ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会(3)生活保護世帯の子どもたち」書き起こし・ほぼ完全版

NHK・eテレで放送されたものを文字起こししています。 進行:山田賢治アナ  ゲスト:あさのあつこ(作家)     湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長) (4)「貧困の連鎖は断ち切れるか」のまとめはこちら⇒ http://togetter.com/li/308141
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冒頭のVTR

とし @toshihiro36

<ナレーション> 日本に急速に広がりつつある貧困について、1年にわたって考えていく「シリーズ貧困拡大社会」。5月は子どもの貧困問題を見つめます。無限の可能性を秘めた子どもたち。しかし日本社会を担っていく子どもの未来がいま脅かされようとしています。

2012-05-21 20:21:20
とし @toshihiro36

<ナレーション> 生活保護を受給する世帯の子どもの数が年々増加、10年前と比べて1.5倍の25万人に上ります。しかし、子どもへの支援は見過ごされてきたのが現状です。特に大きな問題となっているのは、授業についていけない子どもたちが増えていることです。

2012-05-21 20:26:56
とし @toshihiro36

<ナレーション> ここは神奈川県で3年前に始まった、学習支援の教室。通っているのは近隣に暮らす生活保護世帯の中学生です。家では病気の親の面倒を見たり、自分の部屋がなかったりして勉強できる環境にはないといいます。

2012-05-21 20:30:33
とし @toshihiro36

<ナレーション> 生活保護世帯の子どもの高校進学率は低く、貧困が連鎖する要因になっていると考えられています。そこで県の福祉事務所が大学生や元教師のボランティアを募り、この教室をスタートさせたのです。

2012-05-21 20:33:59
とし @toshihiro36

ケースワーカー長谷部:(勉強を)やりたくてもできない環境にあるお子さんもいるわけで、将来の夢を持って、次の学校も考えながらやれるようになるということは…その人が将来自分で生きる力をつけていくということなので。

2012-05-21 20:37:33
とし @toshihiro36

<ナレーション> 毎週、英語を習いに来ている中学3年の太郎さん(仮名)です。家庭環境の変化で成績が落ち込み、授業についていけなくなったといいます。太郎さんの父親は2年前脳梗塞で倒れ会社を退職、生活保護を受けるようになりました。

2012-05-21 20:41:50
とし @toshihiro36

<ナレーション> さらに母親も働きに出るなど家庭環境が一変、太郎さんは誰にも悩み事を相談できなくなり、勉強に手がつかなくなりました。 生活保護世帯の子どもはどのような状況に置かれているもか。そして、いまどんな支援が求められているのか。現場からの報告です。

2012-05-21 20:46:48

ここからスタジオです

とし @toshihiro36

山田:こんばんは。「シリーズ貧困拡大社会」今月は子どもの貧困をテーマにお伝えしてしていきます。ゲストをご紹介します。作家のあさのあつこさんです。そして反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんです。今日は生活保護を受けている子どもを見ていきますが、その数が25万人を超えていると。

2012-05-21 20:52:54
とし @toshihiro36

あさの:もちろん貧困という問題は大人にとっても大きな影響があるんですけど、子供は特にいろんな意味で…大きなものじゃないかなと思うんですね。私たちの1日と子どもの1日って違いますよね。

2012-05-21 20:58:45
とし @toshihiro36

あさの:1日1日を生きていく子どもにとって、貧困がどれだけ大きな問題なのかを考えた時に…背筋が寒くなるような思いがしました。

2012-05-21 21:01:00
とし @toshihiro36

湯浅:子供の数自体は全体としては少子化のなかで減ってきていますから、要するに子どもの分母は減っている。にもかかわらず、分子・生活保護を受けている子どもたちは増えているというのは非常に深刻な問題で。

2012-05-21 21:05:19
とし @toshihiro36

湯浅:しかも生活保護を受けていない家庭だけれども、収入や資産を見ると生活保護水準以下だという人たちは、いま(生活保護を)受けている人たちの2倍いるといわれてますから。そうすると25万人の子どもたちの周りに50万人ぐらいの同じような子どもたちがいることになるので非常に深刻な事態。

2012-05-21 21:10:34
とし @toshihiro36

山田:ではまず生活保護世帯の子どもはどんな状況にあるのか。私たちは今回、新たに生活保護を受給するようになった家庭を取材しました。

2012-05-21 21:14:31

VTRが流れます

とし @toshihiro36

<ナレーション> 4月、神奈川県に暮らすある家族が生活保護を受けることになりました。この日福祉事務所のケースワーカーが、初めての保護費を支給するために家を訪れました。一家は小学5年の少女と両親、そして祖父の4人家族です。父親の浩司さんは漁師として生計を立てていました。

2012-05-21 21:19:53
とし @toshihiro36

<ナレーション> しかし去年の台風で漁船が壊れ漁に出られなくなり、生活保護を受給することになりました。電気と水道の料金は3カ月分滞納、食事もほとんどカップ麺とレトルト食品でしのいでいるといいます。ひと月8万円ほどの家賃も去年から払えず、大家からは立ち退きを迫られています。

2012-05-21 21:25:00
とし @toshihiro36

<ナレーション> ケースワーカーが聞き取りを進めるなかで、経済的な問題に加え心配なことが出てきました。小学5年の少女の友達が遊びに来ました。娘のエリさん、11歳です。エリさんは慢性的な栄養不足から最近体調を崩しがちになり、学校を休む日が多くなってきたといいます。

2012-05-21 21:31:10
とし @toshihiro36

<ナレーション> 両親が同居しながら、エリさんはなぜこのような状況に置かれているのか。母親が見つからないことを不審に思ったケースワーカーが居場所を父親に聞いたところ、なぜか風呂場にいるといいます。母親は風呂場で毛布にくるまって横になっていました。

2012-05-21 21:35:31
とし @toshihiro36

<ナレーション> 激しい幻聴がきこえるという母親。家の中で最も静かな風呂場で、ほとんどの時間を寝て過ごしているといいます。

2012-05-21 21:39:10
とし @toshihiro36

父親:なんか雑音が入るとか言って当たり散らしちゃって。2、3日前も外で騒いじゃって。車のバックする音がするって大きな声を出して、隣のおばさんに当たったりなんかして。

2012-05-21 21:42:57
とし @toshihiro36

<ナレーション> きれい好きで家計のやりくりも上手だったという母親に、異変が起きたのは3年前。仲が良かった祖母を亡くした直後から体調を崩しました。統合失調症の疑いがありますが、病院に行ったことはないといいます。

2012-05-21 21:46:43