飲む父親が、エリさんの面倒を見るのは無理だ」と主張しました。

2012-05-22 06:39:25
とし @toshihiro36

<ナレーション> 宮沢さんは「みんなの力で生活環境を整えていこう」と訴えました。

2012-05-22 06:42:44
とし @toshihiro36

宮沢:みんなが大変な中で頑張らなきゃいけないから。けんかしても始まらないから、力を合わせていきましょうね。子どもさんのことは私が中心にお手伝いして、ちゃんと高校も行って将来の目標に向かってやっていけるように、お手伝いしたいと思うの。

2012-05-22 06:47:33
とし @toshihiro36

<ナレーション> エリさんが学校から帰ってきました。友達が遊びに来ていましたが、宮沢さんは少しでも話がしたいと、エリさんを引きとめました。宮沢さんはエリさんの緊張をほぐすため、「保育士になりたい」という夢の話を切り出しました。

2012-05-22 06:52:26
とし @toshihiro36

<ナレーション> 会話のきっかけをつかんだ宮沢さん、いまの暮らしに不安がないか探っていきます。「将来は保育士になりたい」というエリさん。その夢がかなえられるよう、宮沢さんは今後定期的に訪問し、信頼関係を築きながら支援を行っていくつもりです。

2012-05-22 06:57:35
とし @toshihiro36

宮沢:自分で自分のことが決められる人になってほしいと思います。どんな生き方でもいいんだけれど、そのことを自信を持っていけるというのが一番いいんだと思います。そうすると、めげないっていうことにもつながると思うんですけど。

2012-05-22 07:02:27

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36

山田:宮沢さんのような子ども支援は、子どもたちが生活保護を受けている限り20歳まで支援を続けていくということで…長い期間支援を続けていくということなんですね。どうご覧になりましたか?

2012-05-22 10:13:36
とし @toshihiro36

あさの:本当にひとつの希望みたいなものを感じるんですけど。たぶん私たちは生きている限り、いろんな形の支援というものを模索していかなきゃいけないと思うんですけれども、ひとつの例としてこういうサポートがあるのかなと感じるし。

2012-05-22 10:17:45
とし @toshihiro36

あさの:それから20歳まで…子どもたちが本当に自分の足で立っていけるまで、ちゃんと見つめて確認して、そこで手を離すというのが大人の役目だと思うんですけれども。今回は見えてなんとか手を出せたんですが、落ちていっている子どもって今でもたくさんいるってことですよね?

2012-05-22 10:23:28
とし @toshihiro36

湯浅:そうですね。今回のVTRの家庭も3年前におばあちゃんが亡くなってお母さんの体調が崩れ始めるまでは、おそらくものすごく普通の家庭だったんじゃないかと。

2012-05-22 10:28:12
とし @toshihiro36

山田:お母さんも、大掃除の仕方ってきれいに書いて(壁に)貼ってありましたから。あれを見ると、家庭はまわっていたという…ね。

2012-05-22 10:32:51
とし @toshihiro36

湯浅:彼女は友達も多いし、ちゃんとコミュニケーションもとれるし、ちゃんと愛情を受けて育ってきたのがこれを見るだけでわかる。そういう意味では、3年の間にガラガラと崩れたんですけど、その3年の間にサポートが入らなかったということなんですよね。

2012-05-22 10:38:49
とし @toshihiro36

湯浅:それは自分たちで何とかしなきゃという気持ちもあっただろうし、そう思っているうちにどうにもならない状態になっちゃってただろうし。そのときに「大丈夫です、言ってくれれば」という雰囲気が社会的にどれだけ浸透してるかというのが、悲惨な事件を結果的には減らすことになるんだと思います。

2012-05-22 10:43:35
とし @toshihiro36

山田:さらに最後のインタビューでも「自分のことを決められる自分になってほしい。自信を持って生きるというのが一番いいんだと思います」と。まさにサポートですよね。すべてをしてあげるのではなくて、生きる力をつけてあげたいという気持ちですよね。

2012-05-22 10:50:13
とし @toshihiro36

湯浅:自立心あるいは自尊心そういうものが育つためには、それこそ誰かに支えられる経験が必要なわけで。それはもともとは家族のはずなんですが、家族がこれをできない時に…じゃあどうするかですよね。それは家族以外の社会的な支えによって、彼女自身が自立していく仕組みを・社会を作っていく。

2012-05-22 10:55:36
とし @toshihiro36

湯浅:そうすると彼女自身が、自分のことは自分で決められる人になって、それが次の社会を支えてくれる。その循環をどう作れるかということだと思いますね。

2012-05-22 11:04:11
とし @toshihiro36

山田:今月は子どもの貧困について考えていこうと思っていますが、明日は親から子への貧困の連鎖について考えていこうと思います。今日はありがとうございました。

2012-05-22 11:07:50